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道徳・正義と法(法学入門第9回)

どこまで法学入門の体裁が作られていたかはともかく、重要な内容を捉えていたようには思う。

 

山口亮介。道徳正義と法。法の規範としての性質や、何が法として使えるかの法源の話。構成員にとり共有の道徳や正義。大きく2つのポイント。法と道徳の関係。個人として社会の構成員として活動する時に規範の総体を道徳、倫理と呼ぶ。一定の行動指針になる。人々が社会生活を営むにあたり、構成員として何々すべきだ、すべきでない、という言い方で規制して安定化させるルールが求められる。社会規範は道徳倫理と重なる。道徳は法規範とどのような関係に立つか。前半ではこうした問に即して法と道徳の関係の理論。密接な部分や対立する部分などを概観。後半では正しさという価値を巡る問題として正義の観念を。正義感に駆られる。正義の味方。道徳的、道義的正義の色彩を持つ。もっとも正義の内容は個人の主観的内面的なものにとどまらない。客観的に人の行為を規制する側面を。法と正義が密接な関連を。こうした法と正義を巡る法学上の考え。
近代法の前提と成る国家や社会の。法と道徳は密接なところから。6世紀にローマ法大全。法の原理。これらは一般に考える法原理というよりは心構えという印象を。他にも現在の法律の中で一見して道徳的価値に関わる文言を見出すことが出来る。責任という用語。義務の意味。法学の上では不利益や制裁を負うものと。不法行為に対する損害賠償責任。民事責任。刑罰を科せられるべき責任。行為の批判が可能。刑事責任。専門用語としての責任。法と道徳の関係。様々な考えが。法の外面性と道徳の内面性。法は客観的な形で人の行為を規律。自分以外の他律的強制による。道徳は行為を為すものの内面にあるものを記述。区別により明確につけられるものではない。法律の条文に人の内面に踏み込んで規律しているものを見出すことが出来る。自分の行為を。故意。民法上の不法行為の要素の1つ。刑法における故意。結果の発生を意図認容すること。実態を踏まえれば、区別ははっきりしない。法と道徳はどのような関係が?法は人が従うべき道徳の最小限、という格言。道徳は社会において内面における規律やマナー。構成員各自の自己規制の規範。法は行為や態度を規律する規範。一定の罰則や損害賠償等の調整や義務付け、客観的で具体的な。一定の程度共有されその意味で一定の客観性を持つ価値。典型例として刑法典で違法な行為と。社会道徳を下敷きにした法原理が。
法と道徳の関係を別の角度から。実定法の位置づけ。実定法とは制定法や特定の社会における慣習や判例など。実定法の効力。法実証主義と自然法論の議論が展開。法実証主義。人間が作った法のみが法。法的効力を持ち人々を拘束。より端的に、法とは国家の法律を使った命令による。人為的に作られてた法の正しさを。自然法論。Nature。そうあるべきものという自然の本性。人の本性理性や人を超越した神による法の存在。自然法と矛盾する実定法には法的効力がない。決められたルールを守らなければ社会秩序は維持できない?法実証主義と自然法論という対立。悪法は法であるかの議論。国民のためにならない悪い内容の法の効力は?法実証主義では悪法も法。一定の手続で成立した法律も効力を持つので服する義務がある。その結果として為された非人道的な行為を否定することは出来ない。自然法論では悪法は法律の形態を持つ不法。法律を越えた法。悪法の法的効力を否定。第二次世界大戦後に大問題になる。戦時中のナチスドイツ。戦後に刑事責任を問う。結果として非人道的な行為に対して刑事訴追が。裁判の背景に、手続により制定された法は法である、という標語を越えた形で刑事訴追の可能性が。ラートブルフ。法実証主義と自然法論という2つの立場は法と道徳の間の関係にも。法と道徳とを端的に別個の、または一体のものとして考えるのは難しい。相違を踏まえた上で法を整合的に考える必要がある。過去から現在、未来に繋がる問題。道徳と法の関係の変容。科学技術などの進展で法と道徳の内容は変化しうる。一定不変のものではない。社会においてはこれまで道徳の問題が法規制の対象になったり、道徳を下敷きにして法による強制が効力を持たなくなる。尊属殺法定刑違憲事件。刑法典からの削除。199条の殺人の次の条文。200条は削除。そこには直系尊属を殺したる者は死刑または無期懲役。通常の殺人罪は5年以上の懲役。有期懲役の部分がない。背景にあるのは国家秩序を。前近代の法令にも広く見られる。法の下の平等に照らして違憲とする意見があった。刑法200条に違憲の判決が。道徳と法は何をすべきか、すべきでないかの考えで密接に。法の効力を巡り法実証主義と自然法論という考えが。道徳観自体が変化して法の内容を変える面も。
法と正義を巡る法学上の考え方や議論。正義の観念の歴史的形成。西洋における正義。辞書的な意味。人々の公平な扱い。公平で道理にかなう状態。制裁への法制度。公平な関係性と調和ある秩序、人間の特性。法学にとり重要。法と正義の関係性。膨大な議論が。正義についての観念。簡単にまとめると、個別の法律や判決が正義にかなうかの基準。アリストテレスの正義を巡る思想。正義の概念は一般的正義と特殊的正義に。一般的正義。遵守するとともに。特殊的正義。行為に具体的妥当性。平均的正義と配分的正義。矯正的正義。それぞれの人が持つ価値や属性に応じて利益や負担などを。比例に従った異なる扱いを是認する。差異を前提にした実質的正義。公法の分野で。個別の関係が均衡に。私法の分野で。アリストテレスの前提は決定に主体的に携わることの出来る個人の存在。正義の観念に基づき等しいものに注目するのではなく、等しいものと等しくないものを区別する基準の調達が必要。その後、配分的正義を巡っては個人の責に帰することのない場合は違うのでは。自分の努力ではどうしようもない貧困。社会的問題からの不平等。不利な状態のままで配分するのではなく、立法などの配慮を行うべき。社会的人権思想や福祉国家。正義の考えに影響。特に実質的正義の在り方を。正義の問題に対し、18世紀後半から英米法の分野で最大多数の最大幸福、功利主義や、20世紀のロールズ。手続的正義という観念が有力な説に。手続的正義の内容。一定のルールや手続に準拠したもの。結果として正不正を問題にしない。裁判のプロセスにおいて明確に定められ遵守されているか否か。基礎となるのは適正手続という考え方。国家権力の権原行使から自由などを保護。日本国憲法31条。適正手続という考え方の系譜。刑事事件の手続。憲法38条。刑事訴訟法311条。沈黙し供述を拒むことが出来る、被告人の黙秘権。法と正義。正義については道義的正義だけでなく公平な分配を。法学で用いられる正義の観念。実質的正義。別に手続的正義や形式面の手続も重要。
共有される道徳や正義の観念が法とどのような関連を持つか。社会生活を取り巻く道徳や正義や法の在り方。現在から未来に向かっても絶えず変化を。社会や価値観の違い。人任せにすることのない知的態度が必要。

 

法学入門 (放送大学教材)

法学入門 (放送大学教材)

 

 

粋。

江戸時代の江戸の町内に紐付けられている概念。概念として的確な説明をするのは難しい。しかし「粋」の持つ雰囲気を味わうなら、大半の時代小説は江戸を舞台にしているので、お読みになれば感じ取ることは可能である。むしろその方が「粋」の概念で言葉遊びをするより良いであろう。それにしても時代小説は膨大な量が出版されている。直木賞を受賞された西條奈加先生も多くの作品を描いている。しかしながら、時代小説の大半は江戸の町内を描いている。例えば農村や漁村の情景を描くものは殆どない。そちらの方が江戸時代では大多数の筈だけど。

「G」と「十三」の関連性。

昼休みにいんすたInstagramを見ていると、フォローfollowしている方がGマップで自宅近くの店を見つけたとの投稿があった。それは大事なライフハックlifehack。しかしながら、「Gマップ」というのが何なのか分からない。何枚か写真があるので見ると、どうもGoogle mapらしい。まあGの一文字で表せなくもない。だが「G」を見て連想するのは、私の場合はゴルゴ13である。書籍を買ったりもしていて最新号を立ち読みしたりも。なおAERAという週刊誌に、ゴルゴ13は大阪市の十三(関西圏以外の人には分かり辛いが「じゅうそう」と呼ぶ)にある北野高校の出身であるという了解不能な展開になっていた。なお私は十三にある大阪北予備校に通っていたことがあるが、さすがにゴルゴ13が予備校に通っているという設定にはなっていない模様。

家族面接(臨床心理面接特論(1)第9回)

問題行動は心の葛藤の表れであることが多いということは心に留めておきたい。

 

小野けい子。家族面接。心理支援の理論と実践。本人だけでなく家族が面接に。両方への面接も。どう考えてどうするか。
誰を心理療法の対象とするか。家族というのは互いに大きな影響を。近年家族をシステムとして捉えて成員税員を対象に。家族心理学特論もある。個人を対象とした心理療法を。その中で家族面接をどのように考えるか。問題を顕在化させている本人だけではなく家族が。本人抜きでもある。相談に来られた人を中心にして面接をする。親子、多くは母子で面接に。原則として別々のセラピストが面接にあたる。ロジャーズの無条件の。どの派のセラピストにも共通。基本的態度は複数の人に持つのは困難。2人で両方に会っているとどちらの味方かと思われる。顕在化させている本人が小学校4年生以上では。味方と思えることが大事。かつての職場はセラピストが1人なのでどうするかが問題。子供だけに会うことが多かった。内的現実にだけ付き合う。最近は外的適応がどうなっているのかは気になるし、親に聞けば色々と分かるけれど。内的現実を見つめていれば、外的適応も改善されてくる。少し遅れてだけど。外的な現実を伺えるとかが大切な場合があるけれど、1人に限定することが意義がある。不登校の場合は親が相談に来られることがあり、やがて本人の親なしの面接が開始されることが多い。本人の面接が数回だけで終わり、親に手紙を託すこともある。誰を心理療法の対象とするか。目の前の人を対象にする。症状を顕在化させている本人が来ないことも有り、家族を対象にする。両方が見えた場合は2人に深い共感や自己一致が難しいので1人に限る。1人に会うのが基本。
具体的にどのようにカウンセリングするか。家族面接。初めに親御さんだけが見えられている。家族のみの面接。実際の事例を踏まえた仮定の。高校生が万引したと親が。高校を退学に。1度目の万引が発覚して再度やってしまい退学に。お父さんは社会的成功者で経済的に恵まれた家庭。父が大変厳しく叱る。どのようにしたら良いか分からない。本人も似たような状況。エアガンで猫を撃ったり。父は正常とは思えないと。高校生のおばさん。母の妹。万引の仕方が稚拙で発覚しても当然と思い、セラピストを訪ねてみればと助言。人はその原因を考える。問題があったときに。社会のせいか。小学校入学から習い事に行ったのがいけない。仕事人間である。中学校の時に単身赴任だったのが。色々。全部妥当なのかもしれないが、問題の原因がなにかという立場に立つと、原因探しは悪者探しに。周囲からの協力が得られない。河合隼雄もよく言っていた。過去を問題にするので反省したとしてもこれからどうするかは分からない。何も見えてこない。原因探しでは。原因を考える、因果関係を考えるのは分かりやすいが、原因が正しくても現象の場にいる人には役に立たない。因果律は点と点を結ぶが、それほど単純ではない。どういうふうにすれば?単純化した因果律で分かったつもりにならないで、曖昧さに耐えて状況全体の中から問題提起としてみて、どういう意味を持っているかを。臨床の場に居るものに問いかけ。発することで臨床の場に留まってきた。高校生の場合。万引はどういう意味を持つか。一緒に考える。初めに考えたのは僕の方を見てという強力なメッセージ。そうかもしれない。父親にはいわゆる愛人が居て、家族から離れていて稽古事などに。高校生の万引は父親の関心を家庭にひきつけ、母親の関心も家庭に。そういう力を。高校生の躓きにも意味が。父も母も無関係ではない。未来が少し見える。立ちすくんでいたのが少し前に。どうすればよいかか少し見える。次の面接は父と母が。父は今の問いかけに、家族にとってストンと落ちる衝撃的な問いかけ。きつく叱ったのに、とどうすればが分からなかった。本当の僕を見て、という意味があったのではと。父は1代で財を成した。要求レベルが高かった。こういうことまでして要求レベルを下げようとした?実際にそういうことを。問題行動は困ったこと無ければ良いことだが、ただ困ったことではなく、他ならない親にとっても未来に繋がる意味を。問題を状況全体の中で意味あるものとして。意味は1つだけではなく、それが治療的。高校生も自分のしている意味を把握していた意味ではなく、もっとピタッとした意味があるのかもしれないけれど、軽蔑されひねくれていた悪循環から異なる方向へ。高校生には兄弟も。家族全体の問題。弟にとっても意味がある。それ以降はお見えにならないので、良い方向へ、比較的簡単な事例。本人が一度も。
親子並行面接。多くは母親が。家族面接の典型例?1人で双方に会うことは殆どしていない。小学校中学年の子供以上では別のセラピストに。この親子並行面接は一緒に通うこと自体がとても良い効果を。ただ待っていただくこともあるが、いずれであっても相談に通うことがセラピーに大きく役立つ。母子が行動を共に。独占する機会を。子供を見直す機会に。思いがけない大きな効果を。家事を見ながら世話をするのが日常。乗り物に乗っている時にゆったりと見られる。治療には抵抗がつきものだが、平行面接ではそれぞれの抵抗を他方が上手くカバーすることも。親としての問題点に気づいて苦しくて、遊戯療法で。親が相談の意味を悟ることも。相互的に。うまくいく時。何処かで歯車が狂う、破壊的作用を。治療が進展してても逆転移を。母が来談に抵抗を。平行面接は一緒に来る時間も。抵抗をカバー。子どもの問題について心理療法の解決を目にして動機づけを高めて治療に協力的に。母も子供を受容しやすくなりプラスに働く。よく起こること。母が子供がセラピストに強い転移を。嫉妬を。子供に逆転移を、強い共感を。親に批判的になる。親を責めるのは治療的ではないことが多い。相談に見えた親は、育て方を間違えたと。反省していても事態は変わらない。親を責めても本当の協力は得られずプラスにならない。問題のある親から分離する?違う。母性的側面や父性的側面が足りない?クライエントに母性を体験させることが役割。親も自身の歴史を背負っている。責めることは出来ないし、これからを一緒に考えていくこと。問題提起行動として。親を責める態度がある場合にはプラスに働かない。若いセラピストはしがちな行為。母子並行面接。2つの面接が補い合うこともあるが、難しいと関係が破壊的に作用することもある。子供が自分の問題に直面するのが辛くてセラピストの悪口を。面接を辞めようとしたり。セラピスト同士の関係が悪くなることもある。どういう時に生じやすいかを理解して、深い信頼があるセラピストらを。チーフとしての役割を一方がはっきりする。1人のセラピストが担当する場合がやりやすいことも。チームワークについても大事。様々な問題を顕在化させている本人を巡り、学校の先生なども含めた人間関係を複雑な様相に。非行少年のセラピー。大人たちの態度を批判的に。セラピストも子供の味方と思ってしまう。互いに相手を批判的に見て二重三重に感情がもつれる。間接的逆転移。問題を顕在化させている本人を巡る回りの人の人間関係が複雑に。自分たちは何をしているか、このゴタゴタは心の中を反映していると。非行少年の心の中の葛藤の反映と考えることは有効。互いに非難しているのには理由もあるが、周囲を喧嘩させる。葛藤として抱えるのではなく周囲を喧嘩させる。心の中の葛藤の現れと考えるのは有効。上手くいかないと焦ったり。はけ口を他の治療チームや家族に。間接的逆転移の感情。組織にも向けられる。フックがあるはず。解釈も妥当でないわけでなくそれなりの理由が。カウンセラーが先生や制度を攻撃するのも正当性があるが、心の中の葛藤の肩代わりをしているのではないかという視点を持つ。治療チームの横の葛藤を気づく。再構築することが出来る。家族面接と関係して心に留める。一生懸命関わって良くなったと思っていたらまた非行を。信頼しては裏切られる経験を繰り返し、苦い経験を先生やセラピストが味わっていると考える。傷つけあっている時に葛藤を見ることで、これからどうするかを皆で考える。
親面接といっても母と父とは違う。発達障害の場合などで違ってくる。発達障害の場合には適切なアドバイスが必要。それぞれ少しずつ違う。誰を面接の対象として。

 

臨床心理面接特論I: 心理支援に関する理論と実践 (放送大学大学院教材)

臨床心理面接特論I: 心理支援に関する理論と実践 (放送大学大学院教材)

 

 

協力。

世界がコロナ禍に陥ってから1年以上が経過するが、沈静化する兆しは見られない。大阪府などでは非常事態宣言が発せられている。医療崩壊の危機が叫ばれているので、国民も出来る限りでマスクを着用するなど協力をしている。最近になり日本でもワクチン接種が始まった。優先順位があるから先の方も居るが、ワクチンを打つかどうかは考えなければならない。ワクチンも薬物なのだから副作用がゼロで或るはずはない。しかしながら摂取しないリスクは当然有るので、冷静に比較衡量する必要がある。まあ最終的には日本の殆どの人が接種を希望すると思う。

昔の京大のArbeit事情。

今日の昼のentryは日本の勉学文化についての放送大学の講義の書き殴りであった。様々な研究結果から、家庭の階層が子供の進路に多大な影響を与えることが明らかになっている(もちろん貧乏な家庭の子供も良い大学に進学している例もあるが)。私は京都大学の法学部に在学していたが、裕福な家庭の出身であると分かる人間もかなり見受けられた。私はどちらかと言うと裕福な家庭の出身ではなく、同じような境遇の人間も居たけれど.時間を惜しんでアルバイトArbeitに勤しむのが大抵のパターン。幸いにして京都大学の学生はなにかとArbeitを探すのには苦労しなかった。「学生相談所」と呼称する斡旋場所が百万遍の交差点のすぐ近くにあり、そこでゲットした先でArbeitをすることが多かった。今は無くなったと聞いたが、今の学生はnetで探しているのだろうか。

家庭~学校~大学への勉学文化の連続性(子供・青年の文化と教育第9回)

俗に言う一流高校や一流大学に通った経験からも、貧しい同級生は皆無と言って良かった。世代間の貧困の連鎖は食い止める必要がある。

 

谷田川ルミ。家庭学校大学の勉学文化の連続性。文化の連続性。文化的な傾向や行動規範、一朝一夕にではない。時間を守る行動など。家庭の躾や学校生活。日本という国の文化的背景も。習慣や行動規範などは幼い頃からの影響が。大学生を例に取り、どのように連続しているかのメカニズムを。大学生の勉強や学習、勉学文化について。
大学生を取り巻く。4年制大学への進学率は5割を越える。およそ半数が。大学大衆化。同い年の人の半数が大学に。大卒の価値が変わる。現在では大卒も珍しくなく価値が下がる。就職の状況。90年代から00年代前半の不景気の影響で不安定に。現在の日本社会では必ずしも人生に有利に働かない。現代社会においては臨機応変に生きる能力を。何を身に着けたのかが重要に。大学生の活動の中でも勉学は重要。勉学への姿勢は労働市場へ繋がる。将来を決定する要因に。大学で何をどれくらい学び身につけたか、仕事に生かせるかが重要視。ポイントは授業をしっかりと理解する努力などの勉強をする姿勢、勉学文化。大学入学からでも身につく?幼少の頃からの習慣が継続?文化が連続的に伝達すること。文化の連続性。子供時代から大学時代までの勉学についての文化の連続性。家庭や学校、社会へと繋がる教育の問題点を浮き彫りに。
文化の連続性を。文化資本の概念の理解が前提。文化とは?芸術的なものではなく、社会や集団に共有される流儀作法。社会規範や考え方など。社会の成員が常識としている価値観。社会化という概念。文化を自分のものとして身につけるプロセス。論者により幅がある。ブルデューの文化資本の概念。文化資本の伝達の量の大きさ。伝達のプロセスが達成を。あくまで結果としての教育達成、最終学歴。読書の習慣などで説明。大学生に特化した大学生文化。サークル恋愛勉学アルバイトの特定の活動への共通の価値観。文化とは人の経験や環境で身につけられる価値観など。文化資本の定義。ブルデューの概念。資本とは経済的金銭的な元手だが、生きていく上での資本と。文化資本とは有利であるとされる価値観を。教育により得た知識などが身体化。家庭にある書籍などの物質的なもの。学歴のように本人の身につけた知識などが。経済資本のように量として測れないが、1種の資本として有利に働く。大学生の勉学文化の連続性。家庭における働きかけを総合して捉える。身体化された文化資本。文化資本が学業達成と密接に。ハビトゥス。学校教育を媒介として価値の獲得に。文化資本とハビトゥス。フランス社会での調査結果。格差がどのように作られているか、どのように不平等に納得するのかを調査。プロセスに教育が関連するという仮説を。教育と格差。フランス社会では機会の平等があるにも関わらず、中産階級の方が労働者より圧倒的に大学に進学している。このような教育格差は何故?文化的な財、文化資本に格差が。現在の日本でも。教育機会は万人に開かれているとされる。現場でも平等に扱い同じ内容を教えている。卒業の後の社会的地位などは決して平等ではなく不平等。60年代のフランス社会。00年代の日本にも学ぶものが。文化資本はハビトゥスと一体化。慣習習慣を意味。人が社会化の過程で身につける考え方や行動のパターン。人の好みや趣味、ライフスタイルの違い。学校の教育システムは中産階級のハビトゥスに近い。教員免許は大学卒でないと取得出来ない。国や地方自治体の学校も。役人は大卒者がなることが多い。この点も日本と同じ。中産階級の論理で。同じ文化的背景により馴染みやすく成功しやすい。労働者階級の子供にとっては落差があり学業で成功しづらい。平等であるはずの学校教育が子どもたちの階層格差を強める。親の階層が子供の階層を決定する。社会的不平等が学校が強めて階層が親子で受け継がれる。文化的再生産。このメカニズムは言語コードという観点からも説明される。労働者階級の子供の大学での不適応が高い。同じ英語という言語を使っていても言語における言葉遣いが違う。労働者階級の子供は仲間内にのみ通用する言葉遣いを。語彙の数も限られている。限定コード。中産階級の子供は並行して文法に忠実で幅広い人にも通用する抽象的言語コードを使う。文法構造が複雑で多くの語彙を。学校での教科書は科学的で体系付けられている。先生の言葉も精密コード。特に勉強の場面においてあらっぽい言葉は認められない。中産階級は馴染みやすい。労働者階級の子供は表現方法に馴染みが薄い。学校の規則に馴染めなかったり学業達成に不利。高等教育への適応に変化が。階層の再生産に繋がる。バーンステイン。日本において文化的再生産は?示唆する調査結果。60年代の高度経済成長時代から一億総中流社会。格差の観点からは無かった。大規模社会調査。社会階層と社会移動。SSN調査。階級の研究。橋本健二。55年から95年について受け継がれていると。具体的には資本家階級や新中間階級。成績が同じくらいの生徒を比較。資本家階級の進学率が高い。現在の日本でも文化的再生産がある。
実際に現在の日本の大学生は子供時代からどのように影響?07年の調査結果。小学生の時に本を読んでもらった、勉強を見てもらった、美術館に連れて行ってもらった。文化経験が教育における文化資本として成功に。読書芸術学習の経験を測る。これらの指標は文化的な量や階層文化の一端を測ることが出来る。大学類型によって違いがあるか。出身高校。大学入学難易度の違い。文化資本得点の平均値。性別。女性が高い。子供時代に家族からの教育的働きかけを。女子においてはより高い文化資本を獲得したものが進学。難易度が高い高校ほど文化資本得点が高い。中堅大学に進学。受験に向けての学力とは別の習い事などの学力を。女子大も含まれるので女子も多く含まれるのが一因。親の学歴。母親が高学歴であればあるほど文化資本得点が高い。高校における活動と大学における活動には連続性が。勉学や部活。馴染みのない文化には親和的になれない。子供時代の文化資本と高校時代の読書。日本においては高い教育達成を。読書文化資本が。勉学活動とも関連が強い。高校時代に読書をかなりしていた学生の方が子供時代の文化資本得点が高い。大学生活における勉学の比重が大きい学生ほど、子供時代の文化資本得点が高い。子供時代の家族の働きかけにより文化資本得点が高いほど。子供時代の文化は大学生に連続する。親の学歴や子供時代の文化資本、高校生の読書、大学生の勉学。それぞれ影響を与えている。子供時代から大学生への連続性は?男女別にパス解析。各変数の間の関連の有無を。関連があった変数を。因果関係も。数値は大きいほど関連が強い。親の学歴は母親の。読書文化資本は母親から影響を。イニシアティブは母親が取る。父親の学歴より影響が強い。女子においては子供時代の文化資本は、読書と勉学文化に直接に影響。高校時代の読書活動は大学にも影響。母親の学歴は読書と勉学に間接的に。男性の場合は読書活動のみ。母親の学歴は文化資本得点を介して。分化の連続性のメカニズム。女子では文化資本得点は直接関係しているが、男子の場合は単純な因果関係の連鎖。男子よりも女子の方が直接かつ強く受ける。男女ともに出身高校が進学校かどうかは読書活動や勉学文化に関係しない。学歴獲得市場を介することはない。アカデミックなパスは有効ではなく、子供時代の親の教育的働きかけの方が影響を及ぼしている。子供時代の経験の積み重ねの文化資本は連続して影響を与えている。子供時代の環境は将来に如何に重要家が分かる。
まとめ。文化の連続性。子供時代の経験がどのように影響するかを勉学文化を例に。文化資本は大学や高校に影響。子供への教育的働きかけが重要。流動化する力を養うことが出来る?しかし家庭教育の重要性を強調しすぎることには危険性が。精神的にも物理的にも母親に負担を。本田由紀。家庭教育は社会内の有利さ不利さを。裏を返せば親の階層や文化資本で将来が決められる。親の学歴や教育力の格差が問題。取り組みが。学校教育における学力保障。補習授業や無料の学習塾を。保護者への経済的支援などの福祉的サポートも。階層の再生産が起こっていることを理解し階層格差を縮小することを考える必要がある。

 

子ども・青年の文化と教育 (放送大学教材)

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大学生のキャリアとジェンダー:大学生調査にみるキャリア支援への示唆

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