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国際紛争の解決(国際法第13回)

戦争が違法な手段とされるのは理解できるが、依然としてきな臭いのは変わらないなあとも感じる。

 

柳原正治。国際紛争の解決。法的規律は大きく変化。現状と課題。国際裁判。川島武宜「日本人の法意識」。ジョンヘイリー。戦間期では裁判嫌いが定説。国際裁判で紛争を処理しない?裁判嫌いを治そうとすることは試みられてきた。国際裁判の消極的な立場は大きく変化。竹島問題。捕鯨事件などの当事国に。解決方式としての国際裁判を嫌っていたのは制度そのものへの忌避?アジア諸国は戦間期の日本に通する。欠陥のある制度?積極的態度に変化した理由は?今日における国際紛争の解決について。解決方式の歴史的変遷など4つの。
紛争解決方式の歴史的変遷。19世紀において国家間の戦争の規律。国家間の紛争解決の最後のものに?97年の論文を。18世紀後半を考察。正戦論が理論的に崩される移行過程を。3人の論者の戦争論を。伝統的正戦論では、権利の追求の手段と。戦争の勝敗は不確か。つまり正戦を行う側に神が加担することはありえない。19世紀にかけて正戦論が崩される。紛争処理の観点から戦争を捉える。国際法上の権利の自力救済を広く認める。国内社会と決定的に違う。自力救済は特定の状況を除き違法。国際社会では武力不行使原則が確立されている。平和的に解決する義務が確立している。最終的な解決手段は裁判?言い切ることは出来ない。現在までに国際司法裁判所のみならずいくつもの裁判所が。どの国際裁判所も一般的強制管轄権を持たない。履行の手段も充分ではない。国際紛争で留意すべきなのは、紛争の存在そのものに一致がないことも。竹島と尖閣諸島。解決手段としての戦争が禁止されている。交渉、審査、仲介、仲裁、国際裁判など。いずれの手段を選択するかは関係国に。当事国は何処かの時点で特定の手段を取ることに合意を。国際海洋法裁判所などといった国際裁判による解決。国際海洋法条約。自由に選択できる。常設の国際海洋法裁判所と国際司法裁判所のどちらを?12年3月にはバングラデシュの事案が。国際法の断片化。
裁判によらない紛争の解決手段。非裁判的手続。交渉など。従来は法律的紛争と非法律的紛争を。しかし分離の基準に一般化が出来ていない。基本は外交交渉。民事事件では話し合いが一般的。当事者間の交渉は力関係を如実に反映。裁判が機能しない国際社会では一層あてはまる。終局的には交渉に成るのは国際社会の現状。交渉命令判決も69年の北海大陸棚事件。公平な結果になるよう誠実な交渉を。71年に条約締結。審査。1899年のハーグ平和会議で。紛争の事実関係を明らかにして解決を容易に。周旋と仲裁。第三者が介入して紛争解決を図る。調停。調停委員会が解明した上で解決案を提示。紛争当事国は受け入れなくても国際法違反にならない。
裁判的手続。仲裁裁判と司法裁判、司法的解決。合せて国際裁判と呼ぶことも。介入する第三者、裁判所の提示する判決が当事者に法的拘束力を持つ。裁判所が常置されているかどうか。21年。常設の裁判機関と仲裁裁判は異なる。仲裁裁判が。ジェイ条約。1872年のアラバマ号事件の成功で広まる。1870年代前半にロシアの皇帝を仲裁人にしたのはなぜか?ロシアの関心を得るには、すこぶる名誉であると。政略上ロシアに頼んだ。副島の発言は本当かは検証を要する。常設仲裁裁判所の設置。常設という名前は名簿の常設にあるに過ぎない。実際の裁判官を選任。21年までかなり活用。日本では敗訴したので国際裁判への不信感が。消極的態度へ。外国人居留地。租税などの免除は土地に限ると。家屋についても免除されると判示。西洋人が多数の法廷で不利な判決を。しかし必ずしも日本が勝つ事案だったかどうかは精査が必要。国連海洋法条約に基づき仲裁裁判が。00年の南まぐろ事件。裁判基準は仲裁契約で規定。通常は国際法による。司法裁判。21年に常設国際司法裁判所が。40年までに29件の事件を。織田萬などの3名。31年に満州事変が。国際司法裁判所で裁くべきと。日本政府は裁判による解決に否定的。現存する国際司法裁判所。それ以外にも国際海洋法裁判所や国際刑事裁判所などが。地域的裁判所として欧州司法裁判所など。国内社会と異なり審級制はない。どちらに訴えを提起しても良い。裁判所が競合し解釈について相異なる判断があっても。国際法の断片化の問題が。規範としての国際法の一体性が損なわれる危険性が。
国際法の全ての分野を処理する国際司法裁判所。国連の主要な司法機関。最近は活発な活動を。裁判官の構成と強制管轄権。大国からの裁判官を?他の国家は応じなければならない?根源的な問。構成。国連総会と安保理の15人の裁判官。慣行で5カ国の裁判官が含まれ、地理的な割当も決まっている。紛争当事国出身の裁判官は審議に入らない。特認裁判官。裁判の公正さからすると疑わしいと批判も。紛争当事国の主張を理解する人が居る安心感など。多くの国が活用。選定した当事者国に不利な判決をすることは殆どない。裁判所に強制管轄権を。他の国家の同意がなくても。アメリカは議会の反対のために当事者国にはなれなかった。案も採択されなかった。選択条項受託宣言。法律的紛争で強制管轄権を持つ宣言を。相互性を基本にしている。約3分の1しか宣言していない。アジアでは日本を含め6カ国。受託宣言。アジア諸国は国際裁判に積極的にはない?受託宣言には留保がつけられることが多い。受託宣言以外には紛争発生後に合意して付託する場合。事前の行為なしに付託して相手が認める場合。裁判条約や裁判条項で一方的に付託できる場合。いずれかに基づいて裁判が提起されると審査を行う本案手続。書類審査と口頭手続。最終的申し立てをして評議が行われ判決が。付随手続。仮保全措置。紛争当事者国に権利の保全を指示。司法裁判所の場合には管轄権が争われる事が多い。01年のラグラン事件で法的拘束力を肯定。管轄権についての抗弁。請求の受理可能性抗弁。先決的抗弁。抗弁が認められると裁判は終了。第三国の訴訟参加。当該事件の裁判に影響を受ける国家が参加。権利方式。裁判所の判決は特定の事件についてのみ。先例としての意味を持たない。通常は先例を尊重している。履行確保措置の。安保理が勧告したり。ニカラグア事件。アメリカが拒否権を行使。履行確保は不充分な制度に。少数の例外がある以外は履行されている。国際司法裁判所は以上のような国家裁判に加えて、勧告的意見を出すことが。重みがあるので比較的尊重されている。96年の核兵器の事案が有名。
国際機関が関わる。ILOなどが最初。事務総長などが大きな役割を。安保理が主要な責任を。安保理は危うくする恐れがあるかを認定。その場合は付託を含め方法を勧告するなどを。勧告の採択についても拒否権を持つ。
小田滋。解説書の1つ。27年間国際司法裁判所の判事を勤める。

 

国際法〔改訂版〕 (放送大学教材)

国際法〔改訂版〕 (放送大学教材)

  • 作者:柳原 正治
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2019/03/20
  • メディア: 単行本
 

 

二枚舌。

今年の4月15日に、自民党の二階俊博幹事長は東京オリンピックの中止につき言及した。今年のオリンピックに対する中止の発言としては運営側で最初の発言であった。ほぼ気球観測的な発言であることは言を俟たないだろう。まだ菅総理が訪米をする前であり、先にバイデン大統領にオリンピックの中止を言われると不味いという判断があったのかもしれない。反面、当の二階氏は開催が当然とも発言していて如何にも二枚舌である。しかしそうせざるを得ないのも政治技術上理解は出来る。これを書いている4月25日の段階ではオリパラは開催するのが当然として進んでいるが、運営側がプランBを考えていないとも思えない。万一何も考えていないのなら論外であるが。

GWのイベントの中止と弊店。

今日5月1日から今年のゴールデンウイークGWが本格的に始まる。と言っても昨年と同様に、本格的に外出する訳にもいかない。おまけに緊急事態宣言の発出に伴う休業要請で弊店も休業を余儀なくされている。そう言えば昨年もGWの後半は休業していたのを思い出す。何処の小売業でも同様だと思うが、売上がおおいに見込める時期に期待出来ないのは痛い。

痛い思いをしているのは小売業だけではない。高槻では例年のGWに高槻ジャズストリートが開催されているが、中止に追い込まれた。弊店も例年はTシャツを販売しているのだがそれも無し。

第23回 高槻ジャズストリート 中止のお知らせ | 高槻ジャズストリート 公式ウェブサイト -TAKATSUKI JAZZ STREET Official Website-

昨年に続き中止である。今年はパンフレット作成などをしていて費用が嵩んでいるそうである。来年以降にどうなるかが問題になるだろう。

なお今日から始まる茨木音楽祭も中止である。

茨木音楽祭|音楽で茨木のまちを元気に!

研究領域(3):発達・教育心理臨床(臨床心理学研究法特論第13回)

方法は様々あるが、ケースも多種多様なので引き出しは多くあったほうが良さそう。

 

永井撤。発達的心理臨床。教育心理臨床。特に発達障害。実際の支援方法。
発達心理臨床。心理的な問題の原因。精神分析的考え方から発達的な。幼児期の体験が。発達的な味方が。フロイトは身体の部位と結びつくと。性格の基本的。口唇期。肛門期。父親母親との三角関係から空想的な願望などの。エディプス・コンプレックス。課題に直面する。男根期。エリクソンにより発達課題として体系化。神経症レベルの問題はエディプス期の課題が影響する?早期の発達段階の課題が。クライン。早期母子関係。妄想分裂ポジション。良いものと悪いものに分裂。臨床経験からはどこまで客観的か?乳幼児の問題を実証的に。孤児の支援問題から。スピッツら。マーラー、スタン。スピッツ。母親の死などの体験。行動観察から、8ヶ月位から知らない人には不安反応を。他者との関係の成立。8ヶ月不安。剥奪された時期により。ゴルビー。哺乳動物全ての愛着行動。対人関係力。内的ワーキングモデル。母子関係の在り方が大きく影響。マーラーは段階を。自他の区別がない時期。2ヶ月を過ぎると外との区別が。全能感的な一体感。5ヶ月位から母親との違いが。独り歩きが可能に。練習期。母親からの分離と接近。最接近期。親から独立を獲得。乳幼児期の親からの関係。思春期の親離れの問題にも。乳幼児の体験に問題が。スタン。子供の主観的考え。自他未分化の。新生児。外的世界の刺激を感じ脳の働きが。刺激を掴む。一貫した中核自己観。相手と衝動を合わせる。衝動の交流で力が。言葉による関わりや。言語的自己観。4つの自己観は層を作り個人に。大人の間でもそれぞれの世界を。認知科学的な視点との接点を。検証が進み主観的世界へ。
発達臨床の課題の原因。遺伝的な要因か環境的要因が。取り組む姿勢が変わる。自閉症。45年にカナーが取り上げる。自閉症スペクトラム障害。器質的問題?母子関係の問題?時代と共に変わる。決定因は見いだされていない。環境要因も影響。脳科学や認知科学。新しい知見がどのように受け取られるかの視点を。
教育心理臨床。アメリカの民主主義。ロジャーズ。悩みを抱えて相談に。自己一致や純粋さ。積極的関心。カウンセラー自身の。民主主義の平等性が。子供の主体性を重んじるだけでは解決にならない。急激な反社会的問題行動が。指導を強化する方向に変わる。不登校の増加。専門性を持った相談員が増加。指導要領にも誰にも起こりうると。95年。スクールカウンセラー。質の高い専門家の。全ての学校への配置が。学校には来るが偏りのある子供。授業に支障をきたす。04年に発達障害者支援法が。特別支援教育の開始。
発達障害。特別支援法。脳機能障害。診断基準。DSMを基に。13年の改定で自閉スペクトラム障害に。診断名だけで把握しづらい。自閉症は他人との関係の困難さなどを。知的発達が高いものを高機能自閉症。アスペルガー障害も入る。ウイングにより再評価。基準として社会性などの早期の障害。社会性。孤立受け身など。コミュニケーション。非言語コミュニケーションというものが理解しづらい。想像力。思いやりの欠如。器質的要因が考えられるが環境要因のマッチングも?周囲の関わり方。学習障害。能力にバラツキ。極端に。学習に支障をきたし問題行動に。ADHD。できるであろう日常的行動が取れない。年齢や発達に不釣り合いな。多動性。7歳以前に現れ継続。中枢神経系に機能障害が。虐待体験と類似。ADHDの子供の内虐待の事例が多い。生育環境要因も影響。躾のつもりで厳しく叩く。愛着障害との違い。解離性の意識障害が。解離が大きく。見分けが問題に。
問題に対する支援。子供の心理臨床的支援の実際。3つの立場。直接に顕在化している問題を。支援者が課題を設定し取り組ませる。教育モデル。支援者側が積極的に解決方法を。自己治癒力を支援する環境を。成熟モデル。自己表現を重視。言葉による対話を重視し、課題を洞察する。洞察モデル。成長する力を尊重しつつ信頼関係を持って。それぞれのモデルの具体的技法。教育モデル。条件付の行動主義。応用行動分析。環境との相互作用と捉え環境変数の。自閉症などの問題を早期の生活指導や機能分析や指導。まずは客観的な。査定。記録を。内容を分析して強化要因を。条件の改善などを。適切な行動を行うスモールステップ。あくまで行動の変容を重視。心中は直接関わらない。今少し意識的な不安感には認知行動療法などを。幅広い人が実施しやすい。表現モデル。より深く関係について。支援者側の内省やモニタリング。把握する力があって初めて。遊戯療法。時間の中で自由に遊ばせる。会話の定義。時間と空間の制約の中で。一緒に遊ぶこと。遊んでくれる体験は貴重な場。プレイルーム。いろんな玩具が。ビッグボール。身体運動を。言葉を使わず身体で。抱っこされた経験を思い出す。体験を意識化したりする。子供の経験を幅広く表現。修正する仕掛けを。小学校に上る前。男の子。プレイルームで豹変しおもちゃで叩く。ある時どうしてするのか?先生は強いから。父がいつも叩いていたことが分かる。生育歴から、両親は手を焼けなかった。養育不全。だいぶ遊戯療法が進み表現してくれる。粘土の作品。質的に体験の再現の自覚はなかった?表現されることが多い。特に虐待経験の。箱庭療法。表現方法として。一定の箱に砂が。様々なパーツを自由において作品を作る。何回か作ってもらうと内的世界が。象徴的に表現することで心的世界の変容を。どちらが正しいとか間違っているとかというより、子供にとりどちらが?洞察モデル。支援者からではなく子供から出したものを。表現した内容の意味を言葉にして返す。様々な衝動体験を。体験の再現を返す。言葉の遊びには。母親に投影し消化する。母子関係の交流に働いている。体験は多くの形で表現。言葉で返すことに治療的意味が。子供の遊びの意味の枠組み。
子供を取り囲む環境調整として親への支援。コンサルテーション。親自身の問題は親面接で扱わない。虐待の問題。世代間連鎖。親自身の問題も視野に入れて。親自身の対応する能力がどれくらいあるか。親の行動を踏まえて。養育する力をどれほど持っているか。親自身の病理のレベルを。直接扱う訳ではないが。子供支援に重要な情報。学校や地域との連携を。教育理解を持つような体制づくり。外的支援を。親自身が内省を深める場合もある。親子並行面接。多くは児童期の子供の場合。親支援。
子供の心理的問題。同じ問題でも異なる切り口で。どの支援が有効か。

 

臨床心理学研究法特論 (放送大学大学院教材)

臨床心理学研究法特論 (放送大学大学院教材)

  • 作者:小川 俊樹,望月 聡
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

子どもの心理臨床入門

子どもの心理臨床入門

  • 作者:永井 撤
  • 出版社/メーカー: 金子書房
  • 発売日: 2005/04/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

心理面接の方法: 見立てと心理支援のすすめ方

心理面接の方法: 見立てと心理支援のすすめ方

  • 作者:永井 撤
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 単行本
 

 

欺瞞。

高槻市他に存在した「地元集中」については幾度となく書いてきた。正式名称は「地元高校集中受験運動」となる。ここで重要なのはあくまで支持者(というか信奉者と言う方が近いかも)による「運動」であり、あくまで参加するのは任意のことであると言うことである。教師によっては「高槻は地元集中に決まっている」と話して如何にも「制度」とみなしているが、それは欺瞞行為である。ただ限りなく「制度」に近いだけである。何しろ校長自身が面談をして地元高校に進学するよう強要するのであるから、勘違いするのも仕方がないが。とにかくこのような欺瞞行為が蔓延っているのが私の頃の高槻市立の中学校であった。まあ何から何まで悪いとは思わないが、私自身は地元から脱出できたのは人生最良の出来事であった。

ソース焼きそばと京大生協の食堂「虹」。

今週のお題「お弁当」

 

私が小学生の頃には既に学校給食があり同級生皆が一緒のものを昼食として食べていた。しかし遠足で小学校を離れるときには当然だが給食を食べられない。その時には母がソース焼きそばを作ってくれるのが常だった。温めることは出来ないがそれでも美味であった。時間が流れて京都大学に入学して教養部で生活することになった。生協の食堂も色々あり、真新しい所もあったけど、一番好きだったのは購買部の2階にある「虹」というやたら内装が古い食堂(生協は喫茶と強弁していたが)で出してくれたソース焼きそばだった。やはり焼きそばはソース味に限る(というかソース抜きの焼きそばは見たことがないが)。

ポストコロニアル批評(1) -「ペンによる帝国の逆襲」(文学批評への招待第13回)

小説の書き換えは乱暴かもしれないが、それをしなければならない必然性は否定できないのかもしれない、

 

木村茂雄。合成語。植民地時代の後の。旧大英帝国の植民地。30年時点で85%が西洋の支配の。独立を勝ち取った第二次世界大戦後とポストコロニアルの時代。政治的独立と新しい思想が連動。しかし狭く定義することは問題。独立以前から。新植民地主義やグローバル化の。終わったのかと誤解が出てくる。より生産的な意味。新しい意味を。植民地主義に批判的な知性の在り方。バーバ。現在をポストに変えようとする衝動。未来のこちら側に、未来が手の届かないものではなく実現可能な未来。ポストコロニアルという言葉は乗り越えを意味する。
植民地支配と言語文化。ヨーロッパ諸国の軍事力を前提にしていた。支配者たちは言語支配の意識が。キリスト教の布教活動も含まれるが。言語を広めようとする運動も。公用語。状況とも関わる。1492年の発見。近代植民地主義の、同じく1492年にスペイン語の文法書が。英語の場合は1801年に英語教育は大砲よりずっと効果的と。実際に制度化する役割を。マコーディ覚書。インド人に英語教育を。通訳と成る階級を作り出す。主義考え方や道徳性知性においてはイギリス人に。1857年に大学の設立。英語による教育。言語と文化、思想には密接な関係が。英語の優位性の主張、インド文化やアラビア文化への蔑視。言語をどのように使うかは大きな問題。土地による違いが。インドやアフリカには土着の言葉が残っているので選択の問題が。土着の言葉で書く。86年に「精神の脱植民地化」。外国語で書き続けることは植民地主義の精神を。母語で書くことを宣言。一般の大衆に広く語りかける。「崩れ行く絆」。英語は想いを担う言葉。革命後は新しい英語でなければならないとしているが。究極の選択。英語で書かれたポストコロニアル文学が注目。本場の英語ではなく変化を受けている。シングリッシュなどの例が。日本人の英語。世界に通じる英語を。日本人英語は必要かが問題に。
植民地主義の影響はより広い範囲に。植民地支配は人種観などが。トリニダッドの港。インド人が自分の手伝いとして1人の白人を。脱獄した囚人?同情を感じる。インド人が白人を雇うのはもってのほかと黒人の子供が。植え付けられたものに疑問符を。人種などの観点をいつの間にか身につけている。支配的人間関係が社会に浸透し色眼鏡をつけさせている。殖民地言説の目的。
殖民地言説分析。サイードは「オリエンタリズム」の意味を3つに。西洋の東洋研究の捉え方。文学などでの東洋の表象。言説が現実の植民地支配との関係。18世紀から19世紀にかけて東洋に植民地を。冷戦時代を背景に地域研究に引き継がれる。文学やジャーナリストにおける表象も東洋研究に関連。フランス文学とイギリス文学が分析対象に。サイードはイスラム圏に焦点を。西洋にとり古くから他者として重要だった。パレスチナに生まれたという背景も。サイード自身、強力な研究が影響。長年にわたりパレスチナ問題に関与。「パレスチナ問題」「イスラム報道」。パレスチナ問題やイスラム表象の問題と共通の関心を。極めて現実的な問題提起。研究と現実との関わりはポストコロニアルの特質。中立的な言葉?サイードなどのポストコロニアル批評は権力性を。オリエンタリズムの言説と現実の植民地支配との関係。東洋に関する研究や文学は東洋の土地が西洋支配にあったというのは前提。サイードの分析はフーコーの言説を援用。序説の中で「監獄の誕生」を参考にして。サイードにも批判が無かったわけではない。政治的批評への反感。特定の文学作品の解釈が不充分。サイードが取り上げているテクストは膨大なのでやむを得ない。東洋は西洋に表彰されるだけで無抵抗だったのか。表象の力は否定できない。西洋的な人種差別観が。非情に強力な言説を受け入れ自分の一部に。植民地主義を内面化するプロセス。サイードの本があまりにも無抵抗な存在としているのが問題。自覚していたようで「文化と帝国主義」を。フーコーは近代の権力を強力なものとして抵抗を奪っているという批判を。あくまで西洋の権力的な。敵のことをよく知っておかなければ。
ポストコロニアル文学や批評。同時並行的に。「崩れ行く絆」。コンラッドのアフリカ表象を厳しく批判。一般に文学批評の場合、文学から解釈が。ポストコロニアル批評や文学の場合は立体的に進められる。一体的でダイナミックな展開が魅力。Europaの文学を書き換える。ポストコロニアル作家とEuropa文化の問題。ヨーロッパ文学もしばしば避けて通れない。アイルランドの詩の一節から。伝統的な文化の破壊の。闇の奥の書き換え。それへの応答。60年の「孔雀の宮殿」など。シェイクスピアの「テンペスト」などが書き換えの対象に。「ロビンソン・クルーソー」の書き換え。アパルトヘイトの時代から鋭く批判。03年にノーベル文学賞を受賞。デフォー。普通名詞として敵の意味。原作には登場しない女性が。島にたどり着くところから。ロビンソン・クルーソーは無気力な人物として。舌を切り取られ。スーザンは体験談を書いてもらおうと訪ねるが、冒険物語に書き変えてしまう。フライディーの沈黙は何を意味する?発話の可能性も暗示。海底に沈む難破船。流れは北へ南へ流れていく。声のない発話。自己表象を奪われた者の発話の可能性。あくまでも西洋の文字文化から教育しようとして失敗している。書き換えの文学。「ジェーン・エアー」を書き換えた。ヒロインに焦点を絞る。そもそも人種的に白人でありながらクレオール。完全に同化が出来ない。かなりの黒人贔屓?子供の頃、何故私だけ色白で金髪なのか。黒人贔屓。リースは本国へ教育に。しかし敵対感は捨てきれなかった。リースはイギリス人は大嫌いだと罵ったと記事に。こんな騒動を起こす。ファイティングスピリットは原動力?黒人の幼馴染になれたかもしれないがなりきれなかったアントワネット。黒人対白人などの二項対立にならない文学の深さ。「屋根裏の少女」などの書き換え。ジャマイカの事を口にする、如何に酷いところだったかを。西インド諸島の思い出を語る。西インドの蛾を思い出す。サルガッソーのヒロインにはエピソードが。大きい蛾が飛び込み床に落ちた。怪我したというより目を回したよう。暗い蝋燭の光。鋭い感性を持った人間に書き換えている。カリブの自然やアントワネットが持つカリブの自然に。強く揺さぶられる。微笑む愛に導かれるなら共に生きることが出来たかもしれない。夜にはいつだって終わりが来る。裏切り者の私は。絶望の直視にはあまりに正気。サルガッソーのヒロイン。回想で多くの船を難破させる。あくまで仮定法だが可能性があった。棒に振った自分の反省を。ロジェスターを敵とするのではなく一人の人間として。
異なる文化が接触する。異文化間の交流で新しい文化が生み出される。サイードは最も重要な課題は他者を抑圧しない自由な立場で研究すること。課題が乗り越えられると二項対立的な図式は解消される。ユートピア的ポストコロニアル的感情。

 

文学批評への招待 (放送大学教材)

文学批評への招待 (放送大学教材)

  • 作者:丹治 愛,山田 広昭
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

英語文学の越境―ポストコロニアル/カルチュラル・スタディーズの視点から

英語文学の越境―ポストコロニアル/カルチュラル・スタディーズの視点から