ーーーー講義録始めーーーー
食品衛生法の概要と規制行政の特色
さて、それでは始めにいきたいと思います。今回第2回授業で取り上げるのは食品衛生法に関わる記事でして、これで規制行政の基本的な仕組みを学んでいきたいと思います。
難しくなく、豚肉の生肉の提供が全面的に禁止されたということですね。個人的には、お魚の刺身はよく食べるんですが、肉の生肉は私はちょっと苦手なので、あまりこの規制強化に影響を受けなかったのですが、よく食べている人にとってはちょっとショックだったかもしれませんね。
この記事で登場する食品衛生法、これは規制行政に属する法律の1つで、具体的に人々の自由を制限したり、人々に義務を課したりするという内容になっています。こういった法律は、前回古物営業法や質屋営業法を学びましたけれども、行政法の中で非常に多くて、行政法の中心は規制行政にあたると言えるのではないでしょうか。
古物営業法も規制行政の典型例だったんですが、食品衛生法もそれに当たりますので、食品衛生法を通じて規制行政の特色を学んできたいと思います。
それでは、いつもの前回と同じように、食品衛生法の概要説明から始めたいと思います。前回と同じように、どういうことを目的にして、どういう手段で、どういった行為・活動が規律対象になるのかということを押さえていきましょうね。
目的は、食中毒を防ぐ、そして国民の健康を保護するということになりますね。それほど難しくない話ですね。時々、食中毒事件が起きて、健康被害が起きることがありますので、こういったものを防ぐことが大事になってくるということです。条文上も、公衆衛生の見地から必要な規制等により、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図る、という形で目的が置かれています。
対象ですが、食品衛生法は複雑で非常に長いですね。全部を使うのは難しいのですが、基本的には、食品や添加物、容器包装等に関して、人の健康を害する恐れがあるものの製造・販売等を規制する制度で、飲食や販売が対象になるということですね。体系としては、食品・添加物に加えて、器具や容器包装、表示・広告、監視指導や検査、営業、罰則といった領域まで含めて規律している、という全体像を持っています。
さらに手段としては、飲食店営業に対する許可制度、そしてまた監督等を定めているということになります。食品だけではなくて、添加物ですね。いろんな添加物、着色料といったそういったものが健康に悪影響を及ぼす場合がありますね。そういったものも規制しています。容器包装ですね。容器包装も、容器包装が十分なものでないと、これが腐ったり、いろんな被害を及ぼしてしまうかもしれませんので、容器包装等に関しても規制が及んでいるというのはポイントになりますね。加えて近年の改正では、HACCPに沿った衛生管理が制度化され、それに伴い事業者を把握するための営業届出制度も整備されるなど、許可と監督だけではない規制手段の組み合わせが見えやすくなっています。
なお、今回の記事でいう「豚肉の生食」については、一般に「豚の食肉(内臓を含む)を生食用として販売・提供することが禁止された」という整理になりますので、「豚肉料理の提供が全面的に禁止」というよりは、「生食用としての提供を禁止する」という規制の切り方だ、という点も押さえておきましょう。
| 観点 | 食品衛生法(この講義で押さえる要点) |
|---|---|
| 目的 | 飲食に起因する衛生上の危害の防止/国民の健康保護 |
| 規律対象(例) | 食品・添加物/器具・容器包装/表示・広告/監視指導・検査/営業/罰則 |
| 主要な規制手段(例) | 営業許可・監督に加え、HACCPに沿った衛生管理の制度化、営業届出の整備 |
| 具体例(豚肉) | 「生食用としての販売・提供」を禁止する、という規制設計 |
