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知識労働者(ナレッジワーカー)とは?ダベンポートの定義から学ぶ人材マネジメント #放送大学講義録(人的資源管理第12回その1)

ーーーー講義録始めーーーー

 

知識社会の到来と知識労働者の定義

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人的資源管理第12回のテーマは、知識労働者です。21世紀は知識社会だというふうに言われております。かねてより、非常に有名な方たちですが、アルビン・トフラーですとか、ピーター・ドラッカーなどの著名で先駆的な議論によって、工業化社会というものから知識を重視する社会へ移行するということが論じられてまいりました。

産業革命以降の工業化社会では、巨大な資本ですとか工場設備というのが産業の基盤になっていたわけですが、そこから移行する知識を重視する社会では、人々が持つ知識や情報が産業ですとか生活の基盤になると、こういったことが主張されています。知識社会というのを簡単に説明するならば、人々が持っている知識が主な生産手段の一つとして重みを増す社会であり、創造的あるいはユニークな製品やサービスの提供が企業の競争力になる社会だということでしょう。すなわち、単純な大量生産ですとか、ありきたりな製品やサービスの提供ではダメだという社会になってきたという
ことになります。

今回テーマとして取り上げる知識労働者とは、そうした新しい製品やサービスを生み出す労働者ということになります。ですからまさに、これからの企業の中核的な人材競争力を支える人材だと言えます。ここからは、知識労働者の活躍ですとか成長を促すような人的資源管理について考えていきたいと思います。

では、まず知識労働者とは何かということを改めて振り返ってみましょう。テキストではダベンポートの定義が紹介されていると思います。そこでは「高度な専門能力、教育または経験を備えており、その仕事の主たる目的は、知識の創造、配布(共有)または応用にある」というふうにまとめられています。この定義というのは、実はすごく幅広い業種、あるいはお仕事内容を含んだものだということが言えるでしょう。

古くから存在してきた代表的な知識労働者は何かというふうに考えてみますと、お医者さんですとか弁護士、会計士、あるいは学者・研究者といったような仕事、いわゆる伝統的なプロフェッショナルといったりしますが、こういう仕事が該当すると思われます。すなわちみなさん、難しい公的資格ですとか学位が必要とされることが多い仕事ということですね。

ところが近年は、知的な仕事というのが世の中のたくさんの領域に増えてきて、こういったプロフェッショナル以外にもたくさんの知識労働者が増えてまいりました。

 

図表(理解補助)

講義内容の流れを壊さない範囲で、要点整理の表を付けます(本文の言い換えではなく、構造化です)。

 

観点 工業化社会(典型) 知識を重視する社会(典型)
競争力の源泉 資本・設備、規模、標準化 知識・情報、創造性、差別化
主な生産のしかた 大量生産、反復的プロセス 新規価値の創出、改善・設計・問題解決
中核的人材像 手順通りに遂行する熟練 知識の「創造・共有(配布)・応用」を担う知識労働者