F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

日本の精神医療の現状(精神医学特論第15回)

現場を良く知る方の話には圧倒された。

 

日本の近代の精神医療の歴史。国際情勢や日本の立場が強い影響を。精神保健福祉。1900年の精神病者監護法。精神疾患の患者を、社会に迷惑をかけないよう監督、責任は家族に。日清戦争と日露戦争の間。第二次条約改定。関税自主権の回復が大目標。欧米並みの体裁を。欧米のような大病院が無く、精神医療に予算もかけられない。家に責任を。当時は大家族制。結婚には家長の同意が必要な時代。自宅監置。座敷牢。実際は屋外に。当時から強い批判。呉秀三。自宅監置の全国的調査。1918年。最近は現代語訳が出版。窮屈で不衛生。この国に生まれたるの不幸。50年間続く。民主化改革。国家の大改造。50年に精神衛生法。進駐軍の影響の基。自宅監置を禁止。公立の精神病院の設立の義務。措置入院の廃止。精神医療の国や自治体の責務が。社会が責任。社会防衛の色彩がまだ強い。ライシャワー大使が路上で刺される。統合失調症の青年に。治療を受けていなかった。迫害者を倒さなければ。幸い一命を取り留める。日本人の血が。世論は加害者の少年に厳しかった。海外からの圧力。84年の宇都宮病院事件。病院職員に暴行を受けて患者が死亡。国連で取り上げられる。人権が守られていないと厳しい批判。精神保健法。88年から施行。精神障害者の人権擁護と社会復帰。画期的なもの。95年には精神保健福祉法に。現在に至る。法制史。長い道のりがあった。海外の影響が多かった。
依田祐介。精神保健福祉士。仕事内容。精神科病院。ケースワーカー。精神疾患の特性上、生活が破綻している人が多い。経済的支援。傷病手当などの手続。家族との不仲を取り持つなど。就労支援。訪問。生活上の相談や服薬相談。状況把握。外人の方も入院したりする。正直なところ何でも屋。仕事が多岐に。救急もやっていたので電話が多い。多いと1日100件。電話相談も多岐にわたる。トリアージ。緊急の対応、保健所の対応のサポート。金の流れ。夜は緊急対応を。社会資源と繋げる。ご家族との調整。形にならない相談事が夥しい。医療センターは公立。日本は私立中心との指摘。外国人。単身者。身元不明。公立なので断れない。外国人でも英語中国語スペイン語は何とかなるが、東南アジア系などは通訳者を探すのは困難。やり取りも出来ないで大使館に依頼することも。現場は逃げることが出来ない。ご家族の葬儀に立ち会う。患者さんしか親族が居ないケースも。人工中絶をした患者さん。火葬の手続が必要だった。悲しいプロセスを分かち合う。本当に良かったと患者さんから言われる。孤独に苛まれる患者さんが多い。医療の現場では多職種チームと言われている。医師看護師薬剤師。もっと衝突すべきだった?職種によりそれぞれの立場が。見えない部分を補う?考えが違うのは当たり前だけど、専門性を出さない?医師の声が大きくなることが多いけれど。フラットな関係を築くのは難しい。精神医療一般に。精神保健福祉に限らず日本一般に。ガチンコ勝負がなかなか出来ない。外来に保健師さんが数名居た。保健師さんから学ぶ。危機介入の肌の良さ。地域をみるという視点。生活者としての。他の職種から学ぶ。何故この職業を?良かったと思う。色々な患者の人生に触れられる。患者さんや家族さんに学ぶことは多い。大学入学時には全く考えてなかった。とある精神科病院での見学。隔離室。壁一杯に細かく小さい字が書いてあった。恐らくは患者さんの落書き。どういう人か興味が。実習で患者さんのそばに。生活史をお聞きする。壮絶な人生。想像の出来ない人生。そばにいたい、力になりたい。職業を選択して歩いている際に大事にすることは?進路に悩む後輩には何を?現場に行きましょう。最低限の知識はもちろん必要だけど、現場で色々起きている。現場から学ぶことは多い。ボランティアをしたり近くのグループホームでアルバイトをしたり。現場の視点、教室では学べない。病院などで相談室が。なるべく病棟やご自宅、外来のロビーへ。一般の人にもオススメ。間接情報だけでは自分の関係の無いものと思ってしまう。多職種連携。現在の精神保健福祉体制は?社会的入院が問題視、7万人居た。退院促進の意識が強い世代。それだけでもいけないが。ご自宅に置いておくということ。すぐに再入院してしまう可能性。サポートが必須。モチベーションが反映されない?患者さんと一緒に築き上げること。患者さんにも体験してもらう。今後の抱負や社会への期待は?年数を重ねるほど悩むことが多くなる。無ければならないこと。生活というのはきれいに割り切れるものではない、混沌としているもの、マニュアルは無い。一人ひとり、毎回毎回悩むことが大事。縦割りで当てはめたりすることが出来ない、オーダーメイドで作っていく。マニュアルが通用しない仕事。悩むこと自体をやりがいとして。場合によっては患者さんは悩む機会を失っていることも。患者さんと一緒の土俵づくりを。ワーカーさんの資質は?どれだけ長期的なスパンで見れるか?眼の前の問題を解決するだけでなく、5年か10年かどうなっているか?
外から上から作られてきた。現場をよく知る、特に若い人の経験が必要。多職種が忌憚なくお互いの意見を。最近の臨床現場の良いところ。当事者の孤独。人生経験から目をそらさない。個別の見立てを。患者さんの体験を。伝聞情報に頼らない。情報は大事だし基礎事項を学ぶことも大事だけど。経験を通して。学んだことを活かして考えていく。社会福祉施設には見学を受け付けてくれるところも。自分の地域の問題として。一人ひとりの努力が必要。

 

精神医学特論 (放送大学大学院教材)

精神医学特論 (放送大学大学院教材)