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セルフメイド・マンが行く(政治学へのいざない第4回)

お二方の獄中日記を読んでみたくなった。

 

オモテがあればウラがある。独立独歩型人間。奔放な性格に価値。論理や言葉を必要としない。戦後は大きく変わった。共存共栄。日本船舶振興会の笹川良一。巣鴨プリズンの日記。戦犯容疑者の人間関係。同じく右翼系実業家の石原広一郎。彼も獄中日記を。学校型秀才は弱し。最後の黒幕。戦後のフィクサーなどおどろおどろしい言葉。別の価値観で生きている世界。戦前は統治システムが透明性を持っていなかった。曖昧なまま成立。戦後はデモクラシーの論理。自分たちの世界でも常識。統治の世界も透明性が。デモクラシーの論理はますます太くなる。理論や言葉を必要としない世界。戦前はそれで充分だった。独立独歩型人間。存在するだけで意味がある。しかし戦後の状況では、存在は後ろに退くことに。存在と論理との共生。デモクラシーと密教。相互補完関係に。デモクラシーとセルフメイドクラシー。スキャンダルの形で出てくる。世論で追い詰められる。黒幕、フィクサーという言葉で封じ込める。デモクラシーの論理では在ってはならない。唾棄すべき存在となってしまう。笹川良一の日記。人間模様。人間としての迫力。45年の敗戦というものは、絶好のチャンス。12月。食糧事情の悪化。食の問題が深刻。人間性を失わしめる。秩序感。食事。尊厳が失われる。ミクロに観察し続ける。敗戦責任と重なる。食欲以外にない。高位高官が順位に割り込む。こういう人間が居たから日本は負けた。食事の争奪戦が過激に。実に卑しき人物。動物化。配給において。当番が配給量を操作。煙草で買収。食事の争奪戦の本格化。所長に進言。自分の食事を盗むと投書したのでパーに。無位無官の世界で鍛えられた。肩書のみで生きた人間の弱さ。戦前の統治の世界の限界。46年後半期。酷暑との戦い。米は大丈夫?痩せ我慢の精神。食料の好転の反面で使役労働の問題が。アメリカ人は批判する資格はあるのか?何故に暴行に?所長に手紙を書いたから?懲罰を喰らった人間の逆襲。強靭な神経と体力で耐えに耐え抜く。衆人環視のもとで。弱音は禁物。身を挺したヒロイズム、美学。侮辱と虐待、韓信の股くぐりの数倍に。止む。存在をかけたサバイバルに成功する。巣鴨プリズンについては食事闘争で周囲に知らしめる。肩書が通用しない世界の存在感を。よく戦えり。周辺の人々も証言。最も酷い使役懲罰は笹川良一。無抵抗主義を通す。人間としての迫力でサバイブ。論理でなく存在。石原広一郎の獄中日記。前途に希望。夕食の折に。村田省蔵など。なかなか元気。気分は明朗。戦前の右翼系実業家。南への進出を。二・二六事件。独立独歩型人間の系譜に。戦後は石原産業の社長に。翌日からドンドン入所。梨本宮殿下。運動場。みんな揃った?名士が一同に、再開を懐かしむ。不思議に描写が明るい。6回も監房の部屋替えで人間関係も変わる。微妙な揺れ。A級に悪意?食事は唯一の楽しみ。子供のよう。オモテとウラ。高位高官の尊厳は急速に失われる。老人も不平。露骨な醜い問題。若者の前でもブツブツと。敗戦の大責任者として切腹も出来ない恥知らぬ者。極東軍事裁判では海軍善玉論だが、懐疑的。海軍の各大将は漫然と生き延びる。海軍関係者の人間の尊厳の喪失。岸信介と一緒になり、高く評価する。元々政治的な主張を異にしていたけれど。統制経済で理屈通りいかないのを痛感したのでは。巣鴨プリズン内で期待の存在に。笹川良一も岸信介を評価。学歴秀才型でない人間の評判は良かった。セルフメイドマン。中庭への自由散歩が許される。自由は代え難い。自由散歩で人間関係はどう変わった?トランプ組など趣味でグループが出来る。碁組。人数の減少で自由散歩は中止に。俳句や和歌、狂歌。何かを紙に書く。暫く経つと映画など慰問もあった。巣鴨プリズンの生活の総括。何事も癪に障るが、苦にならないように。官僚軍人は家畜の生活に馴染まず。かつての殿様や軍人であっても教養を持つ者は人間の尊厳を辱めることは無かった。巣鴨プリズンは無くなったけれど、戦犯と称される者が苦しい生活を送った縁はない。近代化で育成された官僚や軍人に意外な弱点が、人間的弱さ。現在にも共通のことかもしれない。頂門の一針。セルフメイドマンの宿命。笹川良一とその一族。糾弾をされ如何に生き延びたか。

 

政治学へのいざない (放送大学教材)

政治学へのいざない (放送大学教材)