特にマスコミの情報については、面接法で得られたものがベースになっていることが多いので、調査法を把握しておくのがベターかも。
もっと知りたい時はどうする?会話に耳を傾けたり話しかけたり。「きく」ことで。人間のcommunicationの基本。心理学の研究においても最も素朴な研究法。状況をどう考えているのか、どういう気持なのか、どう行動するのか?ただそれほど単純な行為でもない。「聞く」と書く。英語のhear。話していることや聞こえること。CMを聞いたりアナウンスを聞いたり。「聴く」。英語のlisten。相手の心情や立場を推し量りながら深く聴く。相手の意見を聴く。没入し傾聴する。「訊く」。英語のask。当事者に尋ねる。本音を訊く。知りたいことを投げかける。
「きく」行為は多様な広がり。面接法。Interview。深く傾聴する行為や尋ねる行為を洗練させたもの。社会学教育学政治学など、社会科学でも。聞き取り調査。ヒアリング調査。メディアにおいても情報収集手段としても。インタビュー番組。レポーター。社員の採用や人事考課、大学の選抜。面接という手段。考え方や人となりを知る。
面接法。臨床的面接。調査的面接。評価的面接。臨床的面接。相談的面接。カウンセラーやクライアントが傾聴を基本とする対話。問題解決の促進。面接は手段。面接そのものが道具として。特別な訓練が必要で習熟している必要。精神科医やカウンセラーがクライアントと行う面接。調査的面接。情報提供者との対話を通して情報を収集する行為。研究仮説についての情報を得る手段。変容を期待してするのではない。如何に正確で偏りのない。評価的面接。質問を通してスキル態度などを査定。入学入社昇進などの意思決定を的確に行う為。質問紙調査などで収集が難しい場合に多い。臨床的面接は主に臨床で。3種類の面接法。臨床的面接法。面接者はプロの面接者。来談者。患者や相談者。目的は、傾聴で問題を解決すること。調査的面接法。非面接者、インフォーマント。情報提供者。調査と研究に必要な情報を収集するのが目的。調査者や研究者は口頭で尋ねる。評価的面接法。査定者、被査定者。人事的査定に必要な情報を得る為、被評価者の特徴を明らかにする。意思決定に使われる。今回は調査的面接法に絞って説明。
調査的面接法。概要と長所短所。調査者とインフォーマントが言語による双方向的なコミュニケーション。得られた情報を定性的定量的データとして解釈。この他にもバリエーションが。一対一ではないことやフォーカスグループ、電話面接やWeb面接。基本的なものを含む。長所短所。ともに沢山。研究対象を吟味するのが肝要。長所は柔軟性。インフォーマントに対し臨機応変に質問することが出来る。同じ質問を繰り返すことも出来る。即興的に質問を投げかけることも出来る。最も話しやすいところや順番を変えたりすることも出来るし、ボイスレコーダーを承諾があれば使うことも出来る。一人のインフォーマントからの情報も豊かで、非言語的情報も受け取ることも出来る。回答率も高いし、データの質も高い。短所。費用がかかる。統計的解析に耐え得るデータを集めようとすると、人件費がかかる。サンプリングの費用や訓練費、謝礼も必要。時間もかかる。スケジュールの調整。再訪問などの時間。国家規模の調査では最低6ヶ月かかる。質問紙調査法の比ではない。インフォーマントのバイアス。得られるデータの質が異なるのはよくある。相性も情報の濃淡をもたらす。疲れや健康状態、ストレス、天候や時間帯などもバイアスを生む。質問紙調査に比べ、匿名性が確保し辛い。電話番号などを事前に知っている場合が多く、個人情報の流出を危惧することが多い。柔軟性も短所となり得る。臨機応変に質問を投げかけるという柔軟性が質問の非統一を生み出す。解釈の際に比較が出来なくなる。
調査的面接法の種類と特徴。どの程度定式化構造化されているかで。構造化面接法、準構造化面接法など。構造化面接法。最も形式化されたもの。事前に質問を決めておく。質問項目を読み上げて回答を筆記で記録。書かれたまま、決められた順番で。回答者を誘導しない。回答は選択肢から選ぶクローズドクエスチョンで。回答のバイアスを小さくする。読み上げている途中で質問されても答えない。明らかに理解出来ていないなら別だが。順番を忠実に守って読み上げる。回答を拒否した場合には無回答として次へ移る。面接者の意見を聞きたいと言われても答えないのが原則。探り出したいという気持ちはあるだろうけれど、手がかりを与えないことが肝要。集められたデータは定量的データとして、記述統計量に。推測統計の技法の適用も出来る。準構造化面接法。インフォーマントにオープンエンドクエスチョンを混ぜる。自由な回答を求める。回答の選択肢を設けずにインフォーマントに作ってもらうことも。選択肢の理由を答えてもらう。オープンエンドクエスチョン。解釈する時により深い解釈が可能に。半構造化面接法。質問項目による拘束を取り除く。質問項目は予め決められていない。大まかな内容のみが決められている。大体はオープンエンドクエスチョン。理論的にしっかりとした基盤があり、先行研究が多い分野でよく使われる。長年に渡り研究していたり、少なくともそのトピックに関心を持っていることが望ましい。インフォーマントとの面接の流れの中で、質問を作り出したりする力が求められるので。その場でメモとして残し、情報を付加して完成させる。概して定性的なデータが多い。統計解析にかけることは困難。質問紙調査に補完することも。非構造化面接。回答の仕方はインフォーマントに任せられる。順番も。自由に話せる雰囲気を作るのが求められる。しかし問題解決を目指すことでは無いのだから、ある程度は事前にテーマを決める必要がある。探索的な研究テーマのことが多い。本音や深層心理に根ざした回答が得られやすい。リラックスした雰囲気。思わぬ本音を語ることもあるし、重要な研究テーマが得られることも。データが断片的だったり偏ったりする。本音を喋り過ぎて、使って欲しくないと求めたりすることも。4つのタイプ。どれが良い、というものではない。研究テーマや目的、実行可能性などで異なる。適した方法を選ぶことが大切。
面接法全般の特徴と長所短所、タイプについてだったが、心理学研究法についての。言語を媒介とした情報収集の方法であると同時に、面識の無かった社会的相互作用の場でもある。属性や特徴、職業などによってダイナミックに展開。数を重ねても一つとして同じ相互作用は無い。相互依存的。バイアスや非一貫性がある。どんなに精緻でも問題があると思われてきた。データの分析も恣意的になることが多く、主観に頼らざるを得ない。妥当性を確認する方法も確立していない。面接の持つ弱点を認識した上で使う必要もある。未来に向かった研究法でもある。ITの急速な普及。世界はますます近くなっており、人々のネットワークは緊密に。時間や費用がかかる短所も、関係性を安価に作り出せるように。調整もnetで行える。文字を使って柔軟に、バーチャルインタビューも可能に。面接者の訓練も行えるように。時間や場所を問わないというIT技術の使用はメリットに。computerでデータ処理が容易に。面接法も解析法の発達で様変わりするかもしれない。
臨床的面接法や評価的面接法も学習を。面接法の限界と可能性を見極めること。