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語用論(1)-言外の意味のコミュニケーション-(新しい言語学第9回)

人の話す意図を把握するのを、自分は苦手にしているなあと痛切に思う。

 

言語習得。語用論。認知言語学。何を明らかにするのが目標なのか分かりづらい。語用論に出会ったのは?80年代の後半。大学院で語用論に出会う。ロンドンに留学。学問研究として。大学では語用論の授業は無かったのが普通。コミュニケーション論。言葉のすれ違いは?レトリック。言葉が力となって人を動かすのは何故?言語学の中に。語用論は何をする学問か?人が言葉を用いて何を為すか?会話の中で話し手が言った言葉の意味と意図を、聞き手がどうやってギャップを埋めるか?関連性理論。言葉の意味と意図は必ずずれている。聞き手はどうやって埋めるか。その人の意図したことが在るはず。意図とは?「つもり」。人が思っている「つもり」。言葉が自動的に表すのとは違う。意味や意図。そもそも日常の会話は意味のない遣り取りが沢山ある。「7月だね」「うん、7月だね」。お互いに分かっていたことを言い合っただけ。7月ということと結びついた何かがある。何ヶ月も経ったなあ。あと1ヶ月で夏休みだ。他にも様々な含意を含んでいる。思っていること、意図。語用論の基本。お互いに抱いている思い。同じかどうかは分からない。沢山のことを共有していることも。「7月だね」の背後にある意図は何か?相手に思いをいだす。言う人はなにかの意図を持って話し、相手もそれについて何かを思う。言葉の意味を受け取る。「7月」プラス「ね」。「ね」の意図は?言われた言葉の表面に言う人の意図は貼り付いていない。言葉の表面に出ていないことは多々ある。背後の意図に答えたい。そこで人は何をするか?推論。推理ではなく。論理的に推し量りながら。言外の意味。会話の中にある含みを。意図に見当がつくのなら一気に意図を伝えることも。推論の手がかりは乏しいかもだけど。相手の意図が全然違うこともある。コミュニケーションは意味の遣り取りと言われるが、意味だけでは中身が希薄。意図を読んでこそのコミュニケーション。
どんなことが手がかりになるか?会話の含み。推論。どうしてなんだろうか?でたらめなことは推論と言わない。それなりに有効で一般的なもの。当たるも八卦当たらぬも八卦だと面倒くさいし学問にならない。何が推論を誘った?意味が希薄に思える時は、何か隠れた意図がある?何か背後に意図があって言おうとしたのか?ある程度パターン化が出来る。問いと答え、なら少し分かりやすい。何か隠している?聞いてもないのに答えたとき。一般化。情報を少なすぎたり多すぎたりしたら何かある。関係ないことや訳のわからないことを言ったりすると怪しい。「週末旅行に言ったんだね。楽しかった?」「天気が良かった」。大事なのは旅行がたのしかったかどうか。スーパーで「このお菓子買って」「歯医者行かなきゃね」。子供は諦めざるを得ない。情報が足りない方は消極性における含み。情報が多すぎると含みを含めた積極性。ある程度パターン化が頭の中に入っている。「T先生の授業って」「面白いっていう人もいるみたい」。どうなのか悩ましい。そうじゃないと思う人が多数は?Some people say という表現。Most を使うと多数派かも。ストレートに言うのは憚られる場合に使う含み。言うべき事柄をわざと分かりづらく言ったりする。言外の意味が生じやすい。
会話の含みの具体例と、どのように生じるか?関係の深い理論。グライスという言語哲学者。その時の情報のちょうどの量やちょうどの話し方。「ちょうど」という基準。情報量が少ないか多すぎる。わざと分かりづらく話している、など。ある基準に照らして言っている筈。何らかの判断を頭の中に持っている。「ちょうど」というのは?何をもって分かる?相手に求められた期待した情報。ワインとチーズに関する情報に対し、一方しか答えない、ビールを買ってきたと答える。厳密に言えば、会話者が遵守するものと期待される一般原理。一致した目的や方向性。だいぶ難しくなる。時々の局面で求められる「ちょうど」。協調の原理。求めに応じてそのままはいと渡す、というニュアンス。日本的な文脈では違う意味になる、相手を慮る、というのとは違う。対人配慮の話も別に問題だが。人々が頭の中に「ちょうど」というものさしを持っている。自分も協調的であろうとする。人の話をどのようにして聞いたら良いのかわからなくなる。具体的にどうすれば協調的になるか?具体的に述べ直す原則。何々のタイプ。情報の量に関する原則、情報の質に関する原則。4つの原則。量の原則。必要なだけの情報を盛り込め、過剰もなしで。質。誤りやデタラメを言わない。関係の原則。文脈の流れで。脱線させるな。明瞭に、曖昧なことなく。それらの原則が守られていれば、言葉尻通りに受け取って良い。しかし守られていない時は?相手は言外の意味を察して欲しいと思い推論が始まる。「週末旅行に言ったんだね?楽しかった」「天気が良かった」。旅行の話はしたくない?お菓子の話が歯医者の話に。脅しの含みが。T先生の授業は?言い方が回りくどい。面白くないという評価が大半。嘘を言うこと。似合ってる、大丈夫、と答える時。答え方に沢山のバリエーションが。「とても個性的」。嘘は言っていない。状態の原則違反、になる?グライスの原理。古典的。語用論の展開。グライスの原則を立てない理由。グライスは哲学者。事例は認知科学的。基本的に協調体制だけど、問題は話し手が自己中心的。それに嘘もつくので、相手を疑う姿勢も必要。原則を知らなくてもコミュニケーションは出来る。グライスは具体例をレトリックとして考える。量の原則関係。情報不足の例。同語反復。トートロジー。突拍子もない比喩。一応は直喩。前後の文脈も無く突然持ち込まれる。様態の原則。何々と言えなくもない。悪趣味だけど。含みとしてはそこはかとない感覚。
コミュニケーションの中で言葉の意味が問題となる。背後となる意図。言外の意味。含みを。推論する為の手がかり。グライスの理論。4つの原則。レトリック。わざと外れて。「もう終わるんですか?」。

 

新しい言語学―心理と社会から見る人間の学 (放送大学教材)

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