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史観・開発政治論(公共政策第2回)

少なくともある期間において、角栄「的」な政治家は必要だったのかもしれない。金権政治など、問題点を挙げていけばキリがないけれど。

 

開発政治。戦後日本の高度成長と機を一つにした。田中角栄。16年現在では爆発的な人気。毀誉褒貶の多い人。亡くなったときには悪い方が多かったかも。歴史上の評価が変わる。元老西園寺公望。政党政治を唯一支え続けた。人格化されたルール、政党政治。角栄は人格化された開発政治。情報の捉え方が如何に特徴的だったか。情報というのは全てストックではなくフロー。見せる情報は一枚の紙。理由を3つに絞って。それ以上の理由は絶対に無い。フラットにされて角栄に飲み込まれる。洪水のように噴出。石原慎太郎は角栄を全否定していたが、逆に礼賛している。情報がフローである。多くの課題がインフラストラクチャに関連している。インプットされる情報、アウトプットもフロー。地域から国際政治問題まで全て。フラットな同心円状に。角栄の対処には質的な変化がない。政治家の責任は、政策を実行するか否か。アウトプットはいつも具体的解決論。政治家の使命は具体案。政策を実行に移すことが、全ての国民を満足させるものではない。具体的であればあるほど対立が起こされる。何もしなければ対立は起きない。見越した上で平地に波乱を起こすのが政治家の役目。駆け出しの頃から、陳情について勉強。先手を打って攻勢へと。自分から攻めていく。先手主義。総理大臣になっても陳情に忙殺される。もはや政治芸術。総理大臣になっても同じように受け付けたのは角栄だけ。陳情を含めて、固定観念に囚われた官僚的、法規的な現実を超える。政策として出来ることと出来ないことを分ける。出来ないことでも法規の改廃などで可能。決断と実行を待つのみ。選挙区。高速道路建設。地元の負担は無理。県道をつなぎ合わせて国道を。そのパイパスとして建設。沖縄の海洋博までに高速道路建設を。どうすれば3年で出来るか。通産大臣時代。日米繊維交渉。マルチベースで考えるべき。通産官僚の信頼を勝ち取る。国内交渉と会合交渉をワンセットで。対策費を出させて全面譲歩に。国内の金を。田中政治の代表。開発政治。高度成長期に定着。その際に角栄が常に存在していた。
角栄と都市政策大綱。佐藤内閣の時代、緊張関係にありながら、全体としての国土構想を出さなければ。体系的な国土構想を67年に。官僚主導の縦割り行政を取り除き、開発天皇などの若手などで都市政策大綱を。長時間のモノローグから肉付け。開発政治の全体像。浪花節的。人心を捕まえる。演説を再生する。全体を聞いて終わった時に、何を言いたいのかみえてこない。論理的ではない。列島改造について。道路を鉄道を空港を。時間と距離をひっくり返す。意味があるか?無い。手段になることを色々述べる。しかし大したことがない、そう思わせない内に話しはどんどん進む。人心収攬術。都市政策大綱については少し論理的。マスコミから極めて高い評価。革新的センスを持つ、新しい感覚の政治家として。法律体系の整備などの一元化。憲法の条文の読み直しを迫る。土地の私権は公共の副詞のために道を譲らなければならない。角栄的表現か?逆に私権を広げて土地を買い漁った。本気で言ったのか?論理的に良いことを言った?土木政治家というレベルの低い評価から、もっと意味を持った人だ、という評価へ。都市政策大綱はベストセラーに。ロングセラーに。新全国総合開発計画。党の都市政策大綱。戦略でイデオロギー的に国民に印象づける。公害問題や土地利用問題も。かなり高度な政治の解決レベル。日本の政治も大きく変わる。外交も変わっていく。ニクソンショック。上昇カーブ。外交内政ともに明確な政治課題を示す。日中国交回復。開発政治の系譜。何故新たに日本列島改造論を必要としたのか?実は角栄は都市政策大綱に違和感を。国民に分かりづらい。私権の制限、公益優先のイデオロギーに問題が。在る種のイデオロギー色を持っていた。反角栄的。国土計画の体系を。中身と表現の双方において角栄自身と秘書団が同床異夢。抽象的な政策ではなく具体的解決案を。日本列島改造論。具体的な解決案を書き込む。早坂茂三と通産官僚のグループ。総裁選に間に合わせるため一気に作る。わずか半年で。角栄の政治への所信。ルサンチマン。大都市集中は原動力であったが、アパートを郷里とする人を増やし、地方に取り残された人が。過密と過疎の問題の同時解消。人と金とモノの流れを地方に濁流させる。表日本から裏日本に還流。地方創生。常に同じ課題を追っている。角栄と開発政治の一つの達成点。達成された?忸怩たる思い。
72年7月に総裁選に勝利。スローガンに忠実であるためには矛盾が。三木中曽根などの入閣。一頭地を抜く存在にはなれなかった。力が衰える。狂乱物価。企業ぐるみ選挙と批判。田中内閣は強くなかった。角栄は幹事長的な仕事もやらなければならなかった。総理としてゆっくり考える余裕がなかった。首相になってなお質的転換を図ることが出来なかった。総理になると教養が必要。成功したのは日中国交回復だけ。日本列島改造論は環境などで時を得なかった。爆発的な田中ブーム。ミリオンセラーになってしまったことが誤算だった。具体的な解決案の積み上げ。実用の書。凄まじい土地高騰に。
ふるさとは遠くに在りて思うもの。郷土の人々とその風物。角栄そのものの人生。開発の政治。土木政治。何故目を向けることが出来たのか?戦前はどの代議士も取り上げなかった。政治以前。戦後民主主義で変わった。角栄でさえ政治の世界に行くことが出来る。掴んだのは荒廃した国土をどうやって立て直すか?開発は金になる、という直感。間違っていなかった。ポスト高度成長に至るまで、内なるフロンティアをどうやって開発するか?インフラの整備が政治の根底。自分自身の政治信条として。建設省と共闘関係を。開発政治を自分のものとしてずっとやっていく。

 

公共政策 (放送大学大学院教材)

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