F-nameのブログ

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平凡さ。

昭和19年7月にマリアナ諸島が米軍に取られ、次はフィリピンを取られたら南方の資源を還送出来なくなると焦った日本軍は、8月に苦し紛れの迎撃案を策定した。米軍がフィリピンにやってきたら、殆ど飛行機を持たない空母が中心の艦隊を囮にして、アメリカ海軍が気を取られている間に、戦艦中心の艦隊が突入して米軍の上陸部隊を潰すという案である。ただ日本海軍は、艦隊同士の戦いしか元々は想定していなかった。囮作戦は効果はあったが、戦艦部隊は艦隊決戦に固執し、結局は突入を止めてしまった。まあ日頃から考えていないことを非常時にやらせるのはそもそも無理だったかもしれない。アメリカの軍事評論家は「高度の平凡さ」が足りなかったと論評している。