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問題意識と観点の整理(日本語アカデミックライティング第5回)

敬語については考えを整理した方が良いのかもしれない。

 

タイトルまで。研究を書く意識。自分で立てた問に答えを出す。先行研究の参照、自分の素材を活用。自分でも足を使って。自分で稼ぐ。問いを立てて答える。タイトルはなるべく具体的に。書き始める前までが大事。
今日は整理の話。なるべく具体的な問いの形に。何を考えれば良いか分かるので楽になる。敬語。対立する価値観を挙げてどちらかに決めようとすることは少なくない。価値判断をするのが良いことだというケースは少ない。対立の背景を探るのが大事なこと。言葉は時とともに変わっていく。その最中に居る人にとっては異なる表現を聞くので違和感を。変化の側面。誤用ではという側面。2つの側面を問やタイトルに活かす。リサーチクエスチョン。研究課題が幾つもある場合が。自分の問題意識を問の形で書く。問題意識の整理。「させていただく」。誤用だとすれば何がおかしいか?文法が間違っている?意味が?使う文脈が?変化であるとすれば何が変わった?以前の言い方は?問いの形にする。書いた自分自身が何をすれば良いのかが明瞭に分かる。誤用はどの段階で?変わるとすれば?変化の中身。研究の方向性が見えてくる。追及の仕方が分かる。言い換えをすれば何になる?色んな可能性を持つ。
ブレインストーミング。脳みその嵐?かき回してアイデアが出てくるのを助ける。複数人ではアイデアを出し合う。研究でもチームですることが多い。卒業研究などでは独りで。独りブレインストーミング。世の中には色んな手法が提唱されている。頭に浮かんだアイデアを関係づけてアイデアのマップを作る手法。パソコンで思いついたものを入力するとマップのように見せてくれるソフトウェアも。適当な大きさのカードや紙。1つずつ書いていってテーブルにすべて並べる。意味が似ていたり繋がっていたりするのを意識して並べ替える。似たようなものや関係したものが近くに配置されるので、概念の地図みたいになる。まとまりや繋がりの作り方。他にも様々なものがあるが、原始的な方法は誰でも出来る。A4版の紙。封筒やカード。日頃読んだり調べたりしていてノートに記録する。1枚1項目で。封筒に17世紀のイギリス女性の異議申し立て。多様なことをノートにとって、別の封筒に分けたりもする。厚くなると論文が1つ書ける。こざね。関係性が見えてくる。アイデアを引き出す。分類していく。「させていただく」。関心に入るのが全て封筒に入る。それを試してみる。自分に合った方法を。独りブレインストーミングを。充分に出来ていると書くのが楽になる。遠くを見通せる。どんな風にまとまって関係づけられるのかが分かる。先の展開が見えている。しっかりした足取りで進められる。誤用の側面。変化の側面。誤用か変化か?その前も。何故自分は問題にしたいのか?研究の動機。日頃の疑問。メモしておいて地図の中に置く。夏目漱石や島崎藤村、太宰治。TV。させていただきます症候群。使う人は丁寧に話していると思っている、しかし聞く側は不愉快。コンビニのマニュアル。怒る年配の男性。何故だろう?言葉がそこまで人を起こらせさせるのか?どんなタイプの「させていただく」を?本を贈られる。勉強させていただきたい。お話をさせていただきたいと思います。目上の人の許可を貰うのが本来の用法。それからズレている。従来からの使い方の延長線?今生じている現象。2つの側面両方が在るはず。展開の段階。後の方で考察をするための観点の整理。論点。ポイント。問題を考えていく時に通り過ぎることが出来ない点を予め考えておく。
具体的に観点整理を。立体的に考えることの醍醐味を。誤りと思う人は何を感じているか?先に帰らせていただきます。宣言。実家に?入籍させていただきました。相手の許可を得るという場面ではないけれど。懇願する形は以前からあった。してもらった人がそれについて使うのも問題ない。問題は相手の許可という要件が満たされていない時。ドアを閉めさせていただきます。一種の強制。文脈がおかしい。形がおかしいケースがないか?読まさせていただきます。動詞の活用形からしておかしい。5段活用の動詞に「させていただく」というのは間違い?回りくどい言い方と感じる。丁寧過剰と思う。二重敬語。不要な丁寧さ。「お」という尊敬語などを重ねて使う。へりくだりを重ねてしまうケースも。拝見、とさせていただく。よく聞くけれど。変化という側面。2つの観点。以前であれば敬語で間に合っていたものを、言葉をつけるようになった?「くださる」と「いただく」。最近は「いただく」ばかり多くなっている。「休業させていただきます」。敬語も使わないか、少し使うというsimpleな。もう1つの観点。「いただく」と「もらう」。お名前を書いていただいてよろしいですか。「してくれてもいいですか」は言わない。「させていただく」の問題ではなくなる。
大きくなった。1つのことを追求すると広がりが見えてくる。敢えて細かく考えることも必要だが。先を見通す。まだ書き始めてはいないが、何を書けば良いのかは分かる。日本語の宿命かもだが、敬語などの敬意がすりきって無くなってしまうのでは?「おいしくいただいてください」。「食べる」という言葉自体が「食う」のへりくだり。へりくだりがすり減っている。受け取ってもらえるのかがわからなくなる。へりくだっているよという形を維持。くれるともらう。何が違うのか?くれるが相手のこと。もらうは自分のこととして。回りくどく丁寧な言い方。相手に触れないように。聞き手として不満のタネ。敬語を離れると脅しにもなり得る。社会秩序の変化が大きいかもしれない。戦前までの秩序は上下関係。しかし秩序自体が横の関係に変わる。敬語よりの直接的に関係性を示す表現が。話し手には事情があって聞き手にも事情があるが、それがズレている。歴史や社会の有り様が透けて見える。問題意識と観点を整理すると先が見通せる。研究は書き始めるまでが勝負。

 

日本語アカデミックライティング (放送大学教材)

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