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場共生芸術 -音楽・演劇-(美学・芸術学研究第6回)

政治的な表現が芸術というのも肯けるように思った。

 

上演芸術。その都度毎回作り上げる。複製メディアもあるが。その都度毎回。造り手や受け手が場を共有する。ひとときを共生。場共生芸術。模倣ということから考える。音楽には模倣の対象は存在していないはず?ヨーロッパの古典的な美学はミーミーシス。音楽は何をミーミーシスしているのか。音楽もまたミーミーシスであった。中世を通じて。人間が作り出す音楽は模倣に過ぎなかった。宇宙の枠。天体の調和的運動そのものを。人間の魂の調和。人間の音楽。道具の音楽。人間の器官が産み出す。唯一耳に出来るもの。3種のムシカは1つのイデオロギーに。頂点は宇宙の音楽。その模倣が人間の音楽と道具の音楽。宇宙の音楽に依拠して初めて存在可能。原音楽。コスモロジーの思想。大宇宙と小宇宙の照応関係が重視されてきた。ピタゴラス派。秩序。宇宙それ自体がムシカ。宇宙の音楽のミーミーシス。天を表す。コスモス。秩序の意味。けがれなき優美なものとしての世界。秩序在る美の世界。宇宙と人間の照応関係。自然の万物照応。アポロンの神話。外なる音、神が知らしめるもの。音楽は精密な数学的なもの。シェーンベルク。アポロン的音楽観。シェーファー。内なるものからではなく宇宙から。音楽が人間の主観的なものから?19世紀の表現主義。ロマン派。内なる音楽観が大いに語られた。しかし音楽そのものはそうとは言い切れない。ワーグナー。19世紀に生きたが、近代を根本的に批判。自然のミーミーシス。個人的主観の世界ではなく、北方の自然が息づく。19世紀の音楽かもミーミーシスの芸術を。宇宙の音楽のミーミーシスとしての。美祢川達夫。背後には天体や人間の秩序が象徴される。宇宙や人倫の根本に関わる。なすべき道徳や生き様に関わる。人間を宇宙の只中のものに。反主観主義、反近代主義。マーラーの音楽、死の舞踏の。音楽が時代の指標であること。音楽は社会的出来事を理解するもの。社会的状況の指標。今後の方向性についても。現代のサウンドスケープにとっても。現代に生きる音楽。世界の本質を表現するのが芸術。音楽も然り。ストラウスがオーストリアの衰退を。シェーファー。時代の指標。社会を理解する手がかり。モーツアルト。時代を表現。イード。宇宙の音楽に通じる音楽観を。アンビエントレーベル。周りの環境。人間は宇宙の一部に過ぎないと。ニューヨークの今は、5分前から5分後を。カラハリ砂漠。ゆったりとした流れ。とても今は巨大。ナウが。宇宙のささやかな一部でありたい。極めて現代的、近代を超える。自己表現的な音楽ではなく、宇宙の一存在に過ぎない人類の。実在論的にして近代を超える。
演劇。在る点で音楽に似ている。芸術家は物として自律的に存在。表面が汚れていても。誰も入れなくても。誰も見てる人が居ないとしても。自分が見ていない時には自然芸術が存在していないと考える傲慢な自己中心的人物。演劇についてはその場限りのもの。表現の。芝居を見ることは現在は出来ない。太郎冠者もの。家来が主人から荷物を持って山道を。茶屋で酒の在庫はなくなってしまった。運んでいる酒に手を付ける。ついつい2人で飲んでしまった。酔っ払ってしまって木の札をあげてしまう。木の札は私の名前?バレてしまって逃げていく。降りしきる大雪の中で12頭の牛を率いる太郎冠者の奮闘ぶり。《木六駄》。12頭の牛を追い立てるシーンで。存在していない牛を仕草から見えてしまう経験をした。至高の観劇の経験。記録映像では絶対に牛が見えない。あの能楽堂のあの場で、同じ空間に居るのみに。舞台芸術の真の醍醐味。あの舞台は死んだ今絶対に見ることは出来ない。六星野村萬斎。演劇の根源にあるもの。戯曲そのものではなく、生身の俳優によって、しかも観客が必要。演劇は音楽と似ている。音楽は楽譜そのものではない。時空を隔てていることはあるが、演奏しないと音楽は存在しない。演劇と音楽は全く同じではない。音は演奏自身などの楽器から音が外に出るが、演劇は俳優から離れられない。録音装置を介して別の大陸の人にも聞くことが可能。再生音楽と生の音楽の違いがあるが。再生音楽も音楽。演劇の場合は記録映像を見ても演劇ではない。決して牛は見えない。一期一会。共有空間の中で送り手と受け手が必要。狂言に限らず。身体性から離れて存在することは出来ない。
舞踊。舞踊もまた一見するとミーミーシスから程遠く見えるかもしれないが。舞踊美学。ノベール。舞踊は美しい自然のミーミーシス。美しい自然。忠実なミーミーシス。単純な模写ではない。世界の本質のミーミーシス。凝縮された。美しい自然。世界の本質の意。舞踊もまた宇宙の本質に関わる。舞踊の在り方。現代においても。ダンス。コンテンポラリーダンス。世界の本質の表現。国民統合装置。ヒトラー。パリのオリエンタリズム。ゲルマン的身体。ヨーロッパ中心的。政治性が自覚。ポストコロニアリズム。各地域の身体を。諸文化が交雑する。先鋭的な現代的な政治哲学。政治的なるもの。コンテンポラリーダンスに限らない。古典的なものも。クラシックダンスも。根源的意味で政治的。ヨーロッパ古典美学。音楽藝術など。芸術で在るが故に政治的。政治的ものが予め存在している。芸術は政治的なもの。各時代の政治性のミーミーシス。世界の本質を表現するが故に。世界は多様だから。多様な世界の表現が芸術。まさに哲学などを総動員する必要のある知的なもの。世界の本質のもの凄く深いもの。宇宙、社会、人間のミーミーシス。他の芸術も。音楽というものはマクロコスモスやミクロコスモス、宇宙の調和を取り戻す。世界はますます混乱を抱えているが、現代においてこそ調和的な世界を取り戻す、ものすごく重要な存在。極めて現代的にも大事。

 

美学・芸術学研究 (放送大学大学院教材)

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