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ヘルスリサーチにおける量的研究:質問紙調査を中心に(ヘルスリサーチの方法論第8回)

研究結果を読むことが多いので、量的調査をどのようにするのかの知識は必要。

 

アンケート調査を軸とした量的研究。質問紙調査遂行のプロセス。質的研究。事実探索型になる場合が大部分。どのような事象、背景が?調査を通じて探す。量的調査。大量の調査対象からの情報を定形的な形で数値化。仮説を立てて正しいかどうかを、仮説検証。一般化を。分析は統計的に。収集前から仮説が明確であり、従属変数、独立変数が既に決まっている。横断的調査。縦断的調査。横断的調査が多い。介入研究などもあるが。縦断的調査は非常に労力がかかる。
全体の流れ。量的調査。調査対象である母集団を定義。研究目的により定まる。標本サンプルを決める。全数調査と部分調査が在る。通常は全体を推察する部分調査が。日本の看護師のキャリアアップという課題。事実上全数調査は不可能。部分調査の結果から全体を推測する。標本は母集団から抽出された調査対象や分析対象に。単純無作為抽出法や系統抽出法などの一定の手続きを経て抽出される。サンプルから母集団を推定するために非可決。段階抽出法。病院について所属する市町村を無作為に。選ばれた中で病院を無作為に。労力が必要。個人情報の流れから不可能な場合も。非確率的サンプリング。連続サンプリング。簡便サンプリング。公募法。接触が困難な場合や全国などの広い範囲で。Web調査も。母集団の代表の問題。スノーボールサンプリング。次の解答者を紹介してもらう。最初の人の性格が反映する問題が。いずれの方法でも母集団の中でどのような偏りがあるのかを明らかにする必要がある。そうでなければ母集団の推定は出来ない。行き当たりばったり配布をしたりするのは厳禁。説明の必要があるから。
サンプルサイズ。調査対象者の数。2つの側面で検討。統計的な意味でのサンプルサイズの設計の重要性。適切な数の算出を。不用意に多数の対象を調査するのも効率性に欠ける。サンプルサイズ設計。どのような統計的検出をするのかで。αエラー。差がある、関連がある、と判定をしてしまう。有意水準。通常は5%。検出力。80%から90%は目安。実際に可能な調査対象者数としての検討。何人から確保でき何人から同意を得られるのか。算出されたサンプルサイズよりも小さい場合は最大限に至るよう努力を。検出力の再計算。
量的調査研究の注意点。実施の際の詳細の手順。リサーチクエスチョンを明確に。問題意識の的を絞り、研究目的をハッキリさせる。仮説、分析枠組みを決定する。研究計画も出来上がる。質問紙作成までが質問紙調査の命。基本的に仮説検証のためだけど、調査項目によっては仮説検証が出来ないことも。必要なデータが取れるよう綿密に検討する。質問紙の作成には検討を重ねる必要が。とにかくアンケート調査をしなくてはならないと焦り、大混乱になることが多い。調査実施以前の調査設計にエネルギーを。
質問文作成におけるポイント。極めて重要。測定したいものを測定できているかの妥当性が問題。信頼性の高いものに。言葉遣いによっては誤解したり無回答が増えたりしてデータが利用できなくなる。分かりやすい質問文を。回答形式。クローズドエンド型。オープンエンド型、自由回答。単一解答。幾つかの選択肢の中から選ぶ。丸をつけてください、など。回答形式に幾つかのタイプが。リッカートスケール。選択肢を強さの順に並べて1つを選んでもらう。奇数にすると真ん中を選ぶ傾向が日本人にある。選択肢を偶数にすることもある。そう思わない人と、くくって判断できる。2つに分けて分析できる。カテゴリー選択。カテゴリーの中から1つ。二者選択。複数回答。当てはまるのも全てを選択してもらう。選択肢作成の際は、ほぼ大部分を網羅するために。先行研究や聞き取りなどの事前調査で、選択肢のめどをつける。その他の回答の率が多い場合、選択肢が妥当でなかったと判断されてしまう。選択肢の網羅を。複数回答の場合には、特になし、という選択肢も。無ければ無回答なのか選択肢にないと判断したのかが判断しづらい。自由回答。数字や言葉を記入する。勤続年数。特に困っていること。言葉を自由に書いて貰う場合、探索的。よく読んで似たものをグループ化。分析に時間がかかる。無回答が多くなる。質的分析を軸にする場合には役立つ。質問文の作成のポイント。言葉遣いにおいての落とし穴。不完全な、曖昧な、難しい言葉、不備な質問構成、定義が曖昧、一度に複数の、など。チェックリストの用意を。調べたいことが的確に調べられるか。ビジュアルアナログスケールなど。回答の仕方の例を図で示す。ダブルバーレルになってないか、2つのことを同時に聞いていないか。回答を得てもどちらか分からず、分析に使えない。選択肢を増やしすぎないことも。せめて10くらいに。誘導的な質問も避ける必要が。スタンダードプリコーション。知っている、に丸をつけがち。否定文での質問、解釈が困難になることが多い。理解てきる用具を。中学生などにはふりがなを。質問文の順序も重要。答えやすい順序に。学歴や年齢を最初に、それだけで気分を害してしまう可能性もある。前の質問文の影響を考える必要もある。同じような質問を続けると惰性的になる可能性がある。クリアされているか確認するには、予備調査、プリテストを実施して念入りにcheckを。
既存のスケール、尺度は沢山ある。他の先行研究と比較出来る。比較的容易であり、信頼性や妥当性にも優れている。スケールブックで沢山紹介されている。特に精神的要素において。注意すること。日本語版で信頼性が高いものを。そうでないとリスクが出てくる。一字一句同じように使うべき。変えるのは原則厳禁。改変をした場合は信頼性などの検討を。本当に測定したいことを測定できるのか、内的妥当性をcheck。著作権の問題が、許可に要することも多い。使用料を支払うことが。連絡を取る。
回収率を上げる。重要。標本抽出が綿密でもサンプルが少ないと推測が出来ない。少なくとも70%以上に。郵送調査で回収率を上げる。調査対象者が決定したら個人に依頼状を送る。分かりやすく優れたものに。興味をそそり長すぎず、調査の意義や回答のメリットについて説明、返送の仕方を。返信用封筒を容易。テープ式にする。色を異なるものに。他に埋もれることを防ぎ、記憶に留める。無記名調査に。匿名性を保つことにより安心して回答できる。督促状。出すことにより5%から15%程度に。複数回督促しても良い。適切な時期を探す。ケース・バイ・ケース。調査協力の謝礼、インセンティブも有効。
大まかな流れ。データ収集、整理して集計。Excelなどに入力。クロス集計。データクリーニング。統計的なデータ処理は様々な手法が在る。

 

ヘルスリサーチの方法論―研究実践のための基本ガイド (放送大学大学院教材)

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