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児童期の発達:自己概念と社会性(発達心理学概論第9回)

大人になっても児童期に育むべき能力が欠如している人が多いのは何故だろう?

 

児童期の自己概念と社会性。幼児期から児童期へ、より大きな世界へ。児童期になると仲間や友人関係がより。習い事などで地元以外の大人や友人が。行動範囲が広がる。自己についてもより多角的に。誕生から就学前までは大きな変化があったが、児童期、小1から小6にも変化は大きい。前操作期などピアジェの3つの段階。同年齢であっても個人差は大きい。自己概念の深まりに影響。児童期の自己概念。三段階。5歳から7歳。自己を性別など外的特性で。8歳から10歳。感情や態度など、自己について話すように。自己の特性を受け入れる。10歳から12歳。多面的な自己についての把握が可能。他者の有能さと自分を否定的に、または他者への同一視が強まる。仲間関係の重要さ。学校は重要な社会化の場。大人が期待する人物像が提示される、意図的無意図的な。大人にとり教科書は次世代に伝えたいと思う内容が。
教科書に自己の在り方が如何に反映されているか。東アジアの国々や欧州の国々。比較分析。小学校国語教科書を分析。日本韓国では周囲に合わせる自己変容型が多い。中国台湾や欧米では他者の意見を変える自己一貫型。自己概念は時代によっても異なる。相手と対立をした際に、日本では対立する相手を無邪気に信じて待つのを素晴らしいとする。小2の教科書、主人公の小鼠。猫は怖いという先生の話を聞いていなかった。猫が現れる。猫は敵だということを知らない。無邪気に対応したり誘ったり桃をあげたりと。無邪気さは猫の心を変える。最後には小ネズミたちを食べずに分かれる。指導書の作品主題。60年や80年。相手と交渉することによるものはあったが。自己と他者との関係は社会背景にも。
児童期は性別に。社会的に期待されている性役割はgender役割。外観特性や玩具などの興味だけではなく、行動傾向や性格などが大きく分かれる傾向がある。養育者や友達の言動は大きな影響。それに加えて、教師の態度や教科書などの影響も大きい。93年に中学校で家庭科の男女共修。性役割是正に対する教材。他国に比べても少ない。父親が料理をしたりするシーンは殆ど無い。ドイツでは修理をする母親の姿が。児童期の子どもの性役割観にメディアも大きな影響を与える。身体関係には女性が、機械関係は男性が、そういうCMの傾向。インターネットやゲームソフトも大きな影響を。日本では男の子用に射撃や戦闘などの場面。女性ではペット養成など。性別によってゲームソフトの内容は分かれる。キャラクターの容姿や行動も大きな影響。性役割観の習得メカニズム。社会的学習理論。真似をするモデリング。自分の性に沿った適切な行動を。コールバーグ。認知発達理論。ジェンダー・アイデンティティと生まれ育った文化の相互作用。ジェンダースキーマ理論。2つの組み合わせる。情報に注意を向けて、情報の認知的枠組みに。青年期以降にも影響を。性役割の。女性がトップになることを恐れる。女性が男性を凌ぐことは社会規範と拮抗する。男性と有能であるにもかかわらず出世を望まない。出席確認で男性を先にするという先生の行動も影響。男の子だから泣かない、という言葉も性役割観に影響を。隠れたキャリクラム。知らず知らずのうちに形成することがある。人の進化の歴史の中で性差が形成されたのも事実だが。認知能力や行動には環境差も大きい。強化学習に対する好き嫌いや出来不出来。育児の出来不出来。文化や価値観の影響を無視できない。男女格差報告。先進国の中で最低水準。管理職に占める女性の役割も低い。生得的な性差と共に、社会が生み出す性差についても着目を。
仲間関係や仲間集団の影響。児童期中期から後期にかけては、ギャング集団が。社会化にとり重要。5人から8人。非常に親密。集団内の年上の子供が年下の世話をしたりリーダーシップをとったり、社会的能力の涵養。しかし最近では、塾や習い事で忙しい子供が多くなった。異年齢との関わりを作る地域の人間関係が無くなっていく。ギャング集団の形成は少なくなった。インターネットを媒介した仲間関係が。SNSを友人とのコミュニケーションツールとして。行動範囲が広くなる時期。SNSによる陰湿なイジメが児童期にも。犯罪に巻き込まれる。子どもの学習の中心となる学習集団。学級内の同年齢集団の横の関係。モデルにしながらも競争や協力。小学校低学年。自己中心性が強く喧嘩になることが多い。近接性の要因が大きい。小学校中学年。友人と協力して活動することで親密な友人関係が。男女の差も出てくる。高学年。知的能力が高まる。友達と共感できるかを。趣味や好みで友達を選ぶ。学級集団は社会性を学習する。第一次社会化とは異なり、第二次社会化と呼ぶ。以降も続く。社会的役割を習得。仲間関係をうまくやっていくには?他者の立場になって物事を見る。必要な能力。視点取得能力。自己を相対化。道徳的判断や向社会的行動。9歳頃になると見た目と心とは違うかもしれないと感じることが出来るようになる。それぞれの立場で出来事を語る。日本の学級では同年齢で構成される。異年齢集団を作り関係性を多種多様にするのも大事。多種多様な関係性。他者との視点を。斜めの関係を取り入れる。地域の大人や大学生。
どのように社会性を発達させるか。道徳性。判断の質。ピアジェ。自己中心性が道徳役割にも大きな影響を。結果論的判断をして善悪を、10歳以降では動機に目を、動機論的判断。お手伝いをして皿を割ってしまった、悪い子?割るに至った動機では悪いとは言えない。他律的道徳性から自律的道徳性に変化。金儲けしようとする薬剤師。高額をふっかけられたので襲った。コールバーグ。年齢が上がるにつれて杓子定規でなく柔軟な判断が出来るように。道徳性の発達を促すには?視点取得の機会を提供する社会的経験を。他者の視点から自分の思考や行動に。視点取得能力が必要。認知的葛藤が道徳性の成長を促す。互いに考える。高次の段階に触れることで発達。優れた文学作品。グローバル社会では様々な価値観が。水準3、脱水準の段階。倫理の原理が普遍的であるか否か自体も問題。文化や社会により次の発達段階に移行する年齢が違う。段階は普遍的なもの?移行する年齢は文化により違う。日本では10歳で第3段階に。アメリカは13歳で。道徳判断の発達理論、男性の視点から。女性の視点からの理論。ギリガン。ケアの倫理と正義の倫理。配慮の考え方の重要性。道徳的判断の性差。文脈依存を効力するか否かの問題か。社会的行動に関して禁止の行動や義務の行動の部分を扱ったが。アイゼンバーグの向社会的行動。他者に利益となる自発的な行動。共感的な反応は生後まもなくから。他者の視点にたった向社会的行動が出来るには視点取得能力が必要。児童期では友達同士助け合う行動が。積極的に関わろうとする。分与行動。発達年齢による変化。人を助けられる利益が。高次の視点取得能力。他者の感情への共感性。眼の前の他者についても。経験していない苦痛についても。他者の世話をする経験。ホワイティング。責任を負う経験が多いほど。養育者が向社会的行動を良しとしたり実際に取ることも効果的。周囲の大人だけではなく仲間の行為も影響を。実際の行動に結びつかない子供も。他者の世話をする機会などを多く。行動を肯定的に評価する大人の行動も。

 

発達心理学概論 (放送大学教材)

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