昨日の帰路にて阪急の駅の階段を登ると漱石が1人落ちていた。と言っても何十キロとあるのではなく形式上は単なる紙切れ。要は千円札1枚である。ご存知の通り1万円札は福澤諭吉なのだが、某大学のOBが漱石より10倍偉いと鼻息高く話しているのを聞いたことがあるのを思い出す。彼の功績を高く評価する日本人は居ないと思う。けれど漱石の小説の方を愛読している人間は福澤諭吉先生(某大学では「先生」という呼称は彼にしか用いられない)の作品のそれより多いのではないかと考える。
随分と話は逸れたが、拾ったので駅の改札横のサービスセンターに持っていく。係の方が処理をしてもらえるとのことで手渡す。まあ横領はしないだろう。それにしても失くしたと気がつく方はいてはるのだろうか。ポケットから落ちたのなら気が付かない可能性が高い。流石に黙っていれば誰にも分からないという方向に心が傾いたことは否定しない。しかしお天道様や自分の良心は知っているのも事実。まあ正直に生きた方がある意味で楽なのはその通りだと考える。