英語で言うegoism。利己主義と訳すと自分の利益のことだけ考えるという意味になる。逆に言うと他者の利害を考えないので、世間的には盛大に言われない。哲学者なら言っても構わないことになるが、変わり者であるのが代名詞のような職業なので特殊。もう一つの訳語としては唯我論。自分だけしか認識できないという命題を基礎に置く哲学である。ある意味で自分なのだから自分しか認識できないのは当然といえば当然。しかし西洋哲学でもこの種とされる論者は多くない。デカルトDescartesも自分から自身の哲学を展開しているが、独我論とはみなされていない。何方にしても、日本人には概念的に遠いのは確か。関係の中で日本人は生きているという説があるが、ある意味で妥当かもしれない。
