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老年期の発達:喪失とサクセスフル・エイジング(発達心理学概論第13回)

老年期超越に達することは出来るのか不安。能力が減る一方なので尚更。

 

向田久美子。老年期。心身の衰え。役割からの引退。近親者との別れ。喪失体験。獲得的なものも。認知能力の発達。人生の統合。
高齢化と老年期。先進国で徐々に進む。社会の安定や経済の繁栄。医療の進歩。老年期を如何に生き支えるかが問題に。発達を生涯発達の視点から。社会的背景。50年の平均寿命。60歳程度。人生60年。平均寿命が伸びる。世界有数の長寿国。100歳以上の人も6万人以上。百寿者。高齢化と少子化。高齢者の割合も増している。15年には4人に1人。40年では36%に。高齢化の進展が。高齢前期と高齢後期。自立することが困難な時期を。
老化現象。部分的な現象が身体全体に。反応系。個体保存系など5つの機能に分類。反応系。視力や聴覚の低下など。生体防御系。個体保存系など。老化現象は人の目につきやすい。老年期イコール衰退?健康に留意した生活をおくることで心理面にも肯定的な見方を。
老年期の認知能力。バルテスなどが知能の理論的実証的解明。可塑性などが解明。知能概念の見直し。測定方法の多様化。知能の中身に因る。伸びる能力も。キャッテル。誘導性知能。情報処理を。新しい課題に出会った時に。結晶性知性。言語能力など。結晶性知能は高齢期まで伸び続ける。タイピストの研究。経験がある人が速く打てる。先を読むことが出来て、動きに長けている。誘導性知能の全てが下がるわけではない。帰納的推論などは老年期も比較的安定して保たれている。後に生まれた人間ほど知能が高い?60代以降に著しい。社会全体で知能が高い。全ての知能が一律に衰えるのではなく、一部の知能が急に衰える。個人差が大きい。加齢に伴う認知能力の伸びや維持。熟達化の効果。目標を精選し資源を効率的に。適応能力。SOCモデル。補償を伴う選択的最適化。S、選択。自らの持てる資源を認識しどこに振り向けるのかの目標の選択。喪失に基づく選択。資源が低下してから。喪失を見越しての選択。O、最適化。目標達成の為の手段。資源を配分して計画的に努力する。C、補償、上手く行かなくなったときに自分なりのやり方を見つける。バルテス。ルービンシュタインを例に。練習する曲を絞り込み高いパフォーマンスを維持。反応のスピードを知識で補う。SOCが人生をより良く生きるため、サクセスフル・エイジングの戦略として。人間関係。加齢とともに絞り込み感情生活を充実。選択最適化補償。老年期に増えるのは喪失を見越しての選択のみ。英知。重要だが不確かな。15歳の女性が男性と結婚したいと言っているがどう答える?一般論が当てはまる?特別な生活環境が影響。親を亡くしたばかり?価値体系が異なる。彼女の感情を考慮しなければ。英知が高いとされる回答。背後の事情に思いを巡らし対話することの重要性。英知の測定。発達環境についての知識。相対性の考慮など。評価基準。対人関係などの知識の豊富さ。ノウハウの知識。発達環境についての知識。職場などの環境や時代の変化。相対性の考慮。考え方が違うとの理解。不確実性を理解。将来を見通すのの困難さを理解。他の多くの回答を。人生経験の内省による。訓練に因る認知能力の向上。70代までだが。死の数年前には急速な低下。社会的サポートの必要性。
サクセスフル・エイジング。上手に歳を取ること。老年期を身体的にも精神的にも健やかに。初期の論考。老年期も同じ活動を、活動理論。離脱理論。測定方法は多様。鍵となるのは人生満足度。様々な要因が。パーソナリティなど。継続性理論。80年代から遺伝学などの学際的な研究集団により実証研究が。マッカーサー研究。リスクの低さ、心身の機能の維持。人生への積極的関与。エイジングの個人差をもたらす要因。教育や自己効力感。サクセスフル・エイジングの定義や指標については今でも議論が。エイジング。加齢とともに共通の。人生満足度。自尊感情。32万以上の実証研究。児童期には高い。10代なかばから低下。性差は青年期以上拡大、男性の方が女性より高い。40代から上がり60年台でピーク。50代には個人差が大きくなる。サクセスフル・エイジングの発想の根底。能動的存在とみなす人生観。主体的に制御する力。成人期を通じて増す。肯定的感情も高まる。SOCを持つ人ほど孤独感が低い。情動制御。肯定的な感情を増やし否定的な感情を減らす。高齢者は肯定的画像を覚えている。認知能力と同様、生涯に続くわけではない。補う為に制御が必要。健康寿命を超えるとどうしても否定的感情になりがち。仕事や健康などの喪失体験が否定的影響を。
人生の統合。自らの心理的などの老い。アイデンティティの喪失など、死への準備を。インテグリティ、統合。取替を許されないものとして受け止める。自分の人生をかけがえのないものとして。悲しみや後悔が先にだつ。不安や絶望感を。最終的に受け入れることができれば、統合がされ知恵が与えられる。生そのものへの超越的関心。英知と知恵はどちらもwisdom。いずれも人生経験を積み顧みるのが大事。競うことがなくなることも影響。良い聞き手の存在。心理療法に回想法を。アイデンティティ感覚の向上。河合智恵子の研究。統合できると死への恐れも少なくなる。健康な高齢者ではあまり見られない。インテグリティから老年的超越へ。困難な状況でも心の平穏を保つ。超越的観点から。死を身近なものとして。例。辻邦生。死の2年前のエッセイ。永遠を目にすることにして死ぬことから自然に解放される。老年的超越の一端。小津安二郎の映画。喪失や不在がテーマ。若い登場人物は葛藤を。諦観。本質を見極める。wisdomにも通じる。「東京物語」。53年の映画。世界的に高い評価。老夫婦が上京して子供を訪ねるが喜んでくれない。帰る途中妻が体調を悪くして大阪で降りる。子供より孫の方が可愛い?子供も大きくなると変わる。親の思うようにはいかない。幸せな方。中年期に入り生活に忙しく親を冷たくあしらう子供にも。幾多の困難を共に乗り越えた老夫婦の諦観。妻が亡くなった後も。現代では諦観や知恵の獲得の機会は限られつつ在る。地域の経験が稀に。親戚づきあいも変化して。実地で学ぶ機会が少なくなっている。老いの期間が長くなった。長期にわたる介護は心理的不安感を。子育て支援と同様、介護支援についても。発達の最終段階は、死。主体的制御の役割。個人の能動性。介護を受けるなど死に至るプロセスで徐々に弱くなる。個人の発達は環境と関連。周囲の人々との関係。受けられる医療福祉のサービスなどの要因が。死は悲しみをもたらすとともに人間的成長を促す。周囲の人々の生き方に影響し後の人々の礎に。
老年期は最終段階。個人差が大きい。喪失に立ち向かうのは生易しくないが。モデルが身近に居るはず。亡くなった人に見いだせるかも。発達は歴史的相対性とともにある。時代とともに変化。発達の理論や概念は見直しが進む。個人の周囲の環境に。メディアと文化。

 

発達心理学概論 (放送大学教材)

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