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心理療法1:力動的心理療法(心理臨床の基礎第9回)

現実の対話にどれほど応用できるかが問題になると思う。

 

小川俊樹。力動的心理療法の前に、心理療法について。カウンセリング、サイコセラピー。心理面接。治療は医学用語。心理療法の対象は、狭い意味で病気に限定されない。カウンセリング。スクールカウンセラーなど。心理療法とカウンセリングの区別は研究者により様々。カウンセラーとクライエント。セラピスト、治療者や患者。カウンセリングは相談とも訳される。専門家に相談。結婚カウンセラー、美容カウンセリングなどという用語。心理学的な指導の意味が。心理療法の目的は治す。カウンセリングの目的は個人の啓発や成長。治すよりも自分を伸ばす、自己実現を図るという意が。実際のところ違いはそれほど無くなってきている。強迫症状を治す場合も。相談者の抱える問題での心理学的介入、心理学的支援を。
力動的心理療法で用いられる方法。会話でありCommunication。所謂お話療法。トーキングピュア。来談者中心療法。非支持的カウンセリング。力動的心理療法は精神分析に基盤を置く。狭義の精神分析療法と同じ。フロイトの創始した精神分析療法。行動療法や来談者中心療法などと異なる。力学的側面を強調。治療構造や形態が精神分析療法より緩やかなもの。週1日2日、対面式。力動的心理療法。積極的心理療法。ライヒマン。少なくしても有害ではない。フロイトのリビドー論などの心的エネルギー論。サリバンの対人的心理療法。90度の角度でclientに座り、個人的経験などを傾聴し仮説を確認する。妥当性検証。古典的な精神分析とは全く異なる。欲動充足よりも対人関係に力点を。新フロイト派。フロム、ホーナイ。無意識を必ずしも抑圧したものとは考えない、広く自覚されていないものとみなして意識化や洞察を指す。個人の行動や適応様式を左右する。関連する心理療法。深層療法。妨げている無意識を特定し操作する。前意識を包含。意識していないのは葛藤や感情が。力学的とみなされる。フロイトは力動的無意識と。性的な無意識。いずれにも共通しているのは力動論的観点。心理的力関係を認識することを目指す。性欲望の充足。フロイト。個人の持つ様々な欲求間の力関係。理性との力関係に留まらず、外的力関係も入れる。不適応行動も力関係の結果とする。ファイナー。
力動的心理療法の基盤は精神分析理論。基本概念と特徴。フロイトは神経科医だった。日常診療での対象は歩けないなどの運動障害や感覚障害。見えないと言っても、脳の方の障害の場合。訴える患者を日常診察していて、原因のない障害が。催眠によりフランスで治療。シャルコーに留学。催眠現象。特殊な意識状態。起きているわけでも寝ているわけでもない。暗示をかけるのに従う。小催眠暗示現象。指示を催眠から覚めた後でも。意識されていない。個人の行動には意識されていない欲求が潜んでいる。意識から排除され抑圧された無意識があり、個人の行動を左右し症状を。無意識の心理学。精神分析理論を打ち立てる。アメリカの精神分析家、ジルバなど。6つの観点。局所論的観点。精神分析の発端は無意識の存在の確証。意識、前意識、無意識。意識から排除。自由連想法などにより明らかに。前意識、一時的無意識。意識、自分で認識していること。無意識は意識喪失と異なる。構造論的観点。心の構造。イド、自我、超自我。それぞれが固有の心理的機能を。イドは欲動に左右。快楽原則などに従う。自我。現実への適応。現実原則など。超自我。躾や社会文化的規範、良心など。イドは無意識、自我は意識と結びつく。力動論的観点。心理的な力関係の結果。3つが常に力関係を。葛藤状態。外界現実とも。自我が適切に処理する、自我の強さ。不適応は不充分なため。自我が働いて無くて。防衛機制。葛藤状況は疲労感などを生み出す。自分を守る。アンナ・フロイト。9つの防衛機制。欲動論的経済論的観点。心的エネルギーを想定。19世紀の科学観。時代精神。リビドー。フロイト自身は愛情を考えていた。どのようなものに注意を払うか。心的エネルギーの配分。自我の力の問題と関連。自我への配分が乏しい。心的装置内での効果的配分が適応を。発達論的観点。個人の発達。基準で発達段階を分ける。読書内容からなど。フロイトは心理性的発達を想定。誕生直後は口唇的活動を。口の動き。次は肛門的活動。ちょうどトイレットトレーニング。二者関係。主として母親の関係。父親を加えた三者関係。エディプス。非性愛的対象に。潜伏期。小学校。学業にエネルギーを。思春期。性器期。幼児性愛。適応的観点。対人関係や社会への適応。不適応も環境への適応努力の一端。快楽原則。現実原則。フロイトの精神分析。6つの観点が精神分析の核心。後継者たちの指摘。ユング。自己を強調。欲動論的。リビドーを提唱。アドラー、劣等感を重視。防衛機制。クラインなど対象関係論。理論の補足や修正。
力動的心理療法は精神分析を基盤。欲動論などは副次的。抵抗。洞察を求める心理療法でしばしば直面する。clientの矛盾、治療の妨げに。すっぽかしなど。治療的コミュニケーションを進める上での契約不履行。お話療法。会話面接。主としてクライエントからの説明が発信。それらを元にコミュニケーションが。同じことを繰り返す。黙っている。当面の問題とは関係なかったり。心理的に耐えられない。心理的反応。現状を変化させたくない。明確化。治療者側からの発信。発言に対し一側面を強調するために繰り返す、要約した形で。特定の話題に注意を向けさせ深く吟味させ、コミュニケーションを促進して内省を促す。来談者中心療法を始めとして多くの療法にも。直面化。クライエントの話してない内容を。前意識的な内容を意識させる。何が話されていないのかが問題。行動の不自然さやおかしさが手がかりに。父親についての発言がなかったり、表情が楽しいとは思われなかったり。治療者は対話の中で変だなと言う感情を抱く。治療者自身に内的コミュニケーションが必要。変だなという内的コミュニケーションが出来るか否か、臨床者の勘、センス。直面課は力動的心理療法の特徴。自発的な気付きが期待される。介入は限定的。解釈。明確化と同じく治療者からの発信。仮説の表明。コミュニケーションからの情報を元に洞察するよう促す。お父さんを憎んでいる?ワイナー。解釈は無意識の内容を。説明を求める。理由の追求がある。推論や可能性、仮説によって作られる。仮説や意見がすんなりと受け入れられるとは限らない。反する内容だったりすると抑圧される。心を乱す。真実に近いものであれば在るほど心的動揺を。解釈はどのように行うか細心の注意を。真摯に検討してもらうことが必要。当該の問題を2人で解決する共同作業。作業同盟。治療同盟。転移。過去の感情や欲求、態度の置き換え。重要な人物への反映に限らず、面接外の対人関係の影響などが持ち込まれる。クライエントが不機嫌な状況。いつもと同じ時間に面接が、穏やかだったのがそっけなかったりする態度を。妥当なものとは言えない。反応が刺激した?面接外での経験が喚起される。話の内容が刺激するほどのことでなかった場合、転移の現れ。そっけなさは治療者以外の誰かに向けられたもの。本来は誰に。何故?焦点に。現実の歪みをもたらす。正当に認識していない。治療者による解釈で転移の理解を深める。洞察への大きな成果。現実的で正当な理解が出来ない、逆転移。クライエントのそっけない態度。そのように見ること自体が、現実的に正当化されないと逆転移であると言える。治療者の認識が妥当な根拠がなければ治療者の歪み。治療者自身の抱えている問題を触発するなどで正確に理解できていない。本来逆転移は治療に阻害的働きをする。克服するべきものとされてきた。多くの臨床家の経験から、今日では言語化されていない態度の手がかりを与えるものと。自らの逆転移に二重の意味で敏感に。

 

心理臨床の基礎 (放送大学教材)

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