「家栽の人」という漫画を思い出した。高齢化に関わる問題が多くなってきているので少年事件に対する資源は少なくなりがちなのかもしれない。
刑事政策と福祉政策。罪を犯した人の福祉政策。少年事件とその対応。13年にInterview。弁護士活動の実際など。
弁護士活動は10年目。少年事件。50件くらい扱う。現時点で割合は少ない。2割あるかないか。数が少なくなった背景。元々少年そのものを扱うのは少ない。日本の弁護士は専門化している訳でもない。かなりしている部類に入る。少年事件に関わるきっかけ。最初は偶然。何度かやっていく中で忘れられない事件。おやじ狩りをした少年。カレ自身が能力が高い。付添人として働きかけ。内省をぐんぐんと深める。弁護士が少年に働きかけることで短い間に、鑑別所に入っている4週間で。大人の事件ではないこと。一度すると忘れられない。人間は若ければ若いほど変わっていくという実感。少年事件にハマる。少年法が持つ基本的考え方を裏付けるような事件。個々数年の少年犯罪の動向。少子高齢化もあって減少傾向。少年事件に対する注目度は高まる。少年事件の質の変化への注目が。10年前と比較して少年事件の質は変化した?10年前は少年事件の中でも暴走族だったり昔ながらの。現在は暴走族の事件は少ない。大人に走らされている。暴力団を背景に、命じられて。多くなっている類型、振り込め詐欺。裁判所も対応に苦慮。背景が分かりづらい事件が増える。振り込め詐欺では受け子や出し子。お金を受け取る役割で。良いアルバイトがあると誘われて軽い気持ちで。少年が全てを計画してしているわけではなく、大人が組織だって使い走りに。事件を担当して触法行為をする少年について。両親からの虐待や学校のイジメ、発達障害など。担当した事件で親を殺した少年。幼いときから親から虐待を。家の手伝いをさせられていて、一生懸命やっていても親から評価されない、それが積み重なる。親から能力がない、学校に行ってもどうしようもないと言われて。少年自身の被害体験。少年の持つ被害者性。本人は小さいときからの体験では当たり前に。むしろ人間の防衛本能なのか、辛い思いを封じ込める。被害体験があって最終的には他害行為に。少年自身の中で自覚していないことが多い。少年に関わるのは難しい。重大な事件であればあるほど、背景に難しい問題を抱える。一筋縄ではいかない。少年と話すときにも自分の気持ちを話せるよう心がける。仕事上、何があったのか、どうしてかを聞き出すことに頭があって一方的に聞いてしまう。クローズドクエスチョンになってしまうができるだけオープンな質問で。少年が自分の気持ちを話せるように。限られた期間での心がけ、行動は?付添人としては少年が事件を起こすと、捜査段階では大人と手続きは変わらない。延長されると23日間は警察の留置施設に。面会をしていく。その後は家裁に事件が送致。家裁で監護措置を。鑑別所に移るので面会を。事件のことや何故起こったか、家庭の問題や学校の問題。少年に対し内省を深めてもらうよう働きかける。審判の時まで。少年に対しては頻繁に面会。話し合う。少年の保護者との関わり。親との関わりは非常に重要。家庭に何らかの問題がある場合が殆ど。親とも話をして、幼い頃のことや家庭の状況などを。場合によっては弁護士から少年の家庭を訪問して状況を見ていく。少年の生活環境。親御さんは触法行為をしたことについては?千差万別だが、放ったらかしだったり、過保護だったり。弁護士の力でなんとかならないか。過度に干渉。親の態度が実は少年に対して影響を及ぼし事件の背景に。何故起こったかを推測する内容に。親にアプローチもする。少年事件は調査官とのカンファレンスで得た情報を。親についての改善点を伝えたり。しかし関係性は難しい。親から依頼されている場合なら率直に話すのは工夫が必要で気を使う。弁護士にもcommunication能力を。聞いてくれない親にどうするかは課題。昔は貧困問題と少年の犯罪の関連付けがあったとされたが、実際は?子どもの貧困の問題。貧困家庭は背後にネグレクトや虐待がある場合が多い。少年の非行に。食べるものがなくてスーパーでパンを万引することも無くはない。少年事件については凶悪化や厳罰化の流れが。現在の少年事件の厳罰化の流れは犯罪被害者の保護の要請が社会的に高まってきて被害者の声が強くなっている。少年司法の手続きが刑事司法化している。犯した罪を贖うという考えが入ってきている。日本だけでなくアメリカなども?厳罰化を推し進める。少年事件の対応と一般の成人に対する刑事裁判は考え方が違うが。流れとして厳罰化は正しい?刑事司法と少年司法の考え方は異なる。だからこそ少年法がある。少年の健全育成を。子供の成長発達権を保障する。それが少年法の理念。大人に見合った責任を、刑務所に入れて反省をさせるのでは達成できない、少年事件の解決にはならない。一方で修復的司法の考え方や解決の提案が。修復的司法は犯罪を関係性の侵害と捉えて、被害者と加害者の修復を考えていくアプローチ。一定のものの見方を。今の合法的司法と異なる。誰が傷ついたか、修復には何が必要か。ソーシャルワーカーが関与して諸外国では。日本ではあまり聞かれていない。理由としては日本の犯罪被害者の方々が団体を作っているが、修復的司法につき消極的。色々な理由があるが、修復的司法というのは被害者を加害者の更生の為の手段にしているのではないかということ。何を指しているのかというと、審判だったり裁判の前の和解などが修復的司法?実際は少し違う。重大であればあるほど被害者と加害者が話し合いをするのは難しくなる。加害者も混乱しているし被害者もショックから冷静でいられない。試みを行うのであれば事件から時間が経って刑事処分が決まった時点でしていかないと。実際には話し合いという手法がとられる。日本で行われるとしたらどのような領域で?事件の領域が向いているとか向いていないとかは難しい。重大だとハードルが高い。窃盗や財産的な侵害の事件については比較的やりやすい。重大な事件ほど必要かもしれないが。きちんとトレーニングを受けた人が中に入って試みるのは重要。被害者の修復、心の傷の回復。もっと多くのソーシャルワーカーが事情を理解して取組をしていく必要がある。オーストラリアやカナダは導入している。日本の少年司法。手続全体では世界でも先進的。家庭裁判所調査官という専門職が配置。少年の非行の原因をトータルに調査し相応しい処分をするシステムができていて、先進的なものに。そもそも日本の少年司法の考え方は?戦後に入ってから。アメリカの少年司法の影響。アメリカでも調査官が?州により異なる。全体的にはアメリカは適正手続の保障が強調された時期があった。大人と同様の刑事手続きが。少年司法が刑事司法化している?日本も厳罰化という流れに。日本の少年司法の刑事司法化、適正手続の観点からはあまり取り扱われない。アメリカの手続よりも少年に不利益。どうしても置き去りにして厳罰化が進行しがち。少年という存在をどのように捉えるかの議論が必要。司法と福祉の連携。少年司法の中の改善すべき部分。福祉との連携は全ての局面で欠けている。一番福祉に連携させたいのは、少年院から出た少年が社会復帰に。虐待などの問題があって自宅に戻れない少年の居場所。福祉の方々の力を借りて確保するのは喫緊の課題。少年院を退院して行き場のない少年、現時点では?少年院でも探しているが見つからない。見つからなければ退院もさせられないので延長する。障害者や高齢者の社会的入院、受け皿がないので施設で面倒を見る。触法少年でも似たような問題が起きている。福祉的仕組みや福祉専門職に期待すること。少年については行き場のない少年などもあるが、福祉の力を借りていくことが重要。社会や地域に定着して再度非行を起こさない条件に。子供の場合は児童相談所があるが、実際には高校に入ると関与しない傾向が。虐待への対応で目一杯で、触法少年に手が回らない。少年司法の領域で扱ってほしいという対応も。児童相談所のマンパワーの強化。底上げが必要。児童相談所の人は、少年院に行ったら関わらなくなることもある。福祉の人にとっても司法の世界は関与できないという認識。司法と福祉は領域が違い考え方も違うが、相互に乗り入れして協力することを。触法行為をした人に対する抵抗感、怖い人という抵抗感がある?抵抗感を払拭して触法少年に福祉の世界から出来ることを。非行少年は一筋縄ではいかない。信頼関係を築くには時間がかかるので抵抗感も。村中孝之。少年司法については福祉政策との関連が強い。貧困対策や家族支援。少年事件への対応。被害者や地域社会へのケアが。少年院から出たら放り出すのではなく見守っていく福祉的なものが必要。