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家族とケア(リスク社会のライフデザイン第9回)

家庭の中でのケアは家族が賄えば良いという発想は依然として根強いものがあると感じる。

 

岩上真珠。大槻奈巳。家族とケア。グローバル社会の中でのケア。家族内での。身の回りのことも。職業社会学。
ケアというのは子育てと高齢者介護。子育て。13年の参議院選挙で、3年育休では生活できない。3才児神話が背景に。何処まで本当か?60年代に愛着理論を。日本に入ってきて70年代に広まる。高度成長の真っ只中。家庭内性別役割分業。曲解されて強力に後押し。なぜ神話?根拠はない。根拠がないという研究事例が出ている。確たる証拠はない、だから神話。3歳という年齢の区切りは日本人に受け入れやすい。三つ子の魂百まで。幼い頃の性質は変わらない。江戸時代に広まる。当時の年齢で2歳位を指す。三つ子というのは歩き始めたくらいの意味。限定して使われた訳ではない。愛着理論。6ヶ月から2歳位に特定の養育者と愛着を形成する。人格形成の基盤に。コレ自体は今日も否定されていないが、家庭で育てるべきだとすり替わる。イギリスでは3才児神話は誰も知らない。00年代終わり以降はワーク・ライフ・バランス政策が。働くことと子育てのbalanceを。日本での展開プロセス。少子化対策として。男女は限定していないが、日本では母親が子育ては出来るようにも。何年か育児で休めるように。日本の3才児神話は本当だと考えている人は多い。社会学の立場では個人の持つ特定の考えも社会の風潮に影響を。断固3歳までは育てるべきだと断定する人も、小さい頃からずっと世間でそう言われてきたから自分もそう思うと。3才児神話に限らず自分の考えが社会から影響をされていないかを考えなければ。洋服を買う時なども。好きだから買うというより、周りからどう思われているかを考えてしまう。友人家族社会の人たちから。日本だけ?何処の国でも。自分で選択していると思っていると社会からの影響で。今まで子育てについては家庭ケアが日本での中心。3才児神話にもあるようにこれまでは当たり前と考えられてきたが、社会の構造を反映して成り立ってきたと。
高齢者の介護。母親の子育て規範のように強固なものが。介護は子供がするべき?これから親の介護をする人も。将来どのような人に介護してもらうか。結婚している女性の場合には、自分の親を介護するか夫の親を介護するか葛藤が。配偶者の親の介護は大きなこと。自身の身の回りと考えて。日本社会は高齢化が進行。その中で介護するにせよされるにせよ、介護問題は他人事ではない。高齢者の世帯が増えて老老介護が。介護する側もされる側も高齢者。大変。お互いに非常に体力を消耗して困難を抱える。近年では介護に疲れた夫が妻を絞殺して死にきれずに自首。介護者が亡くなり介護された方も倒れたり。悲惨な結末も目につく。子供が親の介護をしなくなった結果?家庭内での家族ケアは中心だが、色んな家族のイベントが。色んなライフスタイルが。高齢になった親を子供が面倒を見るのは当たり前という価値観。日本の家制度に由来。近代から家制度。長男などの跡取りが家督を相続。親の面倒を見ることが一般だった。実際には長男の嫁が。少なくとも1人の子供は親と同居するのが当たり前とされてきた。高齢者世帯が増えて若者が居ないのはどうして?親の介護は当然の義務とされた。親孝行という道徳観。親不孝?冷たい。親を介護することは孝養を尽くすのと同じという価値観でやってきた。そういう道徳観が出来て家制度があったのは平均寿命が50歳や60歳。孝行のしたい時分に親はなし、という諺。親孝行と親の面倒を見るのは一体。人口学的に老いた親がそれほど存在しなかった時代。今は平均寿命が90歳になろうとしている。倍近くに寿命が伸びる。子供が親の介護から逃げ出している訳ではない。自分の仕事と子育てや親の介護の狭間で悩んでいるのが実情。割り切れない。割り切れる人は殆ど居ない。親も子供の負担になりたくないと遠慮しているのが実情。親も子供も大変な時代に。80年代以降から未婚化も進行している。中年未婚者。介護を必要な親を抱えて身動き出来ない。大きい問題。男性で50代まで結婚しないで、仕事と親の介護を抱えて体調を崩し仕事をやめざるを得ない。夫婦でも大変なのに1人ではもっと大変。男女ともに親孝行規範を引きずっている。親の介護はしたくないからしない人は殆ど居ない。少子高齢化が進むとこれまでの考え方で家庭ケアをするのは無理。情緒の問題ではない。高齢化率の推移。65歳以上の人口の割合。60年代くらいまで6%。2人に1人が65歳以上。世界に冠たる高齢社会。未婚者が親の面倒をみる。未婚化も進んでいる。10年で30代前半男性では半数近くが未婚。女性では3割ちょっと。50歳の時点で14年。未婚者が男性の場合は2割。女性は10%ちょっと。生涯未婚率。一応50歳時点で。10年の統計では男性22%。凄まじい勢い。一生独身の人もたくさんいる。家族ケアだけに頼らないケアの形に取り組まなければ。20代30代の人のケアの環境。全く違う社会の状況。ケア環境の中で。社会のあり方が変わってどういうふうに?別のケアと組み合わせる。
家族ケアではない形。家族ケアとの組み合わせ。ケアワーカーの実態。家庭内ワーク中心からケアワークへの移行が求められる。仕事してケアをする人。主に2種類。ホームヘルパー。賃金の低さ。ハードワークにも関わらず。離職率が高い。07年の調査。施設介護職員とホームヘルパー。女性ばかり。施設では比較的若めだが。介護福祉士を持つ人は半分以上。賃金の低さ。施設介護員。20万から30万が6割。看護師より低い。ホームヘルパー。ボーナスがない人が8割。職務評価。仕事の価値を様々な指標で点数化。点が高いのは看護師や施設介護職員、ホームヘルパーの順。ホームヘルパーの感情的負担は最も高い。仕事をする中で自分の気持ちを抑える、controlが求められる。大きな負担に。看護師を基準に賃金の価値は職務の価値より低い。賃金への影響も仕事により違い。施設介護職員では男性の方が賃金が高い。性別や学歴が絡む。看護師も同様。ホームヘルパー。賃金は年齢や学歴などに影響されない。状況には関係無しで決まっている。地域の相場による?仕事の要素が加味されていない。負担の要素を取り入れるべき。妥当な賃金を算出するのは欧米ではよく行われている。日本でも妥当な賃金の提案が必要。指標を用いて点数化する職務評価は殆ど行われていない。ケアワークの展開には問題が山積している。ケアワーカー全体の賃金の低さは大きな問題。大槻奈巳。家庭内ワークでは限界が。職業として。誰が行うのか、40歳以上の女性が95%以上、低賃金で。無償労働から賃金が安い状況に。変えていく必要がある。ケアワーカーへの意識や態度全体が家庭内ケアの延長上に。賃金に何が影響している?職務の負担感は考慮されない。反映させる必要がある。家庭内ワークでやってきたことを家庭外のケアで取り組むのが重要。閉じられたシステムの中から公的にフォーマルに、非公式でも家族外に。上手く橋渡しをして連携を。ケアの社会化。もっと知る必要がある。フォーマルなものとしては国や自治体が、必要な財源を税で。インフォーマルなケアもある。民間のサービスを購入する。本人や家族が。NPOやボランティアが。金銭的対価というより社会的貢献として。多くの公的なケア制度や助成金が。社会保障費のGDP比は少ない。アメリカ型もヨーロッパ型も問題点はあるが、どのようにケアの社会化をするのかが問題。金持ちだけがケアしてもらえる?
少子高齢派で家族ケアの限界を。

 

リスク社会のライフデザイン―変わりゆく家族をみすえて (放送大学教材)

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