行政法を基礎知識なしに説明するのは難しいと感じる。法学徒として一生の課題かも。
渡邊賢。行政法とはどのような法なのか。日常生活の中で行政法との関わり。行政法の特徴。行政法は何故必要なのか。
出発点として行政法とはどのような法なのか。すでに色々難しい問題が。とっつきにくい科目として敬遠される。理由は幾つか。そもそも行政法とは何かよく分からない。原因は民法などという法典がない。条文を学べばよいという訳ではない。そもそも何を学べば良いかイメージが出来ない。行政活動に関する法、という訳のわからない。イメージが掴めない。定義を読んでも、行政や行政活動の意味がわからない。最初は行政活動に関する法とは、省庁や県庁市役所などの役所が行っている活動と。日常生活が行政法で囲まれていることを。例えば日常生活は顔を洗うなどから始まる。この時の水は水道法に基づいて提供。下水道は下水道法により原則として市町村が管理。他にも色々。一日の生活だけでなく一生も役場の仕事と関連している。例を読んでも行政活動が密接な関係だという実感が持てない。行政法が取り上げている事柄がイメージしづらい。民放の場合には、契約。当事者の意思の合致。具体例でイメージしやすい。刑法の場合も報道が在ると殺人罪が適用されると感じることは難しくない。行政法の場合。行政の存在を感じることはあまりない。行政活動を実感するのは、確定申告で建物や職員。反則切符を切られるなど。行政の存在は希薄。なので日常生活がどれだけ行政活動と密接なのかは意識的に振り返らないと分からない。今日一日を振り返って役所の活動とどのように関わったかを。朧気ながら意識してもらえれば。
行政法にはどのような特徴があるのか。水道法や下水道法の勉強?ますます面白くなさそう。行政活動の個別法を学ぶのとは違う。個別法の数。法令データ提供システム。これによると15年現在で1950の法律が。法律とは国会の議決を経て。およそ8割は行政法に属する。膨大な数の個別法を一つ一つ学ぶことは不可能。学習の中心は基礎にあって個別法に共通な通則の部分。厄介なのかは通則の内に法律に鳴っているのはごく一部。行政法という名前の法律はない。制定されている法律の中で通則を定めるのは行政手続法などがあり勉強もするが、法律を通して勉強できるのは一部。裁判所により形成される判例と学説も。広く目を向ける必要がある。最高裁の判例を詳しく。この講義では通則の部分を主に。大きく3つの類型に。3類型。行政組織法、行政作用法、行政救済法。行政組織法。組織に関する法律。主として国と地方公共団体。特に国を念頭に。行政がどのような組織から構成されているのか、仕事の配分。国の場合だと内閣を頂点として各省庁などの行政組織がある。行政作用法。行政活動が私人の権利義務とどのように関係するか。行政活動の態様や限界。態様としては行政立法や行政行為、行政計画など。行政活動の手続や限界も。行政救済法。行政活動により私人の権利義務が侵害された場合の救済。人権保障という観点から重要。以上の3類型の中で中心なのは行政作用法。行政法の特徴がよく現れている。人権保障のあり方と密接に関連。私人の権利義務と行政との関わりの。私人の基本的人権。財産権などと直接間接に関わる。全ての行政作用法が対象?お茶菓子の店での購入は?民法も行政法?公法と私法の関係や区分。行政法とは?旧来型の行政法学。行政法を行政の組織作用並びにその統制に。公法の一種とされ司法は除外される。公法と私法の区分が前提。公法は縦の関係を規律。私法は国民同士の横の関係を。民法は行政法には入らない。行政に固有のものが行政法。公法と私法の基本的性質の違い。私法では契約を念頭に。基本的には当事者間の合意で当事者間に権利義務が発生。車の購入の契約。公法の法領域では。当事者間の合意により権利義務が生じるのではなく、行政は合意抜きで一方的権力的に権利内容、徴税税額などを規制する。公法と私法を分ける。違法な行政行為でどのような訴えを起こすかで意味を持つ。訴訟で争われているのは公法関係であることを理由に私法を全面的に排除するのは妥当か?国家公務員の雇用関係は公法関係。解雇権濫用法理。使用者が合理的理由がなければ許されない。公務員の勤務関係は?解雇権濫用法理は全く顧みられなくても良い?ブラックで良いとは誰も考えない。異質なものだがそれを強調した上で実定法の定めを無視して公法関係という理由だけで排除する考え方は存在しない。事案を妥当な結論に導けないと意識される。最高裁の判例から具体例を。その問題が公法領域か私法領域かが決め手になる訳ではない。自衛隊員Aが公務で死んだ。国を相手方として被用者である国が債務不履行にあたるとして損害賠償請求を。労働契約での安全配慮義務を。契約違反をしたので事故が。損害賠償請求を事故から6年経過してから提起した。時効が関係する。債権は10年間行使しないと消滅するのが民法。会計法30条。国に対する権利で金銭の給付は5年間の時効。これを前提にすると損害賠償請求は消滅時効にかかる。民法の適用が会計法の適用か。昭和50年2月25日。会計法30条が短い時効を定めた理由。金銭の給付につき国の権利義務を早期に決済するなど行政上の便宜を。考慮する必要がある金銭債権につき適用を。会計法30条の短期消滅時効が適用されるかは国の権利義務を早期に決済する必要があるかによる。所得性などの還付請求については租税収入を早期に確定させる必要が。国が安全配慮義務違反を理由にするのは多発しないので行政上の便宜を考慮する必要がない。国に対する損害賠償請求は民法167条1項により10年の時効と解すべき。広報関係とは関係なく、条文の趣旨といったものを勘案して結論を出している。行政法では学習の中心は個別法の基礎となる通則の部分。3つの類型に。公法と私法の関係の理解。
そもそも行政は何故必要か。行政法の具体例を挙げながら。特徴を掴むには他と比較して。民法などの民事法や刑法などの刑事法と比較。自動車の運転免許制度。個別法の1つとして道路交通法。自動車などの運転に付き運転免許制度。交通事故の加害者。民法上や刑法上の責任。損害賠償や処罰があれば運転免許制度は要らない?あくまで自動車事故が起こってからの話で、それだけでは不充分。死亡事故は珍しくないから、国民の生命や身体を守る制度として不充分。事故が起こる前に予め禁止して、運転免許を与える。道路における危険を防止するなどの公益を。自由を規制して公益の実現を図る。規制行政。行政法が必要とされる理由の1つ。民事法や刑事法と違って事故の予防をして国民の生命や身体などを守る。しかし規制行政だけではない。国民に利益を与える仕組みも。生活保護制度。生存権に基づく。金銭を給付。生活保護行政。サービスなどを提供、給付行政。意味は?国民に対し最後のセーフティネットが。生存権を具体化して憲法上の権利を保障。セーフティネットという公益を。行政法とは人権の実現に不可欠。行政法を設けるのは国家の自由?行政法は公益を実現するために国民を規制するので要らない?公益の実現を図るのは国家により重要な義務。国民の生活の安全が図れない国家。過小保護の禁止。交通事故が多発しないように。公益を実現するためなら行政は何をしても良い?行政法が限界を画する。普通法というのは取り締まるために存在していると思いがち。それだけではなく法は統治を行う権限の行使を縛る側面。法の両面拘束性。行政活動を規制し国民の権利や自由などを確保する側面が行政法にはある。表現の自由など憲法上の人権を規制する不法な規制。過剰介入の禁止。立憲主義の現れ。