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若者から中年への移行期 -いつまでも大人になれない若者たち-(中高年の心理臨床第2回)

大人になれずに身体だけが老年期に差し掛かる人間は増加していくかもしれない。

 

倉本英彦。医療法人社団北の丸会歌舞伎町メンタルクリニック院長。若者から中年への移行期。今日の若者の現状。各種問題行動のデータから全体像を。大人になるということ。ポスト青年期。英国の文献。大人になれない若者。若者、移行期、おとなになること、シティズンシップ。
若者の状況。0から29歳、29%。毎年漸減。若年層。生産年齢人口。それも減っている。高年齢層は増加。少子高齢化。出生婚姻。第一次ベビーブームと第二次ベビーブーム。成長が鈍化。合計特殊出生率。49年に4.32人だが低下傾向。どの国の現象でもない。平均初婚年齢の進展。生涯未婚率も上昇。男性の3割女性の2割。晩婚化と未婚化。死亡。自殺、不慮の事故、悪性新生物と続く。自殺は飛び抜けている。性感染症。09年のエイズ患者。約9割は性的接触で。
若者の教育。学校教育人口。10年には総人口の15.3%。高等教育機関。310万人。進学率は上昇。10年度は56%。卒業人口の内60%が就職。イジメ。攻撃を受けて精神的苦痛を感じている。学校の内外を問わない。09年度は小学校中学校とも3万件以上。合計7万件以上。14パーセント減少。滋賀県大津市のいじめ自殺事件。文部科学省は緊急調査を。前年度の2倍を超える。生命身体が脅かされる事例は278件。不登校。したくでも出来ない。病気や経済上のものを除く。1年間に30日以上。中学校は10万人以上。中学校で2.8%。依然として学校教育で大きな問題。原因。人間関係、親との関係、学業不振。高等学校、5万人以上、1%以上。高校中退。09年度の中退者は5万人以上。在籍者の1.7%。学業不適応、進路変更。義務教育ではないので欠席が続くと原級留置となる。転校したりする。フリーターなどの社会的弱者になる可能性が。
若者の労働。10歳から29歳の内、10年々平均の58.8%が就労可能人口。非正規雇用の比率。15歳から24歳で30%以上。新規学卒者の就職。大卒が60%。卒業後すぐに就職することは困難。3割が進学も卒業もしてない。失業状況。若年失業人数、90万人以上。若年失業率は常に高い。20年未満の低学歴層と低年層ほど正社員になれない。離職状況。離職した30歳未満の。23%。全労働者の16%より高い。07年の新卒3年未満。大卒者30%以上。労働条件。10年6月。所定内賃金。男女差。正規雇用者1.39倍。正規雇用者と非正規雇用者。1.4倍程度。年齢による差。若年無業者、フリーター。15から34歳の、パートまたはアルバイト、完全失業者の内探しているのが。希望形態。10年には183万人。無業者は60万人。非求職理由。病気、資格試験の勉強、自信がない。学歴の低さとフリーター非正規との相関も在るし、所得と学歴の相関も在る。引きこもり。10年2月に15歳から34歳に引きこもりの実態調査。狭義の引きこもり23.6万人。広義の引きこもりは60万人以上。狭義はコンビニに出るのも含む。広義の場合は自分の趣味の外出も。環境適応や対人関係の問題。問題行動。薬物乱用。覚醒剤や大麻。合成麻薬。暴走族等の非行集団。校内暴力。6万件以上。小中では過去最高。03年以降増加傾向。イジメ。10年に警察が扱った事件は100万件以上。校内暴力やイジメは重なっている。家庭内暴力。少年による6000件。保護者が訴えることは少なく、民事不介入の原則もあり過小評価している可能性。不良行為、家出。飲酒喫煙深夜徘徊。自殺。10年に30歳未満の自殺者は3700人。
大人ということ。大人とは何か。大人になるということ。大人=成人、一人前か、子供の対概念か。各界の著名人の意見を。玄田有史。わからないながらも何とかデキる人。菅野仁。1つの輪郭を与えながら器を充実。山田昌弘。大人になる年齢に格差。条件が分節化。苅谷剛彦。そのときに自分が選んだことを引き受けて次の選択を。浜田寿美男。手持ちの力を使う中で力を養成する。半ばは決まっているが半ばがどうなるのか分からないという有遇性を忘れない。生物学的大人と文化的大人にギャップが。生物として成熟するだけでなく人間関係を身に着け共有する。吉沢夏子。さしあたって男または女になること。現実をそのまま受け入れること。島田裕巳。イニシエーションなき現代の社会で、信じやすい心と疑う心。選挙の時に一票を。武田徹。自分のことを自分で決められて自分で責任を取る。紅野謙介。多くの不満を抱えていた自分は映画の世界で大人は悪くないと。斎藤環。佐藤健志。歴史と出会うこと。社会を見出すこと。西研。大人になること=就職結婚ではなく、持ち場を担うことや人生の主人公としての感覚。
ポスト青年期の変化。90年代から若者の雇用が不安定に。成人期への移行が長期化。かつて独身貴族、パラサイトシングルなどと呼ばれる。00年代から社会的弱者と。宮本みち子。職業生活の基礎固め、親から独立し生活の基盤を。義務が果たせるように。しかし困難に。大人になれない若者たち。若者の移行過程。英国で92年に「若者は何故大人になれないのか」。自立した大人への移行がどのように形作られるか。シティズンシップという概念を。自立した市民にどうやってなれるか、経済的要因は?福祉資本社会において暗黙に与えれれる権利と責任。社会に参加する状態へと移行。青年期を通じて権利は徐々に獲得される、完全な参加とシティズンシップは性別などの社会構造の不平等性により決定。大人への移行が如何に構造化されているか。公的領域における、労働市場との関わり。教育制度の拡大。学生集団という移行的地位。依存を長期化させる。地位の不平等も生じる。教育制度自体の内部に階層を。労働市場も変化。所得の喪失変動を。シティズンシップの権利は社会保障を通じて。若者の社会的シティズンシップの獲得は家族の。成人の自立を達成するために賃金の獲得は重要。国家の制度という影響が。家族への依存を求めている。親子の勢力関係は変化。徐々に親の統制から離れる。大人への移行は家族の中から。労働市場や住宅市場に公的な接点を。家を離れることと結婚するとは意味を持っていたが、労働関係の複雑化などで大きく変わる。もはや大人の達成を意味しない。家を離れることが経済的自立などを求めないものに。国家や家族のの圧力により構造化。シティズンシップの労働、婚姻、福祉制度などのアクセスできない。
若者時代を振り返り、どのように大人になったか、またはなっていないかを。

 

中高年の心理臨床 (放送大学教材)

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