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大学の危機管理(大学マネジメント論第12回)

大学の場合は組織外の社会への影響が大きいので、危機管理は広範囲にわたる目配りが必要なのだろう。

 

山本眞一。大学の危機管理。危機管理が大学のマネジメントに重要。重大なリスクを予防し、起きた場合に組織的対応を的確に。対応方策を誤ると重大時に。本来組織が目的を果たすのに必要。公益的であるからこそ重要。大学をめぐる様々な危機に対する方策を。
危機の諸相。東日本大震災。各地の大学に大きな影響を。設備などに直接被害を。支援のための人員派遣などの派遣、学生への対応。津波や福一の影響。大きな教訓を残す。想定外の事態であっても適切に対応しないと社会システムが危機に。様々な被害を経験して。危機管理については事前対応の問題と事後の対応の問題に。危機管理の概要。危機管理マニュアルを。リスクマネジメントなど。リスクについての対応と影響を最小限に。
備えを為すべき危機。様々。その全てに完璧を期すのは不可能に近い。資源の制約も考慮するバランス感覚が。例えば絶対に壊れない自動車を作ってしまうと車体が重すぎることに。学内のトラブルを皆無にしようとして登校を禁じれば教育研究が成り立たない。内容を円滑にすることと危機を防ぐことを。危機は起こりうる確率を被害の規模。それらの積が大きいかどうかを判定する。可能性が低くても被害が深刻なもの。慎重な備えが必要。不祥事は小さなものでも積み重なるとダメージに。大災害の備えは地域社会などの協力も。日常的なトラブルの多くは当事者間の解決が求められるものも。処理を行うものは何かを慎重に選択することを。大学経営や教育研究での。
大学経営をめぐる危機管理。組織の存続。収支の悪化。学生の減少。行財政改革の圧力。財務的観点に留まらず組織の存続問題に。私立学校については経営破綻に。研究報告書。少子化地域の過疎化、競争の激化。金融資産の減少と借入金の依存。経費の硬直化、マイナスイメージの発生。学生数の減少。問題が深刻になる前に手を打つ。私学事業団や文部科学省の協力も。国立大学の場合。行財政改革などを理由にする組織の見直し要求が。6年ごとの中期経営計画。毎年の予算編成と関連がある。法人化以降は。私立学校では深い根がある。国立大学の場合はイネ科の植物のように根っこが深くない。強い風が吹くと倒れる。多額の予算があっても存立基盤は不安定。問題への対処は適切な運営とともに政治的環境を。地域社会などにも役割を。大学の主張を各方面に伝える必要。大学支援団体の役割も重要に。教育活動について。入試の不祥事。大学入試への特別な目。学生の質を、卒業後の就職に。入試に厳しい目が。学生の事故の対応。突発的事案への対応も。教育活動そのものの危機管理。学生による授業評価。ますます大学経営の根幹に。商品の性能は経営さえ左右する。教員の授業内容や方法、過度なアカデミックな内容を強いたり世の中の動きに関わりない内容を。職員の中にも、教育活動への関与に消極的な人が。大学の魅力づくりのための教育の。専門職としての教員。社会からの高度な付託に応じる。大学の義務なので教育活動に積極的関心を。内容改善だけではなくセクシャルハラスメントなどのハラスメント問題など。組織的対応の確立を。研究活動と危機管理。研究施設の事故。特に自然科学系。安全管理と事故後の対応。大学関係者が積極的発信を。不適切だと、例えば放射能漏れなど、深刻な危機に。研究活動の多様化、研究上の不正行為。自由な立場で新しい知識を。実施にあたり規則に囚われてはいけないが、様々な制約が。学会の自主規制など。遺伝子組み換え。各種の社会調査活動も慎重に。研究費の不正問題は深刻な問題。個々の研究者はルールに従い支出を。必要な処分も。競争的資金が増えて多額の資金が集まると深刻に。ペナルティが厳しくなっている。研究費配分システムも問われてくる。研究活動については利益相反の問題が。利益相反とはある大学の規定によると産官学連携活動で大学の責務よりも第三者の利益を優先させる行為。教員個人と大学の利害の問題。教員が個人で資金を受け取るなど、個人の利害と大学の利害が一致しない。知的財産権の管理と研究。顕在化していないとしても今後の課題として。
危機への対応。一旦起こってしまった危機への対応。明確な責任体制などの確立。トップの方針の浸透が必要。現場の管理者が勝手に判断し互いに矛盾することが。各大学ではマニュアルなどで対処方針を定めている。マニュアルで決めたからといって、想定外のことが起こるのが普通。想定外の事態では誰がどのように対処するか、意思決定は誰かするかなどを。連絡体制の整備。様々な通信手段を用いて。一見それらの手段で大丈夫?通信手段も大きな障害が出ていると考えたほうが良い。携帯電話だけに頼るとして、災害などで通じなく成ることが現実。複数の連絡手段の整備を。集合する場所や非常時の連絡体制を。危機管理と広報、しばしばマスコミの大きな関心時に。広報体制。公開非公開の基準と素早い意思決定。大学経営上非公開であるものと、進んで公開することと、逡巡することをしない。広報体制の不備を知らしめる場合に、日頃からの業務の積み重ねと他の経験から学ぶことと。
危機管理の在り方と課題。具体例に学ぶ。東日本大震災は今後の大学の危機管理に示唆を。震災後まもなく震災対応シンポジウムの内容から。被災地域の大学からの報告など。マニュアルの再点検など。阪神淡路大震災時の大学の対応も。被災地域の大学の対応。大津波が。福一の事故。広範囲の影響。岩手宮城福島に大きな物的被害が。他の地域にも相当の被害が。液状化と津波の被害が、文科省の被災大学は100以上に。国公立大を含まずに。被災地の大学では教職員を招集し学生の保護を。必要な食糧などの配布を。大学として組織的な危機対応、復旧活動を。学事日程の変更。私学団体などの対応。文科省の対応。外国人留学生の支援など。学生の安否確認。連絡先を再確認。通信手段の途絶でも。施設の開放と学生地域住民の救援。学生は勿論地域住民の受け入れも必要。予めどうするかを決めておく。場当たりでなく。マニュアルは作ればそれで良いわけではなく、内容や行動につき意識づくりを。危機はマニュアル通りにいかない。大学全体としての方針と整合性を。対策本部や食糧飲料水電源などの確保。大学本部の建物が倒壊すると対応ができない。本部は耐震対策を。キャンパス間の通信を。予めの備えが必要、全ての内容を網羅しているわけではないが。危機管理は文書を作るだけでは不充分、齟齬の無い危機管理を。

 

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