F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

進化心理学と社会心理学(現代社会心理学特論第13回)

偏見や差別はなくさなければならないけれど、何故発生するのかを見つめることも必要。

 

森津太子。進化心理学と社会心理学。行動経済学や脳神経科学。分野の考え方が与えた影響。進化論と心理学の関係は?普通、進化論で問題になるのは生物の外見的特徴や問題傾向。心理面まで影響が?ダーウインは「種の起源」で心理面も予定していた。遠い将来、遥かに重要で新たな研究分野が。心理学は新たな研究基盤に。少しずつ獲得されたと。人間の起源と歴史についても。ウイリアム・ジェームズも。心理学者が進化論に着目するのは目新しいことではない。進化論の考えを本格的に導入するのは80年頃から。現在まで進化論を基盤とした心理学は著しく発達を。進化心理学。社会心理学にも大きな影響を。人間は社会的な動物。他者と関係して乗り切る。社会心理学と進化心理学の関係。
進化心理学とは。心の働きは進化の産物。現代進化生物学のアプローチを。進化論で。一般に進化論では、あらゆる生命は生活環境に適応して進化。有利な特性を持つ個体は生き残り子孫を残し生き残る。自然選択自然淘汰。自然選択は外見的特徴や行動傾向について。キリンの長い首の例。進化心理学は行動の背景にある心理的背景についても。現代の人間が持つ心理的傾向も。新たな視点をもたらす。至近要因でなく究極要因に。究極要因。進化的意味。進化的適応など。一般的な心理学ではもっと時間的に近い。至近要因。生活習慣病は脂肪を含む食糧。様々なものが。脂肪を好む傾向があると考えたり作り出す生理的メカニズムを。至近要因。脂肪を好むことが生存確率を高める。究極要因という。進化心理学的な考えは、メタ理論として機能する可能性が。社会心理学は社会と密着しているので蓄積性がない。散発的に。研究相互の関連性に乏しい。理論的枠組の不足。社会的認知アプローチ。1種のコンピュータと。一定の成果を。全体をとりまとめる力を。しかし万能ではない。主に個人内。社会を扱うのに不向き。人間行動の原因として情報処理過程に。至近要因を。進化心理学は究極要因という視点を。メタ理論的枠組を提供。社会科学を総合的にまとめる。人間が持つ様々な心理メカニズムについて何故持つに至ったか。HowだけでなくWhyを。これまでは人間の性向に対してどのようにを着目。そもそも自尊感情を維持しようとするのか、適応とどう関係するかを。見過ごされてきた現象を見いだしたり。論理的帰結としてある種のものは生存に有利。既存の知見を総合するだけでなく新たな学問分野を。
環境とは?生物が適応しなければならないのは自然環境。個別の個体が集団生活を営むことで立ち向かう。自然環境というよりも社会環境が進化的課題。霊長類における大脳、新皮質の。社会性に関連している?脳の重さは体重と比例するが、霊長類は脳が大きめ。脳の維持には大きなコストが。消費されるエネルギーが格段に大きい。小さい方が有利なはずなので、コストに見合うメリットが。ダンバー。大脳新皮質の大きさを社会集団との関連で。両者の間には集団の大きさと大脳新皮質の重さは比例。社会脳仮説。霊長類の大脳新皮質が大きくなったのは社会集団のサイズが大きくなったから。社会的生物は集団生活を。協力することで繁殖率を高める。一方で生物には高度な知性が。社会環境では対象も知性を持つから。個体間の関係性に対処を。身近な人々との人間関係。それがあるからこそ生き残ってこられた。知性の発達が見られた。人間の進化の過程を。進化的適応環境としては更新世の時代に。狩猟採集民。150人くらい。プロセスは遅い。更新世の時代の適応。現代の環境には適応的ではない可能性が。
進化心理学的アプローチ。進化的適応や究極要因から。社会心理学の中でも新たな展開を。偏見や差別の問題を進化心理学的視点から。社会心理学の中で長い歴史を。膨大な研究が。これまでの研究はいずれも文化的背景の中でという前提。もっと生存に関係したものとして。自然選択された心のメカニズム。身体的健康を脅かすものとして感染症も。感染症は有史以前から多くの割合を占める。身体には免疫システムがあるが、病原体への接触を避けるメカニズムが。偏見や差別を感染症を回避する心のメカニズム。病原体を持っていそうな人を避ける。しかしその判断は不可能。不確実な場合は危険でないものを危険とする方向に心理の歪みが。その方が生存上に有利。感染症に罹患している少しの手がかりに過敏となり避ける心の働きが。様々な容貌の変化を。平均的ではない容貌に過剰に反応する心の働きが発達。外集団遷移。外部の集団への危険性。所属していないメンバーは見慣れない。病原体を持ってくる恐怖に。全て仮説であり検証が必要。妥当性はある程度は実証されている。障害者や老人、肥満者、外国人。実験中に感染症への恐怖を高めると偏見の度合いが高まる。妊娠初期の女性。一方でリスクを低減すると偏見は高まらない。実験中にお手拭きをするだけで偏見の低下が。正しかったとしても偏見や差別は仕方がないということにはならない。現在にあっては様々な弊害を生む。脂肪の過剰摂取が生活習慣病のリスクを高めるのと同様。何に由来するのかを突き止めコントロールを。罹患するリスクが。感染症予防を徹底すれば良いとする考え方もある。

 

現代社会心理学特論 (放送大学大学院教材)

現代社会心理学特論 (放送大学大学院教材)

  • 作者:森 津太子
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2015/03/01
  • メディア: 単行本