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都市と社会的不平等・貧困(都市と地域の社会学第15回)

小中学校と教員が社会党系だったので子供時代から少しは知っていたが、なかなか解決は出来ていないらしい。

 

北川由紀彦。都市と社会的不平等と貧困。幾つかの回で都市は多様な人々が。社会的不平等が具体的に。貧困はそれ自体が社会的介入の対象に。寄せ場労働者。在日韓国朝鮮人と日経南米人を。
社会的不平等と貧困の関係。個人が求める社会的資源。希少な資源が。金や権力など。保有できる人とできない人。不均等な保有状態を社会的不平等と。機会の平等と結果の平等。社会的資源を得る機会が平等に。教育達成や就職に際してどうすることも出来ない属性。年齢や性別などで成否が影響されない状態。結果の平等。社会的資源の分配それ自体が均等に。場合によってはそれぞれの力に合わせて。同じ企業の人が貢献に応じて昇給するなども含めることがある。現実の社会においては平等が実現している状態は存在しない。どれくらいなのかが問題。社会的不平等の生成のメカニズム。不平等の度合いや動向が影響。ジンメルなどの議論。都市こそが近代の性格が現れる。人口の多様性の度合いも高い。都市は人口の多さなどで社会的不平等が具体的に。
異質性と不平等。都市の外部。周辺の村落などから人口の流入が。内部において社会的分化が。水平的分化と垂直的分化。序列化出来ない尺度。順位付けが出来ない尺度で多様性が。都市内部の人口構造。年齢などが多様化。人口の異質性が。垂直的分化。序列化可能な尺度による分化。収入など社会的地位の差異が。不平等に。2つの分化は原理的には独立している。だが実際には水平的分化は垂直的分化を伴う。外国人の経済的分布。日本人の分布よりも下層になる。差別などで職種が限定されたり雇用形態が日本人と異なる形に。
不平等と貧困。社会的不平等や拡大を何処まで容認するか?結果の不平等が貧困に。貧困が増加するのは良いことではない。貧困の人々の生存を脅かす。安定性を損なう。何らかの社会的介入が。貧困化を防止するために社会保障、セーフティネットが。そうした制度は充分に機能したわけではない。そうした制度はある人々を社会的に包摂する一方で排除する人も。ある属性を持つ人を下層の部分に。
日本の都市は少ない数の貧しい人を抱える。身分制度が廃止された明治維新以後は村落から都市への移住が。都市の内部における都市下層の人々の大量出現を。劣悪な住居。長屋や木賃宿。宿泊施設だったが貧しい人が長期間宿泊し事実上の住まいに。貧民街やスラム街の実態。様々なルポルタージュが。各自治体による調査も。膨大な量の。戦前の東京における都市下層の調査。戦前においては世帯内の扶助機能を強化する。少ない収入を持ち寄り。戦後も都市には戦災で住まいを失ったり。高度経済成長の中でスラム改善施策などで底上げが図られる。一方でいわゆる都市への移住者が。60年の社会調査のデータ。東京出身者と地方出身者の職業。自営業主やホワイトカラーが東京出身者。地方出身者は中小企業のサラリーマン。学歴。高学歴者の場合には差がないが。中低学歴。販売や現業労働は地方出身者が多い。移住が大きな契機になるのは進学と就職。中低学歴の人々にとり下層に組み込まれる。都市移住者は同郷団体やその他の集団。趣味やスポーツ、宗教による相互扶助で基盤を形成。階層的上昇をある程度達成する。都市においては住宅政策や福祉政策や網の目から漏れる人々が存在してきた。典型が寄せ場労働者。寄せ場を介して就労する日雇い労働者。寄せ場は公園や路上、一定の地理的範囲、日雇い労働者の街。就労場所の周辺には職業紹介所や簡易宿泊所、食堂やコインランドリーなど施設や店舗が。広義の寄せ場。大阪の釜ヶ崎や山谷、横浜の寿町など。主体的に集まる側面を重視して違う名称も。人足寄せ場は江戸時代だが異なる。仕事を求める人が資本に吸着される。寄せ場は高度経済成長時代に製造業の増え続ける労働需要を。都市内部の失業者などを含め膨張。荷物を積み下ろしするのに膨大な人手が必要。コンテナが普及し機械化も。就労先の産業は建設業に特化。人手の部分が大きい。重層的な下請構造の最末端に。朝に就労して日雇いの他にも形態がある。数週間までの雇用契約。寮に入り出張という形態。同一の業者の中で。直行。仕事の不安定な面では大差ない場合も。一定の熟練や技能を持つことが相対的安定に。如何に熟練者であっても加齢などでたやすく失業の危険と隣り合わせ。寄せ場労働者の生活。居住の不安定性。簡易宿泊所など。定住形態は就労の不安定性に規定される。明日も同様に仕事につけるかは分からない。飯場に入ることは生活の場面においても管理下に。居住環境が劣悪だったり多額の天引きに。求人が少ない時期には飯場に入ることを選ばざるを得ない労働者も。就労地を移動する場合も。需要に応じて移動。宿泊分の料金しか必要がない。就労の不安定性故にアパートなどが困難に。住居を喪失する危険と隣合わせ。貯蓄を切り崩したり援助を受けたり。管理宿泊所の場合は支払いが出来なければその日から。野宿も。青缶。住民票を置くことも難しい。公式の住民とされない。90年代の日本の大都市。ホームレスの増加。公園などでダンボールで寝床を作り寝床に。可視化。ホームレス問題。東京大阪名古屋で大量調査の結果。寄せ場労働者として長年働いた人がかなりの割合に。地域からも住民とされない寄せ場労働者が労働市場と社会保障からの排除され。90年代後半からはホームレス対策として自立生活センターなどの施策が。ホームレス自立支援法が制定。ホームレス対策に国から財政措置が。00年代からは施設に入居したりする取り組みも。17年時点で野宿者が減少する傾向。居住環境などが劣悪だったり再就職が上手くいかない人も。日常生活での社会的孤立が。支援上の課題。
外国人と貧困。00年までは在日韓国朝鮮人。戦前に本土に来た人の子孫も。移動についての法的制限はない。ただ職業的地位達成は日本人と異なる。就業者全体でも自営業者の割合が非常に多い。自営業主の比率は2倍程度に。労働市場において在日韓国朝鮮人に対する差別が存在する現れ。在日韓国朝鮮人の中には零細自営業主からの地位達成が。所得が低いわけではない。高齢による貧困化のリスクは高い。国民年金。だが82年に国籍条項が撤廃されるまで加入が出来なかった。在日韓国朝鮮人の中には無年金者が相当程度生じている。生活保護受給に至る人も少なくない。日経南米人。90年代から急増した外国人。ブラジルやペルーなどから。89年から91年にかけて特にブラジル人が急増。日系人が多数。移民やその子孫。背景には90年に入管法が改正。日系人2世3世に単純労働の事実上の合法化。大規模に公然と雇用可能なので製造業へと集中。居住地は工業都市に集中。しかし殆どは非正規。請負元から送り込まれて派遣労働者として。出稼ぎ労働者などの一部が日経南米人に。出稼ぎの拡大。南米の人間の募集などから越境する雇用システムが形成。日経南米人に特化した労働市場が。単身男性が多かったが、貯蓄額は伸びなかった。家族を呼び寄せる人も増える。他就労世帯化。日経南米人世帯の収入は就労中は収入は低くない。しかし長時間労働の結果。時給計算では日本人より低い。稼働率が収入に直結。05年末から1年間の給与額の変動。自動車労働会社。12月は30万円。半分は時間外。1月は給与が11万円。2月は40万円だが、30万円は時間外。極端に増えたり減ったり。働けるだけ長時間労働にも。不安定な労働形態。08年秋から真っ先に解雇や雇い止めに。失業率は40%に。日本政府の事業で減少する。残った人については仕事自体が減ったことによる貧困化が。世帯内で教育投資ができなくなる。在日南米人の子供に進学格差が。就職機会を通じた社会的格差にも。放置されば貧困の再生産が。下層化の危険性。
社会的不平等の具体例。中流層を生み出したが下層民も。寄せ場労働者。排除されている。高齢化や傷病。大量の寄せ場労働者が野宿に。生活困窮者対策で野宿者の数は減ったが、経済的自立や社会的孤立については課題が。在日韓国朝鮮人。社会保障から抜け落ちる。日経南米人。日系人に特化した労働市場。何年も不安定な状態に。世代を超えた貧困の再生産が。少子化による労働者不足が懸念されているが、今後も外国人の受け入れによる貧困層の形成は避けられない。貧困の深化が。社会的分断を招く。異質性をどのように?

 

都市と地域の社会学 (放送大学教材)

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