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各論(6) 言語連想法(投影査定心理学特論第11回)

人の性格を把握するのは難しいし怖いと感じる。

 

青木佐奈枝。言語連想法。投影法の1つの技法。言語刺激から。SCTと言語連想検査を。こころ、とは?発した本人が不思議に思う言葉が出てくることも。同じ単語でも思いつく内容は異なる。もう少し長く描いてもらう、個人差が広がる。試験で作文や小論文が。どれ1つとして同じ内容ではない。広がる世界にはその人らしさが。個人の発想思考に着目。
SCT。最もよく使用される。文章完成法。自己記入式の。比較的少ない刺激文。単語が予め書かれていて思いつくことを自由に。書きかけの文章を完成させる。分析してパーソナリティの把握を。医療など幅広い。歴史。19世紀後半にエビングハウスが作成。最初は知的能力の把握のため。20年代にアメリカで様々な研究者がパーソナリティテストとして。30年に。ケンドラー。刺激語20項目のリストから個人差を。キャメロンが38年に精神疾患の過程を。サックスやホーラーらが続く。60年代になると人種別や年代別も。把握したい内容もそれぞれなので各臨床現場ごとのSCTも。日本には50年代に。被収容者用の法務省によるもの。構成的文章完成法など。
生検式SCT。60年に。成人用の他、刺激文は短文。合計60項目。具体的項目。家の暮らし、私の父など家や家族に関する。自分に関する項目。その他の概念についてなど様々な刺激語が。パーソナリティの把握の仕方。包括的多面的重層的と捉えて4つのモダリティに。力動的側面など。3つの要因で。現在はパーソナリティを5つの側面から。力動など。刺激文を側面ごとに。しかし単純ではない。環境側面の刺激文。数量化は原則としてしないが8つの符号評価を。内容を読み込む解釈法。構成的文章完成法。KSCT。対人態度の把握。肯定的か否定的か。刺激文が比較的長文。ホーラーの元になったもの。法務省のSCT。
特徴。自由。対象に応じて刺激語を工夫できる。短文にも長文にも。可変性がある。一人称か三人称か。回答を限定したり出来る。短いと自由度は増す。把握しようとする対象により工夫を。生活に密着した刺激文を。刺激が言語であるので把握がしやすい、より論理的な思考を刺激する。多角的にパーソナリティアセスメントが。思考傾向が明瞭に示される。反応の中に何とか云々、など。文の論理性を見ると思考の問題を把握できる。文法の誤りが多かったりすれば何らかの思考障害が。言語刺激であるのでコントロールが可能。意識下のコントロール。時折前意識的葛藤が。個別での実施も集団でも可能。家に持ち帰り書くのを望む人も、1人では落ち着いて書けない人もいる。対人緊張が強いクライエント。最初から語ることは難しい。少し自己開示が出来るなら導入として。設定も出来る。継続面接に導入。本人の負担を考える。
SCTの施行法。書きかけの文章が並んでいるので文章を完成させる。ひたすら先へ。ボールペンや鉛筆を推奨する先生がそれぞれ。ボールペンでは躊躇も含めて把握が可能。鉛筆では筆跡からの情報が。解釈。決まったものはない。質的分析が中心。全体の印象をまず捉える。しかしそれだけではなく丁寧に読み込む活動が。どのように書いたか、形式分析。内容分析。両者とも様々。形式分析。書き方。後回しの項目の有無や内容。何らかの法則性があるかも。家族について。家族問題は言語化に抵抗が?脱字などの有無も。義務教育で漢字を書けずひらがなで、原因を。人物理解につながる。文章の量もポイント。2行に渡り隙間なく、単語だけ。本質的内容を避けるために長文を書く場合もある。刺激語によりムラがある場合には法則性が。文章の内容や自己開示レベルも重要。表面的か深い内容か、防衛を見る。書かれた内容が表層的内容に、防衛的?心理面接の導入として。子供の頃はいじめられっ子。思い出して胸が痛む。自己開示度がどれほどあるかを見る。面接で取り上げる。言語化出来る問題かどうかを。筆跡からも様々な情報が。筆圧や文字の大きさ。枠に収まっているかなど。薄くて小さい字で。筆圧が有り大きな字で。絵画と同様に文字においてもエネルギーが高いかどうか。乱れがなく文字が並んでいると几帳面か?筆圧がまちまちの場合は自由か気分のむらがあるか。組み合わせて解釈を考える。持続性や防衛の問題など様々な可能性も。被検査者に持ち帰ってもらった場合の紙の扱い。内容の分析も重要だが。内容分析。SCTに数量的な方法はない。パーソナリティの把握においては反応文、言葉そのものを重視。重層的に把握して全体像を把握する。内容をどこまで丁寧に読み込むかで質が。主訴にもよるが、自己像や自己概念や対人関係。家族異性同性に分けて。くまなく情報を読み込む。よく人から無口だと言われる。言いたいことが言えないなどの記述。対人関係が強くシャイ。自分でコンプレックスを持つ。しかしこれに、友人ではお調子者という記述が。緊張が異なるという解釈仮説が。
言語連想検査。ユング。選び出された100の単語を刺激語として自由に言ってもらいそれを分析してコンプレックスを。言語連想課題。困難なものとして感情や衝動を。コンプレックス。直結する刺激語に対し言語反応だけでなく反応の乱れ、反復など。乱れを分析の対象に。元々はコンプレックスを把握するためではない。03年頃にチューリヒにおいて上司の勧めで言語連想法を。精神病理の研究のため。精神病理をするには不充分と失敗に。しかし実験の中で。元々は精神病理の診断のためだったが、後にパーソナリティの把握に。精神病の取り組みの副産物として。ユングの言語連想検査。名詞や動詞などの刺激語が様々。身体に関する、自然に関する、動物。現象や概念。ややアグレッシブな動詞。形容詞も様々。どのように選択されたか。意味のある刺激となりやすいように。施行法。最初の教示。各々の単語から最初に思いついた単語を。検査者は反応語と反応時間を測定。時間を測るタイミングが細かい。再生実験。反応を覚えているかどうかを調べるために再生をさせる。100の刺激語を読み上げて、思い出すことが出来るかなど。何らかの混乱や困難さを。どの刺激の時に難なく思いついたか。解釈に用いられた指標。反応態度の乱れ。反応時間。オリジナル版では1秒を5単位として。男性の反応時間は6から7が平均。女性は教養ある女性。8から9が平均。前半と後半の中心地も。コンプレックス。再生できなかった反応、聞き間違い、言いよどんだりする反応、言い間違いなどが重要ポイント。意味が不明、無意味な。2つ以上の、同じ言葉も。コンプレックス指標がどのように表出されるかで解釈を。
臨床現場でどのように使用されているか。11年の調査。SCT。第3位。常に頻繁に、4分の1、時々も含めると過半数。自己記入式であり手軽に使用できる。テストバッテリーを組むときにも取り入れられることが多い。ロールシャッハも含めると人物理解が可能。SCTでは対人関係に難がなくてもロールシャッハ・テストで逆になることも。プロトコルを詳細に読み込む。言語連想検査。同じ調査では41検査中37位。コンプレックスの把握をするには有効。

 

投影査定心理学特論 (放送大学大学院教材)

投影査定心理学特論 (放送大学大学院教材)

  • 作者:小川 俊樹,伊藤 宗親
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2015/03/01
  • メディア: 単行本