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「教育する家族」の誕生と変容(教育文化の社会学第3回)

少なくとも現段階では子育てなど男性の家事への参加は少ないと言える。まあ長時間労働を強いられている面が無くなれば少しは変化するかもしれないが。

 

稲垣恭子。多賀太。「教育する家族」の誕生と変容。子供を育てる上でどのような育児方法が良いかなど、子供の教育に熱心に関わるのは大正期になり新中間層で。戦後に一般の家庭に。親は慣習的な子育てではなく、教育的配慮のもとで。進学や学業の関心も高い。学校教育を支え補完する役割を。戦後の拡大期においては専業主婦が主な担い手に。70年代以降。母親が育児の責任者として期待されるにつれ、ストレスから教育不安に。教育ママやネグレクト。育児や家庭教育の問題が母親の問題として。父親の育児参加の議論も。90年代には育児に積極的に参加を。イクメンという言葉も。実際にどのように関わっているのかは十分な研究が為されていない。多賀太。男性の視点から。「男らしさの社会学」「男子問題の時代」など。教育する父親について。
最近はイクメンや育児する父親、教育に関与する父親。一般に育児については母親の役割のイメージ。明治以降で戦前期には父親の参加があまりなかったと通説では。近代的学校制度。政府が家庭教育の重要性を。学校の補完なので従来の多くの場合は父親の職業的知識の伝授から。教育の担い手の権威の失墜。母親が担うことに。実は多くの場合は教育書の分析から。理想として。実態はあまり良くわかっていない。自叙伝の記述などでは、父親が学校教育の補完の家庭教育に熱心に携わっていたと。具体的事例。日本経済新聞の「私の履歴書」。経済界の著名人の自叙伝ばかりを集めた。サラリーマンの頂点に立った男性たち。父親の教育。大正期。産まれた60人の。息子の立場から。高度成長期のサラリーマンのイメージよりずっと存在感があり、教育や進路指導にも熱心。書き手は父親のことを沢山書いてしまったことはあるだろうが、興味深いのは自分が父親になった後は妻に任せっきりと。それなのに父親から教育を。イメージしているよりずっと熱心。戦前は旧中間層や新中間層で違う。父親の育児参加については?違いに着目。確かに色々違いがある。父親が比較的教育熱心だったのは共通。旧中間層。職業上の財産と地位を父親が引き継ぐことにより。まずは自分の持つ職業的知識や規範やマナーを徹底的に教育。ただ学校教育には熱心ではなかった?意外にも学校教育にも関心を。1つ例を。スポーツ用品のMIZUNO。創業者だった父に。水野健二郎。子供の頃に父の事業を継ぐことが約束されていた。何処の学校に行けとか専攻は何だとか関心を持っていた。当時甲南高校で4年間の尋常科から高等科に。理科に進みたいと父親に。父は経営に有用な法学や経済学を主張。渋々と文科に志望を。父が海外に行きヨーロッパの技術が進んで理科の知識が必要と。ドイツから変われと電報を。期限を過ぎていたが無理やり変更。教育社会学者の天野郁夫。地位形成機能と地位表示機能。学歴の地位表示機能。学歴社会については地位の高い人はその手段として必要ではなくても1つの指標として相応しい学歴を。旧中間層であり父から職業的地位を引き継ぐことができても相応しい学歴をつけさせたいと。家業を継続して社会の変化の中で発展させるには、学校教育を通して新しい知識を。学校教育の重視を。父親が熱心に。新中間層。公務員や会社員、専門者。職業的な財産を相続させることができない。学歴を取得して父親のような地位に。旧中間層以上に子供の学校教育に熱心に。従来定説で新中間層では母親が主な担い手とされた。確かに日々の子供の世話や初等教育が終了するまでは母親が担う事例が多かった。中等教育以降の学校選択や勉強の仕方については圧倒的に父親が主導。大正時代では父親が教育に。例は?非常に父親主導で教育的配慮の行き届いた。現在の堀場製作所の創業者の父。物理化学者。京都帝国大学の教授。計画的な家庭教育を。堀場雅夫が産まれたとき。4歳の時に。自然に恵まれたところを。宇治山科の郊外に転居。野山を駆け回る日々を。小学校に入る直前になると京都市内に。師範学校の附属小学校に。文科に触れさせのびのびと育てる。中学生になると突然厳格な育て方を。寮生活をしているところに訪ねていき叱る。中学生の時は三等車に。質素な生活を。子供への学歴主義。途中までは童心主義。躾や生活規律を。厳格主義。様々な教育的要素のバランス。教育の配慮と戦略を。旧中間層も。意外と戦前にも父親が積極的に関与。戦後になると父親は育児や家庭に関わらないイメージが。確固としたデータがないが。自叙伝の書き手が自分は子供に何もしてない。戦後はイメージに近く父親は子供の世話をしなくなった。そういう中で父親を問題化する語りが聞かれる。3つの波。最初の大きな波。70年代から。父親不在。雇用者家族が増大して。サラリーマンと専業主婦のカップル。長時間労働と母子密着、子供の学歴をつけさせるために学力競争に特化した教育を。人格形成や躾が疎かに?父親が参加を。暗に家庭で居場所がなくなり地位が低下した父親の権威の回復を。これは今でも続く。父親不在の不安。90年代になると育児参加が?次は90年代初頭から父親の育児参加がよく聞かれる。少し大きくなった子供への躾に対して、乳幼児の世話に関わるべきだと。背景には少子化問題が。89年に当時の女性の合計特殊出生率が戦後最低の1.57ショック。育児休業法の成立。父親の育児参加についての研究。子供の発達を促し育児不安を解消させるなどの知見が。旧厚生省がキャンペーンを。00年代以降のイクメンに。育児をしない男性を批判する否定的メッセージが中心だったのが、positiveなメッセージに。言説は育児参加に。実態は?そこまで育児参加は進んでいない。11年の社会生活基本調査。6歳未満の子供が居る世帯で母親は7時間以上家事を。父親は1時間。非常に少ない。諸外国と比較してもかなり少ない。それでも5年前に比べれば2割増加。00年前後からは色々な媒体や政策文書でも。90年代後半から父親の家庭教育参加が。家庭教育の意味が2つ。主に政府の啓発文書に。躾と同じ意味。雑誌や教育産業で。子供の教育達成を父が支えようと。ビジネス雑誌で。政府は子供の健全な発育を妨げるとしているが、何の衒いもなく称揚している。09年から11年にかけて教育熱心な父親の実態を。中学受験をする子供の父のインタビューを。非常に手厚い子供の受験支援を。中学受験の受験率は地方により異なる。07年度の私立中学に通う。首都圏では4人に1人。大半は公立に通う。関西圏や首都圏に激しい競争が。中学受験を言い出すのは主に母親、次に子供。父親は1割。一度決めたら父がのめり込む。1つは受験校の選択。熱心に支援。休みの度に説明会に。文化祭にも参加。受験雑誌などで情報収集。受験校の選択や緻密なスケジューリングを。日々子供が塾に通うが。夜遅くに送り迎えを。会場での模擬試験に付きそうなど。受験勉強も自分で教える。事の合間に教材を解いて深夜に教える。全体として父親の教育参加は?進めるときの困難さや現状と課題。効果を調べた研究だと父親が関わることで望ましい側面があるが、幾つか課題も。少なくとも現段階では父親の育児参加が母親の育児不安の解消に結びついていない。働く女性の6割が出産で退職している。労働市場は圧倒的に男性中心。いいところ取りのレベルに留まっている。平等に関わり女性の社会参加にはなっていない。家庭教育ブームで男性に過剰な負担が。稼ぎ手の負担は減っていない。家計を養うのにプラスして。両立疲れが男性にも。父親の育児参加が子育て競争の激化に拍車を。母親は今まで通り家庭教育に熱心。父親がそれに加わる。教育費にかけられる家庭が増えて競争激化に。父母ともに教育に携われない。費用や時間をかけられない層との格差が。父親の役割や教育関与について。
戦前からの歴史。戦前は意外と父親が関心を。戦後には様々な現実が。現状は理想通りには進んでいない。父親母親共に仕事や家庭の両立を。格差にもつながる面も。

 

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