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公共哲学としてのリベラリズム(公共哲学第3回)

現実を見据えながら理論を読み解いていくのは重要な作法だと思う。

 

山岡龍一。公共哲学としてのリベラリズム。ジョン・ロールズ。後半部でゲストを。
リベラリズム。とりわけ西洋社会で主流な公共哲学。功利主義もリベラリズムの一部に。修正されたベンサム解釈がリベラリズム。ベンサムの功利主義を入れる。ミルの「自由論」。リベラリズムの古典。ベンサムの世論が個人の自由に危険?「自由論」で。デモクラシーを考えたときに多数者の暴政を。ミルは自由原理や危害原理を。個人の自由への介入は他人の危害がある場合のみ。自由の両立可能な最大化。リベラリズムの課題。ミルも功利主義?「自由論」を功利主義で読める?現代のリベラリズムの考え方に接近すると、個人の自立としての自由をリベラリズムの基底に。ミル以上に展開したのがジョン・ロールズ。「正義論」。20世紀のリベラリズムを代表。
ロールズの思想を。正義論。正義ということ。どのように生きるかというより、公共体、国家の構成の原理。批判としての正義。第一の徳としての正義。社会の基本構造を。社会をどのように作るかの公共哲学。功利主義を批判。目的論批判。幸福の最大化の目標を立てて実現するために個人を手段にする?そのような議論は個人の自由を尊重しない。目的から独立して正義を論じるべき。どのように?道具たてを作る。無知のヴェールというアナロジー。社会契約論の伝統を。自然状態から。原初状態。どのような正義の原理が選択されるか思考実験。ヴェールで隠してルールを決めていく。普遍的な視点が形成できるのでは?フェアな原理。自分の正義の構想を公正としての正義として理解しようと。フェアネスを表す。公正な手続きを経て考え出された正義。公正さにより正当化。何らかの不満があったとしても。制度に問題があるとするとフェアネスを通らない。共同するのがよい社会という社会観。法の支配。ロールズは普遍的な議論として。創り上げたのが正義の2原理。実質的には3つ。平等な自由原理。不平等がどのような形なら正当化を。公正な機会均等原理。結果が不平等であっても。格差原理。社会的な不平等が最も恵まれていない人間を改善しなければ不平等は許されない。無知のヴェールの元では将来の不確定性の高い状況に。合理的な選択、リスクが少ない選択を。合理的選択理論から撤回。格差原理が友愛の原理と結びつく。各人は他人を擬制にしてまで最大化すべきでないという理想。あくまで各個人は自分の幸福を追求してよいが、ルールが必要、その内容として格差原理が。結果として各個人が他者を擬制することはない。結果的にともに生きる感覚を育む。71年に発表。
変更を重ねる中で政治的リベラリズムに。ターニングポイント。ロールズが本格的に変わった?連帯の感覚が自然に?社会のことをよく秩序付けられた社会に。正義の原理が公共性の原理となった社会。正義の原理をメンバーが理解して公共的な存在に。そのような社会では正義の美徳。ある意味で正義を生きる指針に。理想的な状態だが全ての人が正義を是認する。理論的展開として出されるモデル。ところが結論を聞くと疑問が。本当に心の底から是認するのは可能か。全ての人が。期待できないならば不可能では?安定性のある社会を作るのは難しい?宗教のような。個人から国際社会まで包括的道徳。正義の原理が。全ての人が信奉するのはありえない?政治的構想。理にかなった多元性の。リベラルな社会では複数が存在する。政治的な構想を考える。公正なシステム。強制力は必要だが正統性を説明する必要がある。相互性の原理。リーズナブルネス、リーズナブルな人が拒否権を出さない。無知のヴェールの議論を再構成。リーズナブルはマジックワードで説明が大変だが。後期ロールズでは。オーバーラッピング。持つ人が色んな形で政治的コンセンサスを。全ての人が是認するようなよく秩序付けられた社会に。
パブリックリーズン。公共理性の。大澤津。元々政治思想史に興味を。中世ヨーロッパの政治思想。神が絶対であるならなぜ秩序は可能か。それからイギリスでの影響で現代政治思想を。政治的リベラリズム。公共理性の概念。政治的リベラリズムでは何がどう政治的であるかが。正義の原理。人々が則って負担を分かち合う民主主義的な社会で。政治的文化の中で出てきたから政治的リベラリズム。市民や社会の構想にビルトインされている。道徳の原理を探る。最終的には政治体制や政治文化がどういう道徳原理を。単なる道徳的リベラリズムではなく。「正義論」では普遍的なものを。それを諦めて。普遍的な原理を探求したなら。政治文化に道徳的要素を。他の正義の構想にも道徳的正当性を。道徳的原理を厳密に論証する面は後退する。哲学者として敗北?後期になり政治哲学者に。より公共哲学的に?公共性には色々な意味が。ベンサムが哲学的急進派に。アームチェアのアカデミズムではなく。後期ロールズは保守的だと攻撃を。世界正義論。自らの正義の2原理は世界的適用を持たない。アメリカの政治的現実を重く受け止め中心に考える。万民の法の限界。政策への配慮がある。公共哲学の重要なポイント。適用性を考えずに哲学的に?政治的に?公共理性。基本的にはまっとうな政治の原理を複数。宗教や哲学。しかし何らかの1つの政策を決定しなければ。まっとうな複数の原理から。理性という訳だと分かりづらい。話し方のルール。裁判官や立法。国民投票でも。政策についての様々な理由や推論の方向に一定の枠を。推論は公共的に、どんな推論なら公共性の説得があるか事前に。政策を決める際に占いを使ってよいか。一般に受け入れられない、しかし科学的推論なら。原発などの問題があるが。経済学上の原理の中では?ガラス細工のような。ポリティカル・コレクトネスと似たような。政治家ではこういう議論をするべきだと。しかし大統領選では無視される。理想的だがロジックを。ハーバーマスの議論に近い。政治的リベラリズムだけでなく正義論を含めて公共哲学としてのロールズの思想。ロールズの正義の2原理を是認する研究者は居なくなっている。差し当たりのフレームワークを。穴だらけ。労働の政策。かなり応用が難しい。概念の中には使えるものが多いのでそれを活かす。公民権運動やベトナム戦争を。実際に適用すると穴が。格差原理を導入するのは不可能、一番恵まれていない人を探すのが難問。むしろ現代に生かされるのは思考の道具。正義的リアリズム。政治理論はどういう意味でリアリズムを。世の中はどうあるべきかの原理を。距離を測り現実を。哲学者たちは世の中を解釈することばかりを?現実を知らなさすぎるだけではないか。ウルフ。どのように発生しているかの政治意識を。ロールズも解釈は薄かった。現実を知らない。政治的政治理論という単語。政治哲学。どちらに重心を?アカデミックの世界は哲学に、政治は付け足し。ロールズの場合は反証的均衡。往復運動。読み返せば対応できる。これからは方法論や議論を現在にどのように応用するかを。結論よりも結論に至るプロセスが哲学者には重要。格差原理が注目されるが、なぜその着想に至ったかを。市民的作法。どういった点から?アリストテレスがポリスを。近代になると2つを連続的に。オイコスの理解を。近代人の正義、市民のあり方を考える市民性。
リベラリズムとしての公共哲学。ロールズを読んでどのような時代の中でどのような議論を。政治的リベラリズムになぜ変わっていったかをたどる。現代の我々の状況に当てはめて、現実を研究した上で哲学を。現実を見ながら我々の公共哲学を。我々は?作り方の模範としてロールズはとても良い教材。誠実さを習うべき。

 

公共哲学 (放送大学大学院教材)

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ロールズ政治哲学史講義 I (岩波現代文庫)
 

 

 

正義論

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公正としての正義 再説 (岩波現代文庫)

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