F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

発達研究の方法(発達心理学概論第3回)

具体的にどのような研究方法がなされているのかは結果を吟味するのに重要。

 

上原泉。発達研究の方法。発達や変化の過程を見る方法。乳幼児ならではの非言語的な。他の手法や分析。
縦断的研究。同じ個人や集団を対象に年齢などを変えた調査を長期間行い変化の過程を調べる。成長や年令による変化、時間変化。学習法などの効果。追求したい内容により規模や実施方法が変わる。心理社会的要因。大規模な集団を対象にするのが望ましい。複数の実施者で手分けして。実施者間で差が無いように。大規模な縦断的研究は日本では少ない。妊娠初期から出産後11年後まで1年毎に問題行動や器質的特徴や夫婦関係、養育態度などの回答票の記入を求めて、子ども自身の行動的特徴などの要因が関連していることが示される。中規模な縦断的研究。初期の語彙習得過程の研究。数十人。約1年にわたり母親にWEB上での記録を。インタビューして語彙習得過程を。言葉を話し始める初期に言葉を発しない時期が。プラトー。頻度や語彙数の増え方に個人差があるが、1歳半までにはプラトーが無くなり語彙爆発につながる可能性が。規模が小さくなると多くの人に共通する過程につき明らかにしづらい。しかし調査の回数や時間が増えて語彙の中身など個人内での変化が詳しく把握できる。
横断的研究でも平均的傾向が。ある1時点で複数の異なる条件の人々に同じ調査や研究課題を。グループの差を。練習効果が縦断的研究には生じやすい。これらの問題は横断的研究では生じづらい。異なるグループ間で個人差を考える必要がある。比較したい部分以外の影響が及ぼさないようにする必要。協力者を多めにすると。個人内の発達の過程などは推測しづらい。3歳児4歳児5歳児。ひとりひとりの子供では成長の過程で必ずしも直線につないだ形で変化しない。個人内の発達の道筋は無理。条件で操作を行う実権をしない限り。
世代特有の効果が否か。単一の年齢集団の追及だけでは明らかにならない。出生コーホート。継続的にデータを収集することで加齢効果などを分析するのがコーホート分析。仮説データを例に。20歳30歳40歳50歳60歳の集団を対象に10年ごとにある態度。挨拶の重視度。0から100点で得点化して年齢軍における50年60年70年80年における平均得点を示していることに。本物のデータではないが。調査時点に関わらず60歳代が一番多く20歳代が一番小さい。加齢効果のみ。年齢が上がると高くなる。いつの時点でも年令による得点差はない。60年70年80年とあとになるほど平均得点が下がる。時代効果のみが。挨拶は重視されない傾向に。同一コーホート内では調査時点に関係なく、20歳だった群は60年に30歳になっても平均得点は変わらない。コーホート効果。世代効果と呼ぶ。
発達研究。子供を対象とする点に特徴が。どのような課題を実施するかその方法。主要な研究手法。実験と調査。要因の検討のため異なった2つの条件を設定してそれ以外は差が無いように統制して条件間で効果を比較する。実験には原因を探るべく意図的に操作する部分、条件設定が。因果的関係についても言及できる。独立変数や従属変数、結果に相当。研究者が特に操作を加えること無く自然に。アンケート調査など。1回限りの調査では因果関係までは言えず相関的関係しか言えない。縦断的調査、パネル調査を行うと因果的関係性の推測が可能。たまたま測っていない他の要因が原因であることはある。これらの方法をどのように子供に実施するか。調査。アンケートの形で。乳幼児には無理。乳幼児の発達の度合いなどを調べるのに保護者や保育者への調査を。本人に実施する場合は観察調査や検査を。言葉をある程度理解できるようになっている幼児については簡単な言語教授をして指差しを。用紙の上半分に描かれている図形を下半分の図形から選択させる。4才が有意に高く。簡単な質問をして指差しで答えてもらう課題なら3歳児でも充分に可能。子供を対象にした実験。言語能力に合わせ非言語的行動を。暴力行動の研究。幼児を対象としたアメリカでの実験。幼児たちを大人の暴力行動を見る条件。暴力行動を見ない。そもそも大人の行動を見ない。統制群。暴力性や年齢に差がないように分けて後20分の遊び行動を。暴力行動を見たグループが暴力的行動を最も多く。直接見る実験。映像を通してみた場合も同様の結果が。子供本人に対して実施する有効な手法として行動観察法が。事態。偶然的観察。形態の視点。協力者への関わりの度合い。参加観察法。協力者に対して存在を感じさせないようにする。非参加観察法。観察手法。時間見本法。任意の時間観察に区切り様子を記録。2人の幼児が一緒にゲームをしているとき。目を合わせる言葉をかわす行動。30秒ごとに目を合わせたか、言葉をかわしたかを。イチゼロサンプリング法。ポイントサンプリング法。具体的に。むしろ予備観察として。自由観察法。30秒を設けて観察された行為を記述。場面見本法。みたい行動が頻繁に起こる場面で生じるものを観察。遊んでいる時のやり取りを。公園での遊び行動を年齢間などで比較。事象見本法。始まりから終わりまでの過程を記録。子供同士の喧嘩。どのように始まるどのように終わるか。日誌法。育児日誌や保育日誌。動物行動学や文化人類学などのエスノグラフィーでも。組み合わせて行われることも珍しくない。観察手法での行動の記録の仕方。自由に記録する。行動描写法。こうしたデータについては記述分析が。行動目録法。予め行動があったか否か。イチゼロサンプリング法やポイントサンプリング法で。評定尺度法。起こっている度合いを評定するなど。観察を行う上では客観的に観察し記録する。寛大効果や光背効果など観察者バイアスがないように。観察者の意図が観察される者に感じられ結果が変わることも。協力者、観察される者のプライバシーも。
標準化されたテストで。検査法。知能検査や発達検査。発達心理学ならではの発達検査。知的側面の知能検査と比較して、社会性など幅広い内容から。子どもの全般的発達の度合いを。発達遅れの可能性を検出する。発達指数を求めることが出来る。発達年齢はどれくらいの発達年齢に相当するか換算表で。養育者など周囲の大人に質問に答えてもらう。子供本人に課題や検査を実施。スモリ式。0から1歳用など。5つの領域から。領域ごとに養育者に聞く。デンバー式。日本版。微細運動などの領域から。0から6歳の子供に。おおよその生活年齢帯が。項目ごとに達しているか否かが。全領域発達年齢のみだけでなく領域ごとに。幼児期において重視されているのが言語発達検査。PVTR。マッカーサー。絵画語彙発達。マッカーサー乳児用。国際的に汎用性の高い。
他の手法や分析法。面接。言葉を理解できるようになる幼児期以降なら可能。臨床的面接。調査的面接。面接の行い方。事前に質問項目を全て質問する構造化面接。その場の流れなどで。半構造化面接。面接時の流れに応じて。非構造化面接。幼児の場合は会話がスムーズに行かない場合が多いので構造化面接は難しい。自由回答に答えるのも難しい。誘導にならないよう慎重に。対面して補佐して1ステップずつ。協力者とラポールを形成することが。研究者と協力者の信頼できる関係性。実施日より前に会い遊んだりして参加しやすく。心理学では同意書の署名を求めることが多い。協力者本人から同意を得られづらい場合は保護者などから。協力者が嫌がっていないか疲れていないかなど。
量的分析と質的分析。量的分析。5歳児7歳児100人に調査を。質問項目に5段階で。数値されたデータを分析。通常は統計分析を。変化の本質が捉えられない場合も。質的分析を含めて。発話や行動が意味するところなど。分析単位となる高度化やカテゴリー化を。カテゴリーごとの発生率を年齢間で比較するなど。カテゴリー案を事前に作成して。基準が誰が分類しても同じになるように。主たる研究者と別の研究者が独立に行い高い一致の度合いを。コーエンのカッパ係数。一致の度合いが高ければ残りについても。カテゴリーの発生率を。関連性や階層性を見出し理論を。グラウンデッド・セオリー法。
実験調査観察検査面接などの手法が。組み合わせて行うことで発達について色々なことが解明される。

 

発達心理学概論 (放送大学教材)

発達心理学概論 (放送大学教材)

 

 

 

 

 

想像―心と身体の接点

想像―心と身体の接点