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発達障がいという概念(思春期・青年期の心理臨床第4回)

ベテランの自閉症である私の体験から言っても、個人の原因を探ることが必要であり、枠組みはかえって障害になってしまうことがあるのがポイントになるのではないかと思う。

 

大山泰宏。発達障害という概念。思春期・青年期の。発達障害についてよく知る人も。00年代から現場でよく聞くように。専門的用語を越えて日常会話でも聴くことがあるくらい。広まった背景。平成16年04年に発達障害者支援法が。国の方針としてサポートが一挙に。学校という教育の現場や会社などでも人々の理解や支援のあり方が大きく変わる。青年や成人たちが自分を理解するキーワードに。子供の理解にも。あまりにも安易に使われている?助かった人は実に多い。何故人とずれているのか。簡単に出来ることが何故出来ないのか、そんな理由を知る手がかりに。概念が広がるまでは性格の問題やワガママや気にしすぎと。傷つき孤独を抱える。子供の場合は落ち着きがないとは対人関係が不得意とか育て方の問題に。発達障害の概念。少し俯瞰して対象化して見直す。発達障害ということを思春期・青年期で取り上げる理由。ただでさえ心理的危機を。発達障害の子供が乗り越えるのは定型発達の子供以上に問題が。発達の障害がある子供を理解する必要が。そうでないと揺れ動く大切な時期に受けた心の傷が長引くことになる。
発達障害を定義して整理。発達の障害。子供が大人になる発達過程で何らかの障害が生じる。発達障害というと知能の発達が。精神発達遅滞。運動の障害?発達障害という概念は心理的発達の障害に限定される。ココロという複雑な精神機能の発達上の障害。不具合が出る。ココロ、精神。様々な機能が複雑に合わさる。心は単独でなく他の人との関係の中で育まれる。関係の障害であったり機能の複雑な組み合わせで障害が。心理的発達の障害だが慣例として省略。心理的発達の障害。精神障害とは異なる。心の機能が一旦完成した成人期以降に不調をきたす。いわゆる発達障害は形成していく途上での。
発達障害の種類。基準やマニュアルでも区分が異なる。特に代表的なものに。耳で聞くだけでなく図を適時参照しながら。大きなカテゴリーとして広汎性発達障害。自閉症スペクトラム障害などとも言われる。自閉症スペクトラムとも。いずれにしても注意欠陥・多動性障害や学習障害の3つに。更に絞る。最初の2つについて焦点を、2つのあり方を説明することで共通して体験する心理的困難さを見ることが出来る。学習障害は多彩。
広汎性発達障害。広汎性。ひろきに渡る。広汎性という言葉は反対の意味を持つ特定の、という対比。特定の発達の障害。特定の機能の障害。言葉を喋ったり聞き取ったり。特定の運動の機能。広汎性。どれかに特化しているわけではなく精神機能や運動機能に広く。障害と言っても広く生じるのでこれだとハッキリはわからない。何となく奇妙だったり漠然としたり。色んな機能がどのように不具合があるかは専門的な診断や検査が。自閉症とアスペルガー症候群。自閉症。最も特徴がはっきりしていて目立つ。レインマン。乳幼児の早い時期から。情緒的な交流は赤ちゃんの頃からあるはずだが、情緒的循環や応答に極めて乏しい。手のかからない子供。相互の関わりはコミュニケーションの基盤なので言語能力の問題にも。言葉が出てこない。知能の発達が悪いので早期に見いだされる。人に関心を持たず。アスペルガー症候群。幼い頃は言葉が遅れているわけではない。知能の発達の遅れもそれほどなく賢いくらいのことも。3歳から4歳あたりで一般に子供は人の心を読むが。アスペルガー症候群では対人関係の文脈を読み取れない。自分が興味があることに一人で没頭する。思ったことをすぐに行動に移すなど周囲と違う。親密な友人関係は心の成長に大切だが、同年代の子供とは波長が合わず一人遊びに没頭しチャムの関係を築けない。築きたくなったときには暗黙のルールがわからない。頭に浮かんだことを口にするので悪口ばかり言っていると言われる。ニュアンスや機敏がわからないので煙たがられる。好きな異性を追い回す。遊ぶときに自分の考えを周囲と調整が出来ないので自分勝手と思われる。友達関係から浮いてしまい空気が読めないと。前思春期から分かってもらえると思い危機を乗り切るので、仲間はずれにしがち。誰かを仲間はずれにすることで凝集性を確認する面もあるのでいじめられる。何故こういう扱いをされるか分からず混乱する。なぜ大人から注意されるのか。思春期の関係での傷つきから自己効力感が低くなり怒りなどを。対人関係上の困難は広汎性発達障害に共通。大人の発達障害。対人関係や仕事で上手く行かないことを繰り返し抑うつ状態などに。前思春期から友達関係の中で傷ついたりする経験を持つ人が多い。どんなふうに過ごしたか。小学校3年4年では辛い思いを。寂しい思いを。最初はカウンセリングで人間関係を問題にするが、進んでいくと前思春期から頑張っても積もり積もって心の傷に。発達障害の記憶の特性上、体験が記憶の中に鮮明に残っていることが多い。普通は記憶も変容して詳細を忘れたり客観的に見られたり映像が実際と異なってきたりするが、広汎性発達障害や自閉症スペクトラムの記憶は細部に至るまで映像的にはっきり覚えている。こうした体験は累積していく。ただでさえいじめられたり起こられたりするのが多いのにどんどん積み重なる。思い出す、懐かしむわけにはいかず苦しくなる。思い出すこと自体が心の傷に。敏感なので他の子が起こられたことも傷になる。起こっていた大人の感情に晒されやすい。思い出すこと自体がネガティブに。定型発達より心の傷が。トラウマ。発達障害の場合は累積する繰り返される心の傷になる。フラッシュバックして自傷行為に。リストカットなどの行為を。周囲は何故些細なことに、と思うがそれもトラウマに。誰も理解してくれない助けてくれないとトラウマに。生き延びるためには主張したり攻撃的になったり自分を傷つけたり悪循環に。思春期からの体験を理解して適切な支援をするのは大切なこと。
広汎性発達障害というのは自閉症スペクトラムとも。広汎性発達障害は単一の機能の問題ではなく様々な機能からの高次で複雑な心理的機能の障害。複雑なので下位分類をしたとしてもきれいにクリアカットが出来ない。知能の遅れを伴わない高機能自閉症。アスペルガー症候群と区別するのは難しい。典型的なアスペルガー症候群や典型的な自閉症というより、幾つかの特徴を持っている場合が多く、特定不能の広汎性発達障害と診断されることが多い。下位分類に分類するのに疑問が、同じ子供でも障害が異なる場合も。コミュニケーションや社会性の障害を。自閉症スペクトラムとして連続したものとして。七色のスペクトル。連続体でありながら異なる。障害を取って自閉症スペクトラムと。社会的影響も大きく作用。発達障害とされる人は急激に増えている。明らかに社会的定義に問題が。少し変わった個性の範囲だったのが障害とみなされる。特徴を障害としてみなすよりも個人差として。日本の社会は個々人の差異に不寛容。空気を読め。他の人がどのように思っているかを察するのが美徳。集団への同調圧力が相当に強い。強い個性が場にそぐわない、了解が分かっていないと。それが障害とされてしまう。小学校の子供の夏休みのキャンプで集団生活を。子供に何を学んでほしいか。協調性やルールを。アメリカでは夏休みの長期間のキャンプの目的は集団生活の中で得意や不得意や個性を自覚するのが目的。加えて日本ほど社会が正確に動いている国はない。通勤電車や宅配便の配達。日本の社会がオーガナイズドされていて気配りするのが大変。サービスの提供側は大変、出来ないことに不寛容に。過度に強調されている?
注意欠陥・多動性障害。ADHD。注意に偏りがある、欠陥がある。活動しすぎる。多動。平たく言えば注意が散漫で落ち着きがない。他の子供が落ち着いた年齢でも目立つことが。ADHDの状態は幼児期からもある程度明らか。スーパーで好き勝手に動く。一時もじっとしていられない。注意の偏り。他の子と違い無頓着。光などに敏感で集中が出来ない。自閉症スペクトラムの場合コミュニケーションが難しいが、ADHDはコミュニケーションが良好である場合が多い。しかし双方を持つ子供も。ADHDというものが青年期思春期と。小学校の中学年、前思春期の当たりから社会的適応の難しさが。低学年では落ち着きが無いのは普通だが。中学年になると内面化された統制を。自立的。状況を理解してそれにふさわしい振る舞いを。ADHDの場合は自己制御が難しい。他の子供との差異が目立つ。集中が難しくて椅子を引きずる音に集中してしまう。車の音が気になる。結果として落ち着かず動き回る。前思春期以降の仲間との凝集性を強調する時期では排除の対象に。理由もわからず疎まれるので心の傷付きを。ADHDの行動。大人の対応にも問題が。ウロウロしたり奇声を上げたりすると注意するが、それは逆効果。大人からのメッセージがNegativeなことに占められて自己価値観を損なう。目立たないときにこそ声をかけるべきだがなかなかそうはならない。一旦発達障害と名付けるとその枠でしか見なくなる。ADHDだから大暴れすると。処置の問題になってしまう。診断がついていない場合は原因を探るはずだが。ADHDが原因だから暴れるのではなく理由があるはず。子供の内面に目がいかなくなる。
発達障害の概念で救われている人は多い。心理的困難さ。それを知り知識に基づいて対応するのは大切だが、しっかりとその子個人として理解するのに耳を澄ませるのも大事なこと。発達障害について知ることはなかなか対応のチャネルを増やす、能動性を増やすよりも、自明のはずのことをもう一度捉え直すために使われるべき。心理臨床の本質に。心理学的知識は分かっていなかったことを知るためのものである。

 

思春期・青年期の心理臨床〔新訂〕 (放送大学教材)

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  • 作者:大山 泰宏
  • 発売日: 2015/03/01
  • メディア: 単行本