F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

離婚紛争と子ども(司法・犯罪心理学第8回)

離婚の問題は他人事ではない。私は結婚していないが相談をされることがあるだろうから。

 

廣井亮一。離婚紛争と子ども。離婚問題は親子の様々な問題に反映。日本の離婚の現状と制度。少子社会における親権と親権者の決定。面会交流の意味と子どもの発達に応じた適切な方法。
婚姻件数と婚姻率。離婚件数の年次推移。12年までの統計。16年度の婚姻件数は62万件。離婚は20万件。16年度の子どもの出生数は98万人。合計特殊出生率は1.44。高離婚率や少子化。子どもの問題。生身の子どもは分けることが出来ない。心が傷つく。どちらが親権者になるかは離婚届時に決定する必要。双方とも早く分かれることを望んでも離婚は出来ない。未成年者の子ども。親権者の決定方法。面会交流。養育費などの取り決め。親権者については家庭裁判所の調停など。ハーグ条約に14年に。離婚紛争は増加傾向。様々な場面で家裁などの手続が。対人援助者が対応する場合の臨床的見方。紛争の渦中にいる人は、相手に責任があると。DVなどを除き非を認めれば解決につながることがある。離婚紛争の言い争い。妻は1日中働いている。夫は夜は飲み歩き休みはゴルフ。夫の立場。夕食の用意もせずに早く寝ている。双方の話を聞くといずれの夫婦不和の原因。悪循環。夫婦不和の多くは関係の悪循環が。対立する当事者の問題についての見方の一つ。渦中にいる夫婦は悪循環が見えず歪を相手に帰属させようとする。飽和点に達して離婚に。夫婦へ臨床的な。夫婦不和の原因を突き止めるのではなく互いに相手から物事を見てもらうように。自分でも改める必要があると。子どもの奪い合いなどの解決にも。
離婚の制度。協議離婚。9割。16年の離婚手続きの87%。夫婦双方が合意し届出用紙に署名捺印して提出。しかし協議離婚に伴う夫婦の問題や子どもの問題で後から問題に。12年から離婚届に養育費の分担や面会交流についての要件があるが未記入でも離婚できる。相手と分かれることを重視して親権者の問題を忘却しがち。親権者の変更を家裁に申し立てること。離婚の際は混乱しきっていた。それに真剣の意味が分からなかった。いつでも子どもを。調停離婚。16年の離婚手続の10%。家庭裁判所の調停手続。理由はなんでも構わない。和合調停を申し立てることも。調停手続きでは調停委員などの調停委員会が合意を目指す。当事者による話し合いといっても同席調停は稀。当事者の話を介する別席調停を。合意すれば調停成立。裁判離婚。16年の離婚手続きの3%。離婚訴訟。調停離婚のように性格が合わないなどの理由では出来ない。不貞行為。悪意の遺棄。強度の精神病。重大な理由など。離婚訴訟は公開の法廷で定められた手続で。本人訴訟は難しい。
親権。民法では権利義務。監護や教育。財産管理。89年に国連で子どもの権利条約。子ども自身に権利主体性が重視。最善の利益に叶うように育てる権利義務。未成年の子供がいる場合は共同親権者。父母のどちらの意見がではなく互いに相談し協力して子育てを。子育ての方法をめぐり夫婦喧嘩が?偏ることなくバランスを。親権者としての権利的側面。必ず一方が親権者として決める。親権者と監護者を分けることもできるがトラブルの元に。決定と変更の方法。離婚について合意しても親権者が決定する必要。親権者ではない親が親権者であることを希望する時は親権者変更の調停を。家裁の調停で話し合い。不成立になると家事審判などで決定。親権者指定などの判断基準は子の最善の利益。成長と発達が最適に。人権の保障。親の希望や後継ぎがほしいなどの親の事情ではない。具体的な判断基準は、就労経済住居の状況。監護補助者の有無など。子どもの側の事情や親子関係の関係性など心理臨床的事項を元にして決定。親権者変更について合意が有り子の不利益にないと。家事審判法。その意思の考慮を。子どもが15歳以上は子どもの陳述を聞かなければならない。児童室などでプレイセラピーをして意思を把握。
面会交流。離婚後や別居中に面会や宿泊を。手紙や電話。11年の民法改正で面会交流権として。それまでも家裁では面接交渉という形で実務上対処。家庭裁判所の超低事件の件数は03年の4000件から13年の1万件に増加。民法改正で面会交流権が制度化、少子化の進行。子どもを養育していない親は子どもに会う権利があり拒む権利はないと。親権者は会わせないと強調。よく起こる紛争。766条のように子の利益を最優先に。面会交流権や親権があるという親の権利で主張するのではなく。子どもを主体とする。年齢や心身状況や発達程度を考慮し子の利益を。親双方が面会交流をめぐり対立する限り適切な解決は出来ない。双方の不信感を争っているから。どの段階でも悪影響を。必要なのは夫婦関係の破綻でも双方とも父親母親として繋がっている。互いを尊重することが子どもの真の愛情を。試行的面会交流。別居している親と子どもの面会。同居している親や調整委員が別室で見守る。悪い影響を受けて会いたがらないと思いこんでいる状態から変わることも。
子どもの発達に応じた面接交流。親の離婚など紛争が子どもにどのような影響を。1歳半から3歳。3歳から5歳。6歳、9歳、13歳以上。面会交流の際の心得や援助の方法。離婚等で父親が別居した場合を想定。0ヶ月から1歳半の乳児。母親は夫などへの否定的感情を。悪性投影。子どもをカワイイと思えなくなりネグレクトなどの虐待に。子どもにとっては父母の葛藤と紛争に晒される。養育者を通して人間の原型を。健全な成長や他者との関係に悪影響を。この時期の面会交流は養育者と子供との安定した関係を保障するのが絶対条件。1歳半から3歳児。親との愛着、アタッチメントを形成する。夫婦の不和や離婚、面会交流などの紛争でネグレクトなどの不安定な。愛着障害にもつながる。愛着障害は乳幼児期からの長期にわたる虐待などで。衝動的反抗的破壊的な行動が見られ情愛や自尊心が欠如。思春期に非行の問題。子どもは1歳過ぎころから徐々に分離。その不安で再び母親に最接近するジレンマ。分離個体化に向けての試練。この時期の子どもが発達課題を乗り越えるためにはとりわけ父親の役割が重要。最接近期の危機から逃れられない。3者関係を体験して自立するための重要な時期であることを双方に分かりやすく説明し適切な面接交流を。3歳から5歳児。自己中心の心性を持つ。物事について自分が起こしたものだと捉える傾向。不和や離婚は自分のせいだと。離婚して紛争が続いている場合は本当に困る。渦中に置かれる子どもがお父さんは会いたがっているがお母さんが会わせたくないと。自分を2つに。アイデンティティ形成の障害に。両親の離婚や別居などで一方と別れた場合には分離不安が、退行現象や赤ちゃん返りを。この時期の子供との面会交流で対立している親には問題を説明。プレイセラピーを実施するのが有効。6歳から8歳児。両親の離婚を経験すると見捨てられたという気持ちに。子どもが転校した場合は友達をなくし幾重にも喪失感が。別居している親との面会交流は補償につながる。別居している親は養育費など経済的即年の支援も必要。中性葛藤。面会交流で対立している場合、別居している親に会うことで示す忠誠と会わない忠誠。何方にしても罪悪感を。悩みを聞いて。9歳から12歳児。裁判官的。正義感が強く何方が正しいか決着を。曖昧では許さない。一方の親を悪者とみなす。思春期を前にして親の何方かを否定するのはアイデンティティの問題が。攻撃性が様々な問題行動につながる。親子関係が問題に。恋人だったり親子の役割が逆転したり。両方の親への愛情などがある。援助者としては両親の親への感情を。13歳以降。感受性が高まる。離婚や面会交流では大きく揺らぐ。問題行動や神経症などの症状も。思春期青年期。じっくりと話を聞くだけで自ら考え意見を表明することが出来る。当事者の一人として尊重を。
面会交流で重要なのは発達段階に応じた心性を。最善の利益のために。
養育費など経済的事情。子どもを引き取った親は別居している親に請求できる。養育費とは子どもの生活費。同じ水準の生活ができるように。20才が目安だが院に行くなどして自立ができない場合はのびることも。誠実に払ってもらうのが望ましいが話し合いが出来なかったりまとまらなかったり。養育費を決めても支払いが途絶えてしまう。家庭裁判所に養育費請求の申し立てを。算定表が作成されていて目安を算出することができる。HPからDownloadを。

 

司法・犯罪心理学-司法臨床のアプローチ- (放送大学教材)

司法・犯罪心理学-司法臨床のアプローチ- (放送大学教材)

  • 作者:廣井 亮一
  • 発売日: 2020/02/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

家裁調査官が見た現代の非行と家族:司法臨床の現場から
 
司法臨床入門(第2版): 家裁調査官のアプローチ

司法臨床入門(第2版): 家裁調査官のアプローチ

  • 作者:廣井亮一
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: 単行本
 
加害者臨床

加害者臨床

  • 作者:廣井亮一
  • 発売日: 2012/12/21
  • メディア: 単行本
 
非行臨床の新潮流

非行臨床の新潮流

  • 発売日: 2011/06/25
  • メディア: 単行本
 
法と心理学への招待

法と心理学への招待