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反乱伝承の諸相。(『古事記』と『万葉集』第5回)(その1)皇位継承争い。

今の天皇もそうだけど、同じ血の人間に引き継ぎたいというのは心情として理解は出来る。

 

多田一臣。朗読は高山久美子。今回と次回とで古事記中巻の世界を。ただ多岐にわたるので、今日は皇位争いの背景の継承の話を。次回はヤマトタケル。
皇位継承の争い。王権の秩序を覆す行為にあたる。実は下巻にも。なぜ争いが生じるのか。原理的な問題をまず。皇位継承争いの意味。まだ仕組みが後の時代の皇太子制度のように明確に定まっていなかった。早い段階では兄弟相承が一般的。兄弟間で王位を受け渡す。ただ初代の神武天皇から第14代の仲哀天皇辺りまでは、父から子への継承が一般的。父子継承。しかしそれはむしろ後の時代に理念として整え直したとみる。歴史的事実として何処まで捉えられるかがそもそも問題だが、いずれにしても後の皇太子制度のような父子継承の制度が存在していたとは思われない。兄弟相承を考える。当時は一夫多妻制が原則なので、腹違いの兄弟たちが複数存在。なので兄弟間の皇位継承の争いは必然なもの。民話の世界では兄弟間の争いでは末子相承が原則。古事記の場合も顕著。