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諮問機関と政策形成の限界(公共政策第11回)♯放送大学講義録

-----講義録始め-------

 

次に、諮問機関の限界について考えます。まず、管理的活動に引きずられやすいことがあります。この諮問機関を作り運営するのが、そもそも管理活動を担う行政組織であることを忘れてはなりません。行政官たちは、これまでの経緯や業界の利害、自治体の実施体制、政治状況など、政策過程に関する専門知識も有しています。

その観点から見て、膨大な行政資源が必要となったり、自分たちの組織を揺るがせたりするような知見は、やはり受け入れられないとの判断がなされがちです。同じことは委員の人選にも言えます。学会の中で路線対立があったり、そもそも関係者が少なかったりするような分野の場合は、参集する専門家に偏りができてしまう可能性が捨て切れません。所管する府省が中心になって政策形成を行う場合、大なり小なり既存の人間関係のネットワークの中でのみ政策を作ることになります。

そうすると、異なる知見は政策に反映されにくい構造が生まれます。しかし、社会にはそれとは異なる利害も当然ありますから、政権中枢や他の府省と対立する場合もあります。政権中枢から見ると、所管府省が自分たちの利害に反しないように異なる知見をブロックしているとも見えるわけです。そうなると、既存の諮問機関を使わずに別の機関を設置して政策転換を図ることが試みられることがあります。

つまり、新しい会議体に政権の意向を体現するような専門家を集めることで、既存の諮問機関とは異なる知見を政策過程に取り入れようとします。今までにない知見を基に政策形成がなされるという利点もありますが、他方で、思わぬ副作用を伴う政策になってしまう可能性もあります。