ーーーー講義録始めーーーー
本講義は最終回となります。今回は、皆さんと共に、地域の総合博物館における情報メディアの在り方について学びます。実際の博物館を比較するという手法を通じ、比較という技法の意義や、研究によって蓄積された情報をさまざまな工夫で発信する取り組みの重要性が印象に残りました。情報を的確に伝えることが、博物館というメディア本来の役割であると再認識するとともに、博物館が情報伝達の媒体として非常に重要なキーワードであり、その役割は今後ますます拡大していくと考えています。
現地レポート:滋賀県立琵琶湖博物館
今回は、私が滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)を訪問し、その展示内容についてご紹介します。館内からは琵琶湖が望め、その景観は圧巻です。本日は、博物館の高橋さんに現地の展示内容についてお話を伺いました。
高橋さん(インタビュー対象)によると、当館では1996年以降、琵琶湖と人との関わりを示す展示や、現代の琵琶湖の自然環境と人々の暮らしを解説する展示が行われています。また、展示の一環として「ディスカバリールーム」や屋外の森なども設けられており、来館者が実際に体験しながら学べる工夫が施されています。
具体的な展示内容としては、琵琶湖の水辺環境や、湖の深さ、また川の上流・中流・下流に生息する魚類の展示があります。さらに、琵琶湖固有の種も展示されており、他地域では見られない独自の生物多様性が紹介されています。興味深い点として、琵琶湖の展示エリアでは、世界各地の古代湖も紹介され、琵琶湖の生態系と比較することで、その独自性を際立たせる工夫がなされています。また、生態系を支える小さなプランクトン類の展示も行われており、これらの展示は非常にユニークな試みとして評価されています。