ーーーー講義録始めーーーー
これまでにいろいろな博物館を訪れてきましたが、どんな体験が心に残っていますか。
大人向けの展示ではなく、子供向けの展示として、携帯ゲーム機を利用した体験型展示や、日本モンキーセンターの『リスザルの森』などが印象に残っています。
また、インタラクティブな展示として、色や形の感覚に触れることができる『タッチフィッシュ』など、実際に体験できる展示や、銃のように操作してその結果を目の前で確認できる展示も非常に印象深かったです。
確かに、生き物の展示は感動を呼び起こしやすいですね。例えば、水中トンネルでは、普段は近くで見ることのできない魚たちを間近に観察できたり、生動物が迫ってくる体験ができたりします。つまり、展示を通じて来館者自身が直接その世界に触れる体験を提供する仕掛けが、館側によって意識的に工夫されているのです。
さらに、展示には『575』という構成や、いわゆる『ワンダーモーメント』と呼ばれる瞬間の驚きを演出する試みも見受けられ、これらは高度な演出技術とも言えます。一般常識や既定の枠組みを超えることで、新たな面白さや感動を生み出し、お笑い番組のようなエンターテインメント性が感じられる場合も多いです。
一方、琵琶湖博物館の水族展示では新たなエリアが設けられましたが、来館者の行動や期待に沿った演出でなければ、正当な枠組みからの逸脱が逆効果となり、単なるミスマッチと受け止められて残念な体験につながる可能性があるため、注意が必要です。