ーーーー講義録始めーーーー
ここからはリカバリー志向の支援についてお話しします。
イギリスで出版されている『本人のリカバリーの100の支え方』は、従来のサービスとリカバリー志向のサービスの違いをまとめたガイドとして、精神保健従事者向けに提供されています。印刷教材に掲載された、従来のサービスとリカバリー志向のサービスの違いのポイントをご覧ください。
リカバリー志向の支援では、支援者は本人の価値観や選択を尊重し、単に料理や診断を行うのではなく、本人が経験する苦悩や個人的な意味を重視します。また、治療そのものよりも、その人の成長や発見を促すことに重点を置きます。さらに、科学的な知識ベースよりも、本人が語るナラティブや実際のロールモデル、社会的背景の文脈に基づいた理解を重んじ、疾患や障害に焦点を当てるのではなく、人としての全体像に目を向けます。具体的には、本人の長所や強みに注目し、夢や希望に沿ったエンパワーメントを促す実践を行います。目標は、本人がセルフコントロールし、選択し、変化・変容していくことを健康面でサポートすることです。
リカバリーは本人が実現するものであり、支援者はそのプロセスをサポートする役割に徹します。そのため、本人と共に歩み、共に学ぶ姿勢が求められます。