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医療ソーシャルワーカーの意思決定支援事例(社会福祉実践とは何か第8回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

「よろしくお願いします。普段のお仕事はいかがですか。」

「実際に働いてみると、病気に伴い医療費が払えない、仕事に支障が出るなど、生活に関するさまざまな問題を抱える方が多くいらっしゃいます。こうした問題を解決するためのサポートを、日々行っております。」

「さて、早速ですが、意思決定支援に関してお伺いします。印刷教材でも取り上げられているテーマですが、これまでのご経験の中でどのような事例があったか、具体的な内容を少しご紹介いただけますか。」

「入院に関する問題を抱える方は、日々様々な意思決定を迫られており、大きなものから小さなものまで、その結果が生活に大きな影響を及ぼすことがあります。ソーシャルワーカーとしては、本人としっかり話し合い、その意向を支援計画に反映できるよう支援することが基本です。

たとえば、「こう生きていきたい」という思いを持つ方や、さまざまな悩みを抱える方のお話を丁寧に聞き、その上で支援を行っています。また、本人が自分で意思決定できる場合は問題ありませんが、病気に伴い意思決定が困難になる方もいらっしゃいます。その場合は、通常、家族など本人に近い方々と連携し、本人の考えを推測して支援計画に反映させるよう努めています。

また、意思決定が困難な方への支援においては、関係機関との連携や家族間で意見が一致しないなど、支援者側にも多くの課題が生じます。さらに、家族や支援者がいないケースも増加しているため、本人の意思をどのように反映させるかが大きな課題となっています。こうした場合、本人の生活環境やこれまでの生活状況をしっかり把握し、情報を収集した上で、専門職や地域住民などからも情報を得ながら、最適な支援策を模索しています。」