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CSMA/CDとネットワーク衝突対策入門(身近なネットワークサービス第7回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

それでは、次に中継機器によって構成されるネットワークについて考えてみましょう。まずはリピーターからです。
リピーターは、ネットワーク上の端末を接続するために用いられる装置で、すべてのポートに同一の信号を送信します。リピーターに接続された端末は、接続されたすべての端末から送信されるフレームを無条件に受信できるため、その受信可能な範囲を「セグメント」と呼びます。1本の通信路を複数の端末で共有するため、各端末はネットワーク上のフレームを監視し、宛先が自分の場合のみ受信し、そうでなければ破棄します。

しかし、セグメントに多数の端末が接続されると、通信路は1本であるため、複数の端末がほぼ同時にフレームを送信すると、フレーム同士が衝突し、衝突が発生したフレームは失われてしまいます。この現象を「衝突」と呼びます。

Ethernetネットワークでは、この衝突を防ぐために**CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)**という制御方式が採用されています。

  • CS(Carrier Sense):送信前に通信路が他の端末によって使用されていないか確認します。
  • MA(Multiple Access):通信路が空いていれば、複数の端末が早い者勝ちで送信できる仕組みです。
  • CD(Collision Detection):衝突が発生した場合、送信中のフレームを中断し、ランダムな待ち時間を経た後、再送信します。
    この制御は、各端末に搭載されたNIC(Network Interface Card)によって実現されています。

セグメント内に多数の端末が接続されると、通信量の増加に伴い衝突発生の可能性が高まり、衝突が頻繁になると通信速度の低下につながります。そのため、有線ネットワークの構築ではスイッチングハブを用いて、各ネットワークセグメントに接続される端末数を制限し、衝突の発生を抑える工夫がなされています。