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有線LAN構築と通信経路最適化(身近なネットワークサービス第7回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

【図1:LAN構成例】
スイッチングハブS1には端末A、S2には端末B、プリンター、ファイルサーバー(NAS)が接続され、S2はルーターに接続。ルーターは端末Cおよびインターネット(WAN)へ接続される。

 


サーバー設置位置の検討

サーバーはクライアントからの要求に応じて機能を提供するコンピューターで、利用頻度が高い場合はアクセス端末から最短経路で接続できる位置に設置するのが理想です。本例では、端末A・B・Cが同等に利用するサーバーをスイッチS2に接続すると、Bから1ホップ、A・Cから2ホップでアクセス可能となり、平均経路長が最短になります。

プリンター設置位置の検討

プリンターは通信頻度が低く処理速度も遅いため、経路長より利便性を優先しスイッチS2に接続しても他通信への影響はほとんどありません。

ファイルサーバー設置位置の検討

ファイルサーバー(NAS)はアプリケーション利用時に頻繁な読み書きが行われるため、アクセス頻度の高い端末から近い位置に設置する必要があります。図1の場合、S2に接続することで全端末が2ホップ以内でアクセス可能となり最適です。

インターネット接続経路の検討

図1における各端末からWAN(インターネット)へのホップ数は以下のとおりです。

  • A → S1 → S2 → ルーター → WAN:3ホップ
  • B → S2 → ルーター → WAN:2ホップ
  • C → ルーター → WAN:1ホップ

特定端末が頻繁にインターネットを利用する場合は、ホップ数を最小化できる接続位置を検討すると通信効率が向上します。


ネットワーク設計では、主要通信先(サーバーやインターネット)への経路長を意識し、各スイッチングハブの負荷分散と経路バランスを保つことが重要です。本構成は各端末が2~3ホップで主要サービスにアクセスできるため、効率的なネットワーク設計と言えます。