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高校数学|数列極限の四則演算と不等式 (初歩からの数学第13回)#放送大学講義

四則演算が100%可能ではない場面がある。なので難しいが興味もある。

 

ーーーー講義録始めーーーー

 

数列の極限と四則演算に関する補足

1. 不等関係と極限の保存性

数列 ana_n と bnb_n がすべての nn に対して

anbn

であるとき、極限が存在すれば

limnanlimnbn

が成立します。


2. 収束する数列と発散する数列の積

例えば、ana_n がある定数 α\alpha に収束し、bnb_n が無限大に発散する場合、

limnan=αおよびlimnbn=+

とすると、両者の積は

limn(anbn)=α×(+)

となり、結果として無限大に発散します。


3. 各項の不等式と極限値の一致

たとえ各 nnan<bna_n < b_n であっても、極限を取ると両者とも 0 に収束する場合があります。
例えば、

an=1n+1,bn=1n

とすると、各 nn において an<bna_n < b_n ですが、

limnan=limnbn=0

となります。
この例は、各項の大小関係が必ずしも極限値の大小関係に反映されるとは限らないことを示しています。


4. 図表による説明

表:例の数列の比較

nn an=1n+1a_n=\frac{1}{n+1} bn=1nb_n=\frac{1}{n}
1 1/21/2 1
5 1/60.1671/6 \approx 0.167 1/5=0.21/5 = 0.2
10 1/110.0911/11 \approx 0.091 1/10=0.11/10 = 0.1
0 0

グラフ説明:
各数列のグラフでは、ana_nbnb_nnn の増加に伴い滑らかに 0 に収束しますが、各 nn での an<bna_n < b_n という関係は極限値には現れません。


以上のように、極限を取る際の四則演算や不等式の扱いに注意が必要であることがわかります。