四則演算が100%可能ではない場面がある。なので難しいが興味もある。
ーーーー講義録始めーーーー
数列の極限と四則演算に関する補足
1. 不等関係と極限の保存性
数列 と がすべての に対して
であるとき、極限が存在すれば
が成立します。
2. 収束する数列と発散する数列の積
例えば、 がある定数 に収束し、 が無限大に発散する場合、
とすると、両者の積は
となり、結果として無限大に発散します。
3. 各項の不等式と極限値の一致
たとえ各 で であっても、極限を取ると両者とも 0 に収束する場合があります。
例えば、
とすると、各 において ですが、
となります。
この例は、各項の大小関係が必ずしも極限値の大小関係に反映されるとは限らないことを示しています。
4. 図表による説明
表:例の数列の比較
1 | 1 | |
5 | ||
10 | ||
∞ | 0 | 0 |
グラフ説明:
各数列のグラフでは、 と は の増加に伴い滑らかに 0 に収束しますが、各 での という関係は極限値には現れません。
以上のように、極限を取る際の四則演算や不等式の扱いに注意が必要であることがわかります。