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高校数学|無限級数の収束・発散解説 (初歩からの数学第13回)#放送大学講義

ーーーー講義録始めーーーー

 

無限級数の収束・発散の例

1. 自然数列の級数

1, 2, 3, 4, 5, … と並んだ無限数列のすべての項の和(級数)を考えます。
部分和 SNS_N

SN=1+2+3++N=N(N+1)2

となります。
NN を無限に持っていくと、SNS_N は無限大に発散します。


2. 定数列の級数

すべての項が1である無限数列 1,1,1,1,1, 1, 1, 1, \dots の場合、
部分和は

SN=1+1++1=N

となり、NN\to\infty でこの級数も無限大に発散します。


3. 等比数列の級数

0と1の間の実数 rr0<r<10 < r < 1)を公比とする等比数列、すなわち初項が1の数列

1,r,r2,r3,

の部分和は、

SN=1+r+r2++rN1=1rN1r

と表されます。
ここで rNr^N は NN\to\infty で 0 に収束するため、

limNSN=11r

となります。
たとえば、r=12r = \frac{1}{2} のとき、級数の和は

1112=2

となります。


図表による説明

表:各級数の部分和とその極限

数列 部分和 SNS_N 極限
自然数列:1,2,3,1,2,3,\dots N(N+1)2\displaystyle \frac{N(N+1)}{2} 発散(\infty
定数列:1,1,1,1,1,1,\dots NN 発散(\infty
等比数列:1,r,r2,1,\,r,\,r^2,\dots 1rN1r\displaystyle \frac{1 - r^N}{1 - r} 収束(11r\frac{1}{1-r}

以上のように、無限級数は部分和の極限を求めることで、その収束性または発散性が決まります。