ーーーー講義録始めーーーー
食と健康の総括:医食同源と食育の重要性
これまでお話ししてきたように、食品は⾝体に直接働きかけるとともに、腸内細菌叢を介して健康長寿や慢性炎症性疾患、生活習慣病に深く関与しています。どれだけ良質な食事を摂ることが重要か、改めて実感されることでしょう。
特に、良好な腸内細菌叢を維持するには、食物繊維や発酵食品の積極的な摂取が効果的です。
医食同源
「医食同源」とは、日常の食事を病気の予防・治療に役立てるという考え方です。
— つまり、**“日々の食べものが、そのまま健康や治療の源になる”**と捉えます。
この理念を理解し、実践することは、健康維持のみならず、病気と向き合う上でも大変重要です。
食事の楽しさと食育
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食事は栄養補給だけでなく、楽しみであるべきです。
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食習慣は幼児期に形成されるため、食育の第一歩は家族みんなで食卓を囲むことにあります。
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子供たちは「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶や、正しい箸の持ち方など、食事の作法やマナーを自然に学びます。
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人生における「ごちそう」は、高級料理だけを指すのではなく、家族や仲間とともに囲む食卓そのものを意味します。
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こうした経験を通じて、食の重要性や望ましい食のあり方を身につけることが、食育の大きな役割です。