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8020運動と咀嚼の健康効果(食と健康第15回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

咀嚼と健康 ―「8020運動」の意義

食物の咀嚼(そしゃく)は、主にが担う役割です。成人は通常、親知らずを除いて28本の歯を持ちます。

「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」とは

80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という目標のもと、**平成元年(1989年)**に厚生労働省などが提唱した運動です。

  • 20本あれば、ほとんどの食品を自分の歯で噛み切れるとされ、栄養摂取口腔機能の維持・向上に有効です。

8020運動の成果

  • 2016年の「歯科疾患実態調査」によると、85歳以上でも「自分の歯が20本以上ある」人の割合は25.1%

  • 10年前(2006年)の**8.3%**から大きく増加し、高齢者の8020達成率は顕著に向上しています。

咀嚼能力低下の影響

  • 咀嚼能力が低下すると、食物の第1段階消化(口腔内での物理的・化学的分解)が不十分となり、食事量の減少栄養バランスの乱れを招きます。

噛むことと脳の健康

  • 咀嚼運動は単に食物を砕く役割だけでなく、脳への刺激としても重要です。

    • 記憶力

    • 注意力

    • ストレス緩和
      など、多様な認知機能の維持・向上に寄与することが示されています。