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ラクターゼ持続性遺伝子の広がり(食と健康第1回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

乳糖不耐症とラクターゼ持続性遺伝子

質問:なぜ乳糖不耐症は白人に少ないのか?

この民族差を理解するには、人類の農耕・牧畜開始の歴史を見る必要があります。

  1. 農業の始まり(約11,000年前)

    • メソポタミア(肥沃な三日月地帯)で野生の小麦やライ麦を栽培。

    • 安定した食料供給が可能となり、人口が急増。

  2. ヨーロッパへの農耕伝播と牧畜の導入

    • 農耕民がヨーロッパへ移住し、寒冷地では穀物よりも**畜産(ヤギ・羊の家畜化)**が適応。

    • 彼らは乳を得られるが、成人の多くは生乳で腹痛を起こすため、まずヨーグルトチーズなどの発酵乳製品を食していた。

  3. ラクターゼ持続性遺伝子の出現(約7,500年前)

    • バルカン半島付近の一部に、成人でもラクターゼ活性が維持される遺伝子変異が出現。

    • その子孫が北欧へ移動し、生乳を直接飲む文化を発展。

    • 生乳を消化できることは、栄養摂取や体格・繁殖能力の向上に有利に働き、子孫を多く残す有利な遺伝子として広がった。

その結果、北欧系を含む白人集団ではラクターゼ持続性の割合が高く、乳糖不耐症が少ないという民族分布が形成されたのです。