ーーーー講義録始めーーーー
次に、2018年に発表された研究をご紹介します。ここでは結論のみをお伝えします。
ある国際共同コホート研究では、余暇時間に仕事以外の時間を座位で過ごす人を対象に、全死亡リスクを解析しました。具体的には、ソファに座ってテレビを見たり間食したりする「カウチポテト」的な生活を1日6時間以上行う群と、座位時間が3時間未満の群とを比較したところ、以下の結果が得られました。
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1日6時間以上座位で過ごす群の全死因死亡リスクは、座位時間3時間未満の群に比べて 19%増加
これは、身体を動かさない時間が長いほど寿命を縮めるリスクが高まることを示しています。やはり、動くことこそが健康長寿の秘訣と言えるでしょう。
【図1 余暇座位時間と全死因死亡リスク(ハザード比)】
座位時間 ハザード比(全死因死亡率)
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< 3 時間(基準) 1.00
≥ 6 時間 1.19(+19%)
このように、1日のうち6時間以上を座って過ごす習慣は、動かない時間が少ない人に比べて全死因死亡リスクが有意に上昇します。健康を維持するには、日常的にこまめに立ち上がり、身体活動量を増やすことが重要です。