ーーーー講義録始めーーーー
認知行動療法(CBT)には、問題を理解し介入するうえで重要な3つの基本原則があります。
1. 学習の原理
人間は環境からの刺激に対する反応を繰り返す中で、適応的行動だけでなく不適応的行動や認知も学習します。つまり、問題行動や不適応的な思考も学習によって獲得されたものと捉えます。この原理により、学習されたパターンは再学習や条件づけの修正によって変えることが可能であると理解します。
2. 統合システムとしての問題理解
問題は、環境と人間の反応が相互作用するシステムの中で、特に悪循環によって維持されると考えます。例えば、「もうだめだ」という認知が不安を引き起こし、それが身体反応(動悸など)を伴い、回避行動へとつながります。回避は一時的な安心をもたらしますが、社会的孤立や批判など否定的な環境反応を招き、結果として悪循環が強化されます。この理解は、CBTの認知・感情・行動・身体反応・環境要因を統合したモデルに基づきます。
3. 現実志向の原則
介入の焦点は、現時点での具体的な生活場面における問題に置きます。ただし、こうした現在の問題は、過去の経験や学習の積み重ねによって形成されているため、過去の学習歴を理解した上で現在の問題解決を目指します。
これらの原則に基づき、現実に起きている問題の成り立ちを明らかにし、科学的根拠に基づいた具体的な解決策を見つけていきます。
