ーーーー講義録始めーーーー
皆さん、こんにちは。
地域福祉とは、「どこで、誰と、どのようにして福祉社会を築いていくか」を問う研究分野であり、その実践活動を指します。高齢者介護、子育て支援、障害のある人たちの自立生活支援など、多くの福祉施策は地域を基盤に展開されるようになりました。
一方で、2010年のNHK報道などを契機に広まった「無縁社会」という言葉に象徴されるように、地域社会における人間関係の希薄化も指摘されています。
地域福祉の法制度上の位置づけ
「地域福祉」という語が法律に明記されたのは比較的最近であり、2000年の社会福祉法の制定において初めて用いられました。
社会福祉法第1条には法律の目的が規定されています。
「この法律は、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定め、社会福祉を目的とする他の法律と相まって、福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(以下『地域福祉』という。)の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り、もって社会福祉の増進に資することを目的とする。」
つまり、法律上「地域福祉」は「地域における社会福祉」と位置づけられ、社会福祉法の目的の中核に据えられています。
地域福祉推進の具体的内容
社会福祉法第4条には「地域福祉の推進に関する基本理念」が規定されています。そこでは次のように定められています。
「地域住民その他の関係者は、地域における福祉サービスの利用者がその有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるようにするため、相互に協力しつつ、地域福祉の推進に努めなければならない。」
この規定に基づき、地域福祉の推進とは「支援を必要とする住民が、あらゆる分野の活動に参加できるようにすること」と理解されます。すなわち、地域住民、社会福祉事業者、社会福祉に関する活動を行う者が協働し、包括的な支援を行うことが理念とされています。
