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産業革命と科学的管理法の時代 #放送大学講義録(産業・組織心理学第1回その2)

2ーーーー講義録始めーーーー

 

20世紀初頭のアメリカ社会と産業の変化
19世紀末から20世紀初頭のアメリカ社会では、産業革命によって実現した大量生産技術がさらに発展しました。かつては職人が技能を活かして一つひとつ生産していた服や靴、食品や家庭用品、家具や建物も、次第に工場で多数の従業員が役割を分担して製造する方式が主流となっていきました。

企業組織の経営者たちは、より多くの利益を得るために効率性や生産性を高める方法を模索しました。また、生産した製品を大量に販売する方法にも取り組み、これらの活動が組織経営の効率化研究を促進しました。


産業心理学の三人の先駆者

  • Walter Dill Scott(ウォルター・ディル・スコット)
     スコットは1903年に『広告心理学』を出版し、心理学を広告や販売に応用しました。第一次世界大戦時には、アメリカ陸軍における将校候補者の適性評価に関与し、人材選抜の体系化に貢献しました。

  • Hugo Münsterberg(ヒューゴ・ミュンスターバーグ)
     ミュンスターバーグはドイツ生まれで、実験心理学の父ヴィルヘルム・ヴントのもとで学び、その後アメリカに渡ってハーバード大学で教鞭をとりました。彼は心理学を応用して仕事の効率化を追求し、電話交換手や電車運転士を対象とする適性検査を行いました。また、労働者の疲労と回復、学習能力、仕事の正確さ、労働事故の予防に関する研究を進めました。1913年には『Psychology and Industrial Efficiency(心理学と産業能率)』を出版し、第一に「最適な人間(Best Man)」、第二に「最良の仕事(Best Possible Work)」、第三に「最高の効果(Best Possible Effect)」を目指す枠組みを提示しました。

  • Frederick Winslow Taylor(フレデリック・ウィンスロー・テイラー)
     テイラーはフィラデルフィアの製鋼所の技術者で、生産性を高めつつ労働者の賃金体系を改善するための「科学的管理法」を提唱しました。作業工程を厳密に測定し、標準的な作業時間を算出する「タイム・スタディ」や作業手順を分析する「モーション・スタディ」を導入しました。1911年に刊行した『科学的管理法の原理』は、現代の経営管理論や生産管理論の基礎となり、多くの経営者に影響を与えました。

 

 

 

 

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