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ホーソン研究とパラダイムシフト #放送大学講義録(産業・組織心理学第1回その3)

ーーーー講義録始めーーーー

 

機械論的組織観の限界
20世紀初頭までの組織観は、組織を精密に設計された機械のように捉えるものでした。人間は組織という大きな機械の部品であり、生産性や効率性、労働意欲は報酬などの外的要因によってコントロールできると考えられていたのです。

しかし1920年代になると、こうした機械論的組織観に大きな変化をもたらす研究が登場しました。それが「ホーソン研究」によるパラダイムシフトです。


ホーソン研究の発見
アメリカ社会では科学的管理法に基づく生産性向上の試みが広く行われる中、シカゴ郊外のWestern Electric社ホーソン工場で1924年から1932年にかけて一連の実験が行われました。中心的な研究者にはエルトン・メイヨーとフリッツ・ロースリスバーガーがいました。

最初の照明実験では、照明を明るくすると作業能率が向上しましたが、照明を暗くしても作業能率が低下せず、むしろ高い水準を維持したのです。さらに、6人の女性従業員を対象に行ったリレー組立実験では、休憩時間や賃金、室温、湿度など物理的条件を変えても、作業能率は大きく左右されないことが示されました。条件を元に戻しても、作業能率の改善傾向は維持されたのです。


人間関係論の誕生
Mayoらは従業員への面接調査やグループ作業実験を通じて、物理的条件よりも職場の人間関係や仲間意識、責任感や仕事への誇りといった心理的・社会的要因が作業能率に強く影響するという仮説に至りました。

ホーソン研究は科学的管理法中心の組織観に疑問を突きつけ、人間を単なる「機械の部品」として扱う発想から、人間を感情や誇りを持つ存在として捉える方向への転換を促しました。この研究を契機として、人間関係論が提唱され、組織経営学に大きなパラダイムシフトをもたらしたのです。

 

 

 

 

 

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