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加齢と知能の変化 #放送大学講義録(成人の発達と学習第2回その2)

ーーーー講義録始めーーーー

 

知能は本当に衰えるのか

加齢が学習への影響について確認したいと思います。私たちは年齢を重ねると知能が下がって頭が悪くなると思い込みがちです。しかし実は、知能の性質が変化しただけであって、総合的な知力としては一定の知的水準を維持することができるのです。

知能に関する研究は心理学者によって様々に行われてきました。その結果を見れば、加齢による知能の変化は70歳以上であっても多くの高齢者の場合、変化がなく、長い間非常に安定していることがわかってきています。

流動性知能と結晶性知能

例えば、心理学者であるキャッテル(Cattell)とホーン(Horn)は、私たちの知能は多次元からなり多方面に発達すると考えました。そして多次元からなる機能の中でも特に流動性知能結晶性知能の2つを重要なものとして取り上げました。

流動性知能とは、論理的に考え、関係を把握し、抽象化することに関係し、問題に取り組む間、情報を留めておく能力です。流動性知能は情報処理のスピードに関わりますので、若い人の方が優れているといえます。

このような流動性知能に対して、結晶性知能とは、知識や過去の学習や経験で培った手順や考えのプロセスといった、教育や生活経験などから蓄積したものであり、情報を処理するスピードに関係しないものです。

情報処理のスピードに関わる流動性知能は35歳を境に低下しますが、過去の蓄積に基づく結晶性知能は年齢を経ても比較的安定しています。両者が相補うことで、総合的な知力は一定レベルで安定するのです。